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都立西高校が来てもらいたいと考える学生像は、明確です。

「国際社会で活躍できる人材」


これです。

実際に、「海外リーダーシップ・ プログラム」という西高独自の海外交流事業を行っていますし、英語以外の第二外国語教育も厚いですね。

目下、2020年度以降の大学入試改革によって英語試験の4技能化が打ち出されています。英語教育が新たな局面を迎えようとしています。したがって、英語の技能の鍛練が学生には今後ますます求められるようになるでしょう。


しかし、都立西高校はその先を見越しています。英語やそれ以外の言語を使用できるようになることは、当たり前になります。都立西高校がその教育において追及しているのは、

母語以外の言語を使って、文化や価値観や行動様式が異なる世界の人々を相手に、

西高校の学生が
何を語れるか


という点です。

どれだけ語学ができたとしても語るべき価値ある内容、他者が耳を傾けるような先進的、魅力的な内容がなければ、国際社会でリーダーシップを発揮するなどということはできません。

都立西高校の推薦作文の問題を見てください。都立西高校が求めている「知」がものすごくよくわかる。

すなわち、都立西高校が求めているのは、語学の技能を当り前の技術として身につけた上で、さらに他者と語り、相互理解を深め、共有しあえる「共通知」なのです。

この共通知が、まさに「人文知」と呼ばれるものです。これはすなわち、価値観や思考様式が異なる他者と相互理解を図り、共に生きる道を探求し、新しい世界観やモノの見方を創発する知です。この「人文知」を受験生に求めているというのが都立西高校推薦入試作文の肝です。

だから、都立西高校の推薦作文の課題は、古今の哲学者、思想家、文学者、数学者、科学者たちの言葉が出題されるのです。彼らの言葉は、全世界の人々に対して問われている。そして、全世界の人々が受け止めて、考えるに値する言葉なのです。

都立西高校の推薦作文を解答するにあたって、こうした背景を知っているかどうかは、かなり大きいです。生徒の答案の質がかなり変わってきます。実際に教えていて、本当にそうです。


中学生のみんなには、少し難しかったかもしれないなぁ。ようするにだ、日本を飛び出して海外の人たちと、おもしろい仕事をしていこうぜ!ってことだな。そのときに世界に通用する新しい考え方を生み出したり、そもそも全然考え方が違う人たちと共通の知識を探求したり、共有したりして、共に生きるにはこっちも相当いろいろ考えていかなきゃいかんぜ、ということです。

だからさ、ちょっと作文書けばいいんだろなんて代物じゃあないぜ。西高校の推薦入試は世界につながるすんごいおもしろい試験なんだ。しっかり準備して臨もうじゃないか!



雄飛教育グループ潜龍舎プロデュース

【哲学博士による都立推薦小論文道場】

代表 佐藤 陽祐

メール:dr.sato.suisen.shoron@gmail.com



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