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非現実的

「趣味ないって言ったじゃん🤔」
すみません、これもまた過去のお話。

男性俳優と男性アイドルのファンを経て
ホストに狂っていた時期もありました。
通称、「ホス狂い(ほすぐるい)」
関西では「ホス狂(ほすきょう)」って言うらしい。

というよりは、私は非現実的な世界に酔ってたのかもしれない。
あの世界はすごかった。物価は現実世界の10倍以上、男性キャストはアイドルのように容姿端麗で気が利き優しい人が多かった。(全員ではないけど)

恋愛感情とは違う興奮を覚えた。

男性俳優や男性アイドルを応援していたときも、到底私の手に届く人ではないのはわかっていたし、ただ好きな気持ちを、同じ気持ちの人たちと共有したいタイプの人間だった。

ホストクラブは基本的にホスト対私、もしくは大人数のホスト対私。
私と同じホストを応援する女の子とは戯れることは愚か、全く姿を見ることができない。同じ時間、同じ場所にいても見えないような席配置になっている。

なんだかそれが虚しかったから、過去に同じ人を応援していたジャニオタをホストクラブに連れて行った。

私の指名してるホストを紹介した。
彼女は彼を気に入ってくれて仲良くなってくれるかなと思った。

しかし彼女は、別のホストの顔が好き!!と言い
私の指名してるホストに見向きもしなかった。

私が指名したホストを否定されたと言うよりかは、私が否定されているようで悲しかった。

気がつけば彼女はジャニオタからホス狂いに転生してしまった。
毎日お店に行っていて、今では一緒に住んでいるらしい。
就職した会社をやめたらしいけど、一体お金はどこから...?

ごめんなさいの気持ちだけど、彼女的には「毎日楽しい!あの時連れて行ってくれてありがとう」と今でも言ってくれている。

私は学生時代、きっと社会人になってもファンを続けるだろうからお金に困らないよう、給料が多い会社に入ろうと必死で就職活動をした。

必死な就職活動は見事に身を結び、給料がたくさん貰える会社に入ることができた。

社会人になり気づけばファン活動から足を洗い、余ったお金で時々高いお酒を飲みに行くようになっていた。

しかし不幸中の幸い、私はホストクラブにどハマりすることはなかった。

ただただあの物価10倍の世界と、キラキラした空間と、不気味すぎるくらい完璧な男性キャストが出迎えてくれたことにドキドキしていただけかもしれない。

指名してるホストに一度だけ「私以外に指名してる女の子ってどれくらいいるの?何歳くらい?どんな仕事をしているの?」と聞いてみたことがある。

彼は「そんないないよ。今月売り上げやばいから助けて」と言った。いや、私が応援している人に私以外のファンがそんないないなんてわけない!沢山いるに決まってる!となってしまい、少し冷めたこともあった。

助けてと言われてもこちらも使えるお金は限られているし、彼が思う、彼を応援する金額は私の持っているクレジットカードの限度額の50倍ぐらいなんだろうと思った。到底無理だった。

彼はお店では人気のキャストだった。
見た目は怖いが、物腰が柔らかく、なんといっても話していて面白い人だった。

私は週に一度ホストクラブへ足を運び、飲みに行く程度だった。
行く時だけ連絡を入れ飲みに行くような感じだったが何度か足を運び、居酒屋やご飯、水族館、テーマパークに連れて行ってくれた。おうちにも招かれご飯をご馳走してくれた。

しかしその素敵な時間は、とっても苦しかった。

断ればよかったものの、ホストと外で会うのはなんだか非現実的で、待ち合わせ前は毎度嬉しかったし楽しみだった記憶がある。

私が彼といる間は、彼は他の女の子に営業活動ができないし、それどころか時間と金と労力を私に使った分、彼は私に期待していたと思う。それも辛かった。

なんだか疲れたなと思い、最後にお店でお礼をして姿を消して早2年。
彼の思っていたお礼の100分の1ぐらいだったと思う。ごめんね。そして沢山ありがとう!
元気にしているかな。
今も沢山の女の子に囲まれて幸せかな。

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