2016 東京学芸大学 推薦入試 E類教育支援専攻 カウンセリングコース 小論文 模範解答

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 ある生徒が「学校生活になじめている」状態とは、その生徒が学校において他者からその存在やあり方が肯定され、他者のなかでその生徒が自分らしく振る舞い、生徒が他者とより良い人間関係を築くことができている状態だと考える。というのも、学校には教師も含め多様な人間がおり、人間関係が学校生活において重要だと考えるからだ。したがって、生徒が学校生活においてより良い人間関係を築き、生き生きと自分らしくいられることが、学校生活になじむことができている状態だと判断できる。

 それでは、生徒一人一人が過ごしやすい学校になるためには何が必要だろうか。生徒が学校になじみ、生き生きと学校生活を営むには、学校生活においてより良い人間関係を築くことができるかどうかが鍵となる。生徒がより良いよい人間関係を築くために、大きく三つの施策が考えられる。

 第一に、上手く人間関係を構築できない生徒のサポートがある。学校には対人関係に不安やつまずきのある生徒もいる。したがって、そうした生徒への効果的な支援方法を検討し、実施する必要があると考える。たとえば、クラスが相互に支え合うことができる集団となることを目指し、新年度のはじめには聴く、受け入れる、支える等の心理スキルを強調するようなワークやレクリエーションを取り入れることが有効だと考える。

 第二の施策は、生徒が豊かな人間関係を作る場や機会を設けることである。というのも、人とかかわることには多くの利点があると考えるからだ。たとえば、人に優しくしてもらうことで、安心感を得たり、勇気をもらったりすることができる また、人に援助してもらうことで、自分一人では 成し遂げられないこともできるかもしれない。さらに、自分を理解するときには、他者の存在が大きく作用する。また、人のために何かをすることによって、満足感を得たり、自信をもったり、他者の信頼を得たりすることもできる。したがって、豊かな人間関係を形成する場として、学校行事以外にも日常的に生徒どうしが共働する機会を設ける工夫が必要だと考える。

 第三の施策は、教師と生徒との信頼関係を築くことである。なぜなら、学校生活の中で生徒にとって身近な大人は教師であり、生徒への接し方は生徒の人間関係構築に大きな影響力があると考えるからだ。したがって、教師自身がカウンセリングマインドをもち、生徒と接していくことが、生徒と教師の人間関係、生徒どうしの人間関係を支援することになると考える。たとえば、生徒をあるがままに受け止める心や共感的な姿勢は、悩みや思いを一緒にわかち合うことで、教師が生徒のありのままを映す鏡になり、生徒が自らの考え方の誤りに気づくことができるようにもなると考える。以上の施策を実施することにより、生徒一人一人が過ごしやすい学校を作ることができると考える。(1160字)

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