1986年放送のトランスフォーマー2010が2024年に配信されているという事実
今年がTF40周年というので初代アニメが毎週配信されてたのを最近知り、そんでもってそれが終わって今度は2010も配信開始らしいと。
私は初代TF大好き(やたらシリアス・ハードなマーベルコミック版含む)で、しかもザ・ムービーも2010も大好きなので色んな人が初代TFを観たあと、2010に触れて感想を発信する機会ができて、それを読むという個人的な楽しみが増えました。
だからこそザ・ムービーが日本公式が配信等してくれないのが玉に瑕、それもデッカイキズなんですが、、、サンボウ版アニメにおける初代と2010の間をつなぐ大事なエピソードなのにね。
2010は、初代以上に設定も舞台も壮大かつ複雑化していき、ファンタジーっぽいような、神話性を帯びたエピソードも増えます。トランスフォーマーという種族について、アメリカ人的な思想で以って深掘りを試みたのだと思います(TFの生みの親であるクインテッサ星人が彼らを奴隷にしていた設定とか、パラドロンの回なんかはまさに)。
2010の1話~5話の脚本を書いたフリント・ディル氏だけでなく、26話「原始の呼び声」の脚本のドナルド・F・グラット氏(この人はダイノボット関連の脚本ばっかりだ)やマーベルコミック版においても、TFという種族について説明するような展開を用意しているように思えましたが、きちんと共通した認識や注文があったのか、意外と脚本間でそれが統一されているのがすごいです(そう思うとTFの基礎設定を全部一人で考えたボブ・バディアンスキー氏は偉大だ)。
2010って何でもないポっと出で大事な設定出したりするから雑に感じるけど、大真面目に作られてるのは初代と変わらないのでしょう。
ちなみに私はビーストマシーンズ(≒ビーストウォーズリターンズ)とアニメイテッドも大好きなので、マーティ・アイゼンバーグ脚本もきっと好きなんだと思います。
話は逸れましたが、とにかく2010は初代アニメよりも圧倒的にフっとんでるんです。
初代の愛すべきズッコけ展開は安心してツッコミを入れながら観れますが、2010は地球規模から宇宙規模に舞台が飛躍したのもあり、TFたちの過ちが初代における「地球存亡の危機!(でも大した事なかった)」みたいなフリとは比にならないのです。
それを後押ししているのが、ザ・ムービーによるTFの死亡です。
初代アニメは殆どの登場人物は死なないし、なんとかなるから安心するんですが、2010はスケールのでかさに加えて「この世界はこないだコンボイ司令官やゴングやアイアンハイドやレーザーウェーブが死んだりした」という緊張感が蔓延っています。
といっても、結局のところ2010でも死者多数みたいなのは無いんですが、自然豊かな地球ではなく宇宙で戦ってる場面が多かったりするので無機質で乱暴で、寂しい印象を受けるのも事実です。
一方でカタブツのウルトラマグナスの誕生日を祝おうとするエピソードをはじめに、天才になったグリムロックやコンボイ司令官関連の回なんかは結構素直にジーンと来るので絶対観たほうがいいです。
絶対観たほうがいいと言い始めたら、スカージがマトリクスを体に入れてしまう話とかガルバトロンが入院する話とか、幽霊のスタースクリームとか、トルネドロンとか枚挙にいとまがないんですが。
ただ初代と違って、キャラクターに役割の個性がないのがしょっぱいね。
医者や技術屋のラチェットとホイルジャック、バリアで仲間を守ってくれるトレイルブレイカー、数少ない飛べるサイバトロンのパワーグライドとアダムスにランボルたち、それとスカイファイヤー、煙幕のスモークスクリーン、みたいなね。
性格的個性はあるんだけどね。2010のTF。
でも最終回は今観ても終わるのが寂しくて泣いてしまうわ。
「(初代ザ・ムービーを含めて)大変な事が色々あったけど、これからも頑張って生きていこう」みたいなメッセージが込められている気がして、優しさと力強さと、やっぱり失ったものは戻らない切なさ(その切なさこそ2010らしさ!)が混然としていて胸を打つのです。
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