正面図を描く (2)
正12面体、正20面体の正面図は、どちらも正10角形の中に描けます。そこで、まずは正10角形の描き方を説明します。
実は、一辺の長さが1の正10角形の、中心と頂点のあいだの距離(外接円の半径)は、黄金比φなのです。ですので、例えば、半径が10φ=約16.18 cmの円を描いたあと、コンパスを10 cmに開き、円周を10 cmごとに刻んでいくと、正10角形が描けます。黄金比分割器を使う場合には、円の半径に分割器の全幅cをあわせたあと、広いほうの区画aの幅にコンパスを開いて、その長さで円周を割っていくと良いでしょう。正五角形を描きたい時にも便利な方法です。
半径の1/φの長さで円周を刻んでいくと正10角形が描ける。
一つおきにつなぐと正五角形に。
正10角形が描ければ、線を追加して正20面体の正面図にする手順は説明不要ですね。
正12面体の場合には、もう少し補助線が必要になります。
1. 1つおきに、頂点と中心を結ぶ。
2. 頂点を2つとばしでつなぐ。
3. 赤の補助線と緑の補助線の交点を結んで正五角形を描く。
4. 余分な補助線を消して正12面体のできあがり。
輪郭が正六角形になる、正20面体の正面図を描く場合には、最初に半径の比率が1:φの同心円を描きます。
1. 黄金比の同心円を描く。
2. 外側の円を6分周して正六角形を描く。
3. 頂点と中心をつなぐ補助線を引く。
4. 中央の三角形を描き、補助線を消すとできあがり。
5. 裏面も簡単に描けます。
次からは、いよいよ正面以外から見た多面体を描きます。
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