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県民アイデアを用いたパネルディスカッションを開催!「みやぎDXプロジェクト」イベントレポート

2023年2月8日(水)、宮城県自治会館にて「第2期みやぎDXプロジェクト アイデアコンテスト 優秀賞者表彰式」が開催されました。

今回のイベントでは「みやぎDXプロジェクト」に寄せられたアイデアの中から選定された優秀なアイデアを投稿された方への表彰に合わせて、

武蔵大学教授の庄司氏と株式会社PoliPoli代表の伊藤氏とのパネルディスカッションが開催されました。

本記事はデジタル庁、総務省等で活躍されているDXの第一人者である庄司氏と、PoliPoli代表の伊藤氏とのパネルディスカッションのレポートとなります。

宮城県のDXについて、県民の方々から集まった様々な意見をピックアップし、それについて専門家の視点から討論しています。

PoliPoli Govに寄せられた県民のアイデア

本イベントの開催に先立って、株式会社PoliPoliが運営する「政策共創プラットフォーム PoliPoli Gov」にて、以下4つのテーマについて意見募集が行われました。

  • 防災の困ったをデジタルで解決するアイデアを教えてください

  • 教育の困ったをデジタルで解決するアイデアを教えてください

  • 子育ての困ったをデジタルで解決するアイデアを教えてください

  • 身の回りの困ったをデジタルで解決するアイデアを教えてください (25歳以下の方限定)

これらのテーマに対し、100名から合計278件のアイデアが寄せられました。

政策共創プラットフォーム「PoliPoli Gov (β版) 」
にて実施した宮城県のアイデア募集

アイデアを投稿してくれた人のうち、40%が宮城県の関係人口から寄せられたものでしたが、宮城県を訪れたことがない方からもたくさんのコメントが寄せられています。

パネルディスカッションの様子

ここからは実際に投稿されたアイデアについての庄司氏と伊藤氏のパネルディスカッションの様子をレポートしていきます!

その1:防災の困ったをデジタルで解決するアイデアを教えてください

庄司氏:私は東日本大震災を東京で経験しましたが、その時家族がバラバラの場所にいたため、一時的に連絡が取れない間は不安な気持ちで過ごした経験があります。こういった非常時は、電話回線よりインターネットの方が障害が起きにくいですし、さまざまなアプリケーションがあるので連絡が取りやすいです。
ただ、位置情報を共有するアプリケーションは、既に若者は日常的に使用していますよね。
伊藤氏:その通りですね。
庄司氏:そうですよね。そして、そういったアプリケーション開発のアイデアはこれまでもたくさんありました。ですが、それを用いて避難訓練を実施したり、具体的に使用を想定するところまで進んでいないのが現状です。
伊藤氏:実際に家族や近所の友人と位置情報を共有するという技術もカルチャーも既にあるので、それを行政側で上手に活用できるようになるといいですね。

庄司氏:どこでどんな被害があったか、道路、信号などの細かいデータはとても大事ですよね。また、ガソリンスタンドが営業しているか、ホームセンターが営業しているか、といった行政が持っていない民間の情報も大事になってきます。
写真の共有を行政が取りまとめることは難しいですが、過去のデータを細かく把握できるようになるのはとても魅力的ですね。
伊藤氏:今はTwitterのハッシュタグ機能で似たようなことが行われている傾向はありますね。
庄司氏:そうですね。ただ、デマの危険性もあるので、そこのハンドリングは重要になります。


その2:教育の困ったをデジタルで解決するアイデアを教えてください

庄司氏:昨今、動画コンテンツの配信はとても簡単になり、また生活をしていて相当数の動画コンテンツに触れていますよね。翻訳や文字起こしの機能もあるので、ぜひ取り組んでほしいですね。持続可能な取り組みにするために有料化を前提に置くのも重要な観点だと思います。
伊藤氏:行政の取り組みは短期的になってしまうことが多いので、持続可能な取り組みにするための有料化は大切ですね。

庄司氏:大学教員としても重要視したい話題ですね。既に技術的には可能ですし、実例もあります。都市に行かなければ最先端のものに触れられないということではなく、地方にいながら世界最先端の文化に触れることもできるようになってきています。
伊藤氏:私も過去に地域差を感じた経験がありましたが、オンライン化が進んでいる今の流れに期待しています。ただ、どうしてもオフラインの方がいいよね、という意見も考えられますね。
庄司氏:オフラインだと会えない人と、オンラインなら会える、ということが考えられます。教育の未来が変わっていくのを感じますね。

庄司氏:親としても、早く実現してほしいですね。児童が現金を持つことで起こり得るトラブルがあります。子どもに対してプログラミング教育を提供したり、そういった分野のデジタル化もありますが、このアイデアで言及されているような分野こそ、まだまだアナログなままだったりします。とてもいい意見だと思いました。
オンライン化すればクラス単位で一度集約する必要がなく、個人と学校で直接やりとりできますね。


その3:子育ての困ったをデジタルで解決するアイデアを教えてください

庄司氏:基本的に、技術的には可能になってきていると思います。少しだけ気になるのは、こういった施策は子どものためであってほしいと考えます。例えば、仕事上の行動を全て管理されて評価に使われるとしたら誰でも嫌な気持ちがしますよね。なので、子どもが自分のよいところを見つけられるようにするなど、本人中心ということを主題に考えたいですね。

庄司氏:ポイント制だけだと、人を動かすのは難しいかもしれません。人にはさまざまなインセンティブがありますので、たとえば表彰の制度などと組み合わせると良いと思います。
伊藤氏:Web3の技術の中でもポイントの運用の難しさは議論されているところですよね。また、「マッチングアプリ」という切り口はとてもおもしろいアイデアだと感じました。


その4:身の回りの困ったをデジタルで解決するアイデアを教えてください(25歳以下の方限定)

庄司氏:私もこのアイデアが大好きです!大量生産されたこけしよりも、自分に似ている唯一無二のこけしの方が価値が出ますよね。唯一無二の物語を付け加えると面白いですよね。
伊藤氏:自分も欲しいなと思いました。さすがU25の意見ですね。

庄司氏:もちろん対面で会えればそれがいいですが、難しい場面がある中で、こういった繋がりは重要ですね。繋がりを増やす、常時接続できるようにするというのはよいアイデアだと思います。

庄司氏:教科書もタブレット端末にしてしまえばいいですね。年長者はいやいや…と言う方もいますが、実際大学でも端末でノートを取っている方も多いですよね。
伊藤氏:私も大学時代はPCでノートを取っていましたね。

まとめ

庄司氏:今日のようにいろんな人からの意見が出てきて、それに挑戦し、よかったものがあれば育てていく、これこそがデジタル化だと考えます。そういった意味で、今回はたくさんいいアイデアが出ていたと思うので、ぜひ続いていってほしいと思います。


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