煙草の1利
百害あって一利なしと云われるタバコ。
禁煙歴4年のPeace(ピース)愛好家が、当時を振り返る。
1. 煙草で得られた利
・吸い始めのきっかけ
喫煙を始めたのは、齢24の夏。
自衛隊員となり教育中の身であった私は、集団生活に辟易していた。
いくら気の合う同僚であっても、プライベート無しは正直キツイ。
そんな中、自分だけの時間を作るために始めたのがきっかけだった。
・煙草が与えてくれたのは、自分の好みの空間
今となってはもう、吸い始めの頃の様子をよく覚えてはいない。
「金が掛かるし、臭いもつく。なんの利益も無いのに煙草を吸う人間の考えが分からない」と思っていた人間が、気付けばどっぷりとハマっていた。
しかし私が本当にハマっていたのは煙草ではなく、煙草を吸っている時にだけ得られる、リラクゼーションだったのだ。
2. 喫煙がリラックスに繋がる
・誰にも邪魔されず、自由で救われてなきゃダメなんだ
一人で煙草を吸っている時だけは、周囲を忘れることが出来た。
肉体労働で疲労を溜めているところに、他人とのコミュニケーションによるストレスもかかり続ける。
そんな中、時たま挟まれる休憩時間に救済を求めていた。
・一杯目のビールのような感動
口から息をゆっくり吸いながら、煙草に火をつける。
甘く香ばしい香りが口に入ってくるのを感じ、鼻呼吸に切り替えて肺に煙を流し込む。
暫く息を止めた後、ゆっくりと口から細く息を吐く。
※肺への入れ方は色々とあるらしい。
私は色々と試した結果、この方法が一番美味しく感じた。
この1吸目で完全にスイッチが切り替わる。
2吸目、3吸目も同じ。
ゆっくり口から息を吸い、煙を十分に含んだら鼻呼吸に切り替え、口から細く息を吐く。
今でもこの呼吸をすると、煙草が無くてもリラックスする。依存症だろ。
・別に他人が居ても良い
一人で吸うのが至高だが、別に他人が居ても良い。
なぜなら煙草を吸っている時は、無理に相槌を打つ必要がないからだ。
なかにはその空間で説教をしたがる人間もいたが、知ったことではない。
煙草の時間だけは別なのだ。
そう、普段はまじめで素直な態度をとっているからこそ、この空間だけは特別な扱いを受ける。
そんな特別な時間だった。
また、仲の良い同僚や友人同士で吸う場合はなお良い。
十分にリラックスしている状況で、更に煙草が加わるからだ。
3. 煙草との思い出
・銘柄
煙草の美味しいとは何か、美味しいメーカーは何か。色々と試した。
結果、私はピース・ライト・ボックスがお気に入りとなった。
その半年ほど後、ザ・ピースを休日などの特別な日に吸い、両切りピースを常時喫煙するようになった。
缶ピースに興味はあったが、どうしても手が伸びなかった。
ポケットに入らないし、たばこ用ケースに入れ替えるのも面倒。
あと入れ替えるときに香りが逃げる。
・ショートピース
フィルタ―を介さない、タール28mgの煙草。
強い煙草を求めて手にしたが、初めて吸った時は度肝を抜かれた。
1吸目で頭が遠くなるのだ。(俗にいうヤニクラ)
また、吸い方にも気を付けなければならない。
ただ葉に紙が巻かれているだけなので、口部分の紙が簡単に湿る。
口の中に葉が入ってきて、思うような吸い方が出来なかったのも良い思い出である。
この時本当の意味で、クールスモーキングを体得したような気がする。
フィルタ―が無いから、直で熱気が入ってきて熱いんだ。
何度もカートン買いするほど好きだったが、強すぎるが故、結局最後まで1本まるまる肺に入れることは出来なかった。
※大体、最初の3か4吸目までは肺に入れて、後はふかしていた。
・寒空の山中で
冬の山の中、人工的な明かりが一切無い状況。
人工物がほぼ無い山中で、息も凍るような夜空の下で、煙草を吸う。
これがとにかく最高だった。
自衛隊でかつ、煙草を吸っている人間にしか味わえない時間と空間。
普通こんな経験、何度もできないでしょ。
4. まとめ
煙草は好きだったが、結婚を機に禁煙を決意した。
なお私の利は煙草本体ではなく、職も変わりストレスも減ったので簡単に辞めることが出来た。
ただ、煙草に対する風当たりは強くなり続けているし、値段も上がり続けているので、どこかのタイミングで結局辞めていたかもしれない。
一時電子タバコを試してみたこともあったが、どうもアレは合わなかった。
中途半端で、紙煙草ほどの美味しさが感じられなかったからだ。
正直、電子タバコを吸うよりはやめた方が良いと個人的には思う。
その人の感じる利が、電子タバコで満たせるなら話は別かもしれないが。
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