23年8月第2週決算振り返り①(大和ハウス、全国保証、東京海上)
〇大和ハウス1Q決算
増収増益の決算となりました。進捗率は25.7%ですが、過去5年の進捗率平均18.8%を大きく上回り、また、コンセンサスも大きく上回っています。14時の決算発表直後は、一時5年ぶりの高値をつけるまで買われましたが、引けにかけて勢いが弱まりました。
決算説明資料によれば、物流施設を中心に開発物件売却が順調に推移したことや、新型コロナウイルスの感染拡大で低調だったビジネスホテルの稼働も順調に回復したことなどが利益押し上げに貢献しています。また、海外事業において、米国戸建住宅及び中国マンションの引渡しが順調に推移したことも業績に寄与しています。
今期の通期予想は減益見通しとなっていますが、引き続き進捗を見守りたいと思います。
〇全国保証1Q決算
増収増益の決算となりました。進捗率は19.6%と物足りなく見えますが、5年平均の進捗率18.4%と概ね同水準です。
以下、1Q決算サマリーです。
売上高にあたる営業収益は、新規保証実行件数が13,610件(前年同期13,072件)・新規保証実行金額は4,052億円(前年同期3,661億円)と件数金額共に増加し、保証債務残高の着実な積み上げ実施により増収となっています。
また、与信関連費用等が計画を下回ったことや、営業外収益の増加もあって営業利益・経常利益ともに増益。
なお、最終利益が前年同期比17.6%増と大幅増益となっていますが、これは約6億円の特別利益計上によるものです。
続いて、代位弁済金額の状況も簡単に見ておきます。
代位弁済金額は、約29億円と前年同期の27億円からは増加したものの、弁済率は0.07%程度であり、引き続き低位で推移しています。
全国保証の決算を見る際、この代位弁済金額および率というのは一つ注目しておきたいポイントですね。ちなみに、過去代位弁済率が最も高かったリーマンショックの時は失業率上昇等により0.34%まで高まっています。
ようやく日本においても金利上昇の足音が聞こえてきたということもあってか、同社の株価は引き続き軟調に推移しています。期末一括配当銘柄ということも影響しているかもしれません。
市況次第では下値余地はありそうですが、一方で3年後の1株配当243円計画を踏まえると、引き続きコツコツと買付を進めていこうと考えております。
〇東京海上1Q決算
増収かつ微減益の決算となりました。進捗率は22.8%と5年平均進捗率39.8%を大きく下回っており、コンセンサスも下回っています。
また、同社が採用する「修正純利益ベース」では1645億円と前年同期比18%の増益となっていますが、今期見通し6700億円に対する進捗率は25%と過去5年平均進捗率36%を下回っています。
順調な滑り出しとは言い難いですが、まだ1Q段階ですし、引き続き進捗を見守りたいと思います。
さて、現在東京海上はじめ損保セクターはビッグモーター絡みの問題や企業向け保険料の調整行為に関する問題で大きく揺れています。
一方で、今後日本でも、金利が上昇こそすれ下がりにくくなるだろうというマクロ環境を踏まえると、金利上昇で恩恵を受けるであろう保険株は少しづつ買い増していきたいと考えています。
今回の各種報道は残念なニュースではありますが、個人的には、これらの報道を受けて売却or買い増しをストップするという判断をするつもりはなく、安くなった局面では東京海上を主軸にMS&ADも含めコツコツと株数を増やしていくつもりです。
なお、今回の一連の報道に関し、以下の通り決算説明資料で言及されていました。
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