今週読んだ本(2020/04/20~04/26)
「新版 無作為化比較試験(丹後俊郎)」を読みました。
文調がユニークな本です。臨床試験に関する基本的事項に加えて、数理的な解説も多いので、きちんと理解できます。臨床試験のランダム化の必要性から非劣性試験の症例数設計、中間解析など幅広いトピックをコンパクトにまとめており、非常に内容の濃い本です。
「クリニカルトライアル(コントローラー委員会 監訳)」を読みました。
原著は 1983 年に出版され、おおよそ 40 年前の書物ですが、本質的なことは現代でも変わりません。医療の発展に耐えうる信頼できるエビデンスを得るには、いかに科学的な比較を行うかが重要であると感じました。一文一文から著者の気迫が感じられた気がしました。再読すると新しい視点で読むことができる気がします。知識の羅列を行う教科書タイプの書物ではなく、どのような考え方が必要か、科学的な比較とは何かを考えさせられる書物でした。
「Python で学ぶ統計的機械学習(金森敬文)」を読みました。
この本では機械学習の手法を標準的なものから発展的なものまで、簡潔な説明と実装プログラムが紹介されています。個別の手法については詳細に知りたい場合には各論で本を読んだ本が良いと思いました。Python で実装に困ったときに重宝しそうです。
「イラストで学ぶ機械学習(杉山将)」を読みました
この本のまえがきにもあるように、最小二乗法を出発点として機械学習の回帰と分類法について、統一的な視点から理解することができます。イラストで学ぶ機械学習ということですが、「イラストで学ぶ」と冠していますが、むしろ簡潔でテンポの早い数式展開が印象的でした。サブタイトルは「機械学習分野の研究者への入門」が適当だと個人的に感じました。全体的に割と数学的ハードルは高めです。最小二乗法を用いることで、機械学習の手法のコンセプトの理解にしやすいと感じました。期待損失のタイプの設定、最適化すべき同値問題の定式化、解の探索など機械学習の基本的なアプローチに慣れることはできました。