2017 東京学芸大学 E類教育支援専攻 ソーシャルワークコース 小論文 模範解答

オープンチャット「大学入試 小論文 対策相談室」


課題文では、池田小における児童殺傷事件以降、学校の防犯対策が進んだことが述べられている。不審者の侵入防止措置を取ったり、地域のコミュニティーにおいて子どもを見守る取り組みが行われている。さらに、子どもたちへの安全教育も展開され、不審者に対する具体的な対応法などを指導し、安全対策が進められている。しかしながら、こうした対策が展開されながら、子どもの連れ去り事件は増加傾向にあることも指摘されている。したがって、安全対策に絶対はなく、種々の対策に対する不断の取り組みが重要であるとも考える。それでは、学校における子どもの安全を守るためには、どのような対策が必要となるだろうか。

現行の学校安全対策の問題点は、安全を確保するべき人員の確保にあると考える。なぜなら、学校の教員には限りがあり、地域の協力者も学校安全のために常時対応できるわけではない。そこで、以上の安全対策上の問題をテクノロジーで補うことが必要だと考える。昨今、ICT技術が発達し、学校現場においても教育用にICT環境が整備されるようになった。この環境を防犯にも適用することができると考えるからだ。たとえば、校内LANを活用した校内連絡・緊急通報システムである。非常ボタンが押されると、特定の学級にて「緊急事態発生」という 緊急通報メッセージが放送され、発生場所の特定や現場にかけつけるまでの時間を大幅に短縮することができる。また、平常時は校内業務連絡システムとしても活用できるほか、緊急時には教育委員会や警察など学校外にも通報が可能なシステムを構築することができる。さらに、既設の校内LANを有効活用することで、新たに配線工事を行う手間も省け、低コストで導入することができる。以上の環境を整備することによって、学校内に立ち入った者を確認し、不審者であれば学校内に緊急通報し危険を報せ的確に避難誘導し、警察到着までの時間の安全を確保することによって、被害を未然に防ぐことができると考える。

以上より、人的不足をテクノロジーで補うことによって、より確実に学校における子どもたちの安全を確保できると考える。したがって、今後もICT技術の発展が見込まれることから、教員はICT分野への理解も深め、学校安全のための適用を積極的に検討していくことが必要だと考える。(969字)


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