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マジックを演じるために知っておくべきこと(最終回)

連載8、最終回です。独断マジック格言後編、7個の格言とその解説です。ご意見ご感想をお待ちしております。


「観客はマジシャンの気分を映す鏡である」
  これまでの僕の経験として、僕が疲れていたり悩み事がある時のお客様の反応は少し重たくなる気がするのです。ですから僕はお客様の前に出る時は日常を忘れて人前に立てる喜びを全身で伝えるようにしています。そういう意識をするようになってからお客様の表情が優しく見えるようになりました。この格言はその経験をそれらしく書いたものです。自分の気分は伝わると信じる事で勇気がでたり救われたりする事もありますから、緊張した時はこの言葉を思い出すようにしています。


「プロとは専門知識のない人の評価や批判を受け止める覚悟があるという事である」
  プロとして活動していくと公共性が高くなるという事です。観客にマジシャンが減っていき、マジシャンの都合を知らない観客が増えて、マジシャン的な言い訳ができなくなり、マジシャンへの評価項目がコンテストとは変わってきます。映画や音楽コンサートや演劇など、他のショービジネスと同等に扱われ、どんなに苦労して作ったものでもその人の好みに合わなければ「つまらない」と評価されます。このようにショービジネスの荒波に揉まれて行く事がプロになるという事だと思います。

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