detour 20240310
元彼と来る予定だったが、別れてしまったが故に1人で来ることになってしまったペトロールズのライブ。
元彼を現地で見つけてしまうというクソイベント。
わたしはリセールでチケットを取り、一人で来たが彼は女の子とふたりで来ていた。
まさかだが、整番が近かったという運命。
私と来るはずだったチケット、女の子に譲ったんだね。
声を聞いただけで彼だと気づき、レッチリライブの話が聞こえたことで確信をした。半年ずっと会話してた声、好きだった声、声って人の顔以上に思い出に残るものだなあなんて思った。
気持ち的には余裕ぶっていたが、手の震えが止まらず、スマホを見ることしかできなかった。思考よりも先に、身体が拒絶反応を起こしていたのかな、とその時を振り返る。
彼と隣にいた女の子は話している感じからまだそこまで親しい感じはしなかった。別れてすぐアプリで彼女を探す、なんかなぁ。と思った。
けとまあ、そんなもんか。
6000円のライブチケット代、無駄にならなくてよかったね。
彼と彼の隣にいた女の子の顔は確認しなかった。
整番A126。開場し、私はビールを手に取る。
私の方が先に入場だったらしく、最高の柵前を確保。入場後彼の姿は探さないと決めてたけど、柵の向こう側に彼が陣取って嫌でも視界に入ることになった。
そんなことあるかよ、ウケんだけど、と心の中のギャルが叫んだ。
その白いモチモチニット、相変わらず着てるんだね。
私があげたメゾンキツネのニット、捨てられてないといいな、なんて思いつつ、隣の女の子を見てしまった。嫌でも目に入ってしまった。
真っ赤なニットにジーンズ。身長は小さめ、茶髪のボブヘア。
よかった、横に小松菜奈みたいな美女がいなくて。
安心した。ライブ気分を害することなく楽しめそうだ。
この文章を書いていたら彼の姿は見えなくなっていた。
私はビールを一気飲みする。
ペトロールズはMONO NO AWAREのカバー曲「インサイダー」くらいしか知らなかった。
彼の弾く「雨」のギターソロが好きだった、から聴き始めた。
1人で観るライブは久しぶりだった。元彼との遭遇があったにも関わらず、心は割と晴れやかだった。
ペトロールズはサブスク配信楽曲が少ないが、あまりにもかっこよかったのでとにかくライブを観たかった。
彼も、まさか1人でチケット取ってまで観にくるとは思ってなかっただろうな。
私にとってそのくらい好きな、気になる存在だったんだ。ペトロールズは。
聴きたかった「雨」もちゃんと聴けた。
ラスサビ前のギターソロ、彼の演奏の5000倍かっこよくて気持ちがスッキリした。彼越しに観る長岡亮介氏、あまりにも清々しくカッコよかった。比べるまでもなかった。ニヤニヤが止まらなかった。
その次の曲「side by side」は
「俺は右折、お前は左折、
さようなら、寂しくなるぜ」
と、歌詞が今の自分にぶっ刺さった。
別れは寂しいけど、別れることが何よりもベストな選択だった。
私のそんな気持ちをそっと後ろから肯定してくれるような歌詞に心の底からときめいた。
ありがとう、ペトロールズ。私はあなた方に感謝してもしきれません。インサイダーが聴けなかったので、またライブ観に行きます。
今度は、私のことをちゃ〜んと愛してくれる人と一緒に。もちろん1人でも喜んで。