見出し画像

マジックを演じるために知っておくべきこと(連載5)

  今回は、ミスディレクションの分類(全8回)その4から8です。3までは前回の連載に掲載されています。また「独断マジック格言」とその解説も始まります。

4.水路付け
  水路付けとは、一旦できてしまった水路は流れによって簡単には変わらない様子から、自分から選択した考えが正解すると、その考えと欲求が結びついて考えが固定化する事を指す心理学用語だそうです。昔、僕はこの事を感覚的に「思考の慣性」と呼んでいました。つまり自分から能動的に理解した事は、動き出した列車のように簡単には止められなという事です。ミスディレクションとして水路付けを使う時は、別れ道の片方だけを観客に理解してもらい、もう一つの道に気づかれないようにします。具体的には、カードを何度か変化させてから同じ動作でカードを消したり、コインを見せる名目で受け渡しを見せておいてからコインを消すなど「フェイクムーブ」と同じ動きを事前に見せておく事で、観客が「フェイクムーブ」をフェイクだと気づきにくくする事ができます。

ここから先は

2,810字
この記事のみ ¥ 300

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?