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影響力を獲得するために必要な「スペースを見つける能力」について

けんすうさんのこれから影響力を持ちたい人は何から発信するといいのかを考えてみたという記事がとても面白かったのと、私自身が今まさに影響力を獲得中のフェーズということもありまして、インフルエンサーとしてはまだ全然ひよっこではありますが、現時点における私の「影響力を獲得する方法に関する仮説」を述べてみたいと思います。

自己紹介

まず最初に自己紹介をしておきますと、私は「雑食系エンジニアサロン」という参加者1,200名様超えの有料オンラインサロンの主催者であり、「雑食系エンジニアTV」というチャンネルを運営している登録者2万名様超えのYouTuberであり、Twitterアカウントのフォロワー1万3千名様超えの発信者であり、こんな感じの雑食的なスキルセットを保持しているエンジニアでもあります。

そして、エンジニア界隈で今話題となっている「Web系とSIer系論争」の火種となるYouTube動画を作成した人物でもあり、さらにいま全国レベルで話題になっている「チャリパク論争」の発端となるツイートを投稿した人物でもあります。

知名度としては、東京のWeb系エンジニア界隈においては恐らく80%以上の方は「テック系YouTuber」という肩書きに聞き覚えがあると思いますが、一般の方にはまだまだほとんど知られておりませんので、「エンジニア系のマイクロインフルエンサー」ということになるでしょうか。

今までの経緯

さて私が現在のような、(Web系エンジニア界隈限定ではありますが)良くも悪くも色々な意味での「影響力」を獲得できた最大の要因は、「Web系エンジニアのキャリア形成に関するYouTubeを活用した情報発信」がある程度支持を得たからですが、ではなぜこの情報発信が支持を得たかというと、一言で言えばそれが「ありそうで、なかった」情報であったこと、つまり「スペースを発見してそれをいち早く活用したこと」が非常に大きかったのかなと考えております。

サッカーでもラグビーでも、球技においては「空いているスペースにボールを運ぶこと」が戦略の基本になると思いますが、それはインフルエンサーつまり有名になるための道においても恐らく同様であり、自分の感覚として「あれ?なんでここのスペース空いているんだろう?なんで誰も使わないんだろう?」という分野を見つけられる能力が非常に重要なのではないか、というのが私の基本的な仮説になります。

私がYouTubeで情報発信を始めた2018年1月時点では、Web系エンジニアのキャリアについてYouTubeで良質な情報を発信している方はほぼ皆無という状況でしたので、当初は「もう既に誰かがやって撤退したのかな?」とか「そもそもニーズが無いのかな?」とか色々考えましたが、結果から考えるとただ単に「やろうと思っていた人はそれなりにいたが、実際にやってみた人はごく少数だった」ということのようです。

つまり「これに関しては人よりも面白いことが言える」「これに関しては自分の発信内容が一番こういう方たちの役に立つ」と自分で思えるような「スペース」が見つかったならば、ニーズに関してはあまり気にせず、「とりあえず何個かコンテンツを投下してみる」のが良いのかなと。

XY理論

島田紳助さんの有名な「XY理論」でも説明されていますが、時代(Y)が変化すると人の嗜好も変化します。メディアの主要なプラットフォームも変化します。必要な情報も変化します。そして「今まで思いもよらなかった分野にスペースが生じる」ということになります。

そして、時代(Y)の変化によって生じたスペースを、自分の専門性(X)が丁度うまく埋められる時に「ありそうで、なかった」コンテンツを作り出すことが可能になり、そのコンテンツが支持を得て「影響力」が生まれる。そういう構造なのではないかと。

私がYouTuberとして、これからWeb系エンジニアを目指している方たちにご支持を得たのは、時代の変化(Y)によりWeb系エンジニアになりたいという方が一気に増えてスペースが生まれ、そしてそこに丁度「豊富な業務経験」と「エンジニアのキャリアに関する知見」と「情報を分かりやすく整理して言語化する能力」という専門性(X)を持った私という情報発信者が、そのスペースを埋める人材として最適だった、ということなのだと思います。

嗅覚

もちろんそこが重要なスペースだなんていうことは最初は全く分かりません。しかしYouTubeに動画を投稿してみようと考えた時点で「なんかあそこ空いてるなあ」ということだけは把握できていました。

これは、その分野に関して常日頃から考えている人なら難しいことではないと思います。私の場合も「エンジニアとしてもっと面白い技術ばかり使って面白い仕事ばかりしてもっと楽してもっとカッコよくなってもっとモテてもっと儲けるにはどうすればいいのだろう」ということをいつも考えていたため、そのための膨大な知見や情報は私の中に蓄積されていて、これからエンジニアになりたい方たちと私との間の「情報の非対称性」つまり「スペース」に関しては十分過ぎるほど認識していましたので、後はある程度の労力と時間を投下してそれをやる覚悟があるかどうか、つまり「やるか、やらないか」という状況になっていて、そして「本当にやった」ので現時点の結果に繋がった、ということになるでしょう。

でも結局は運の部分が大きい

ただし中々悩ましいのは、XY理論で言うところのY、つまり「世の中の動き」を見極めることは出来ても、そのYに合わせて自分の専門性つまりXを大きく変化させるのは難しいという点です。

XとYが丁度うまくハマらないと「ありそうで、なかった」コンテンツは作れませんし、事前にそのYの変化を予想するのは不可能なので、それに合わせてXを選ぶというのも現実的ではありません。

つまり結局のところ、自分が好きで選んだXと、時代の動きであるYによって作られたスペースが丁度良い感じに重なって「Xを微調整したり一工夫することでそのスペースを埋められる」という状況になった時に、覚悟を決めて膨大な労力を一気に投下できた人が、ごくごく小さい確率を突破して影響力を獲得できる、ということになるのではないでしょうか。

まとめ

ということで「最終的には運次第」という身も蓋もない結論になりましたが、「影響力を獲得する」という非常に期待値の低いチャレンジに関しては、よほどの外見的魅力とか身体能力のある方とかは別として、99.9%以上の方は「専門性(X)と時代の流れ(Y)がうまくマッチしたタイミング」にしか影響力を獲得できるチャンスはほぼ無いのかなと思いますので、専門性に磨きをかけたり微調整しながら、そのタイミングに遭遇するために「犬も歩けば棒に当たる」の精神で色々やっていくしかないのではないでしょうか。

私からは以上です。

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