今週読んだ本(2020/05/04~05/10)


「臨床試験における群逐次法 理論と応用(森川敏彦 山中竹春 訳)」 を読みました。

著者は C.Jennison と B.W.Turnbull。ひとまず全体像把握のために鉛筆を持ちながら目を通した。結構分厚い本だが、現時点での日本語の中間解析の本としては最も体系的にまとめられていると思う。途中、式の展開がわかりにくいところもあるが、翻訳者による注釈と補遺で理解が進む。素晴らしいフォロー。今まで断片的に聞いてきたキーワードがつながった。この本をもう一度読んでしっかりと内容を抑えたい。



「諦める力(為末大)」を読みました。

今、オリンピックは延期になったり、様々なスポーツの大会が中止になっている。アスリートの人は、身体と精神をギリギリのところまで追い込んで、ベストパフォーマンスを発揮できるように調整して、大会に挑む。その追い込みは、大袈裟かもしれないが、命を削って練習している。なぜそのようなことができるかというと、次の大会まで残り1年、あと1年だったらハードな練習でも頑張れる。そこで全てを出し切ってメダルを取る。駄目だったとしても悔いはないようにする。大雑把にはそのような心情で、尋常ではないトレーニングをアスリートは積んでいるのだと文章を読んで感じた。

それが、「中止にします、延期にします」となると今までの努力は何だったんだ。誰のせいでもないが、やり場のない憤りと抱える。

そんなときにこの為末さんの本はすごい聴くと思う。むしろ、この人だから響く言葉だと思う。

本気で競技にのめり込む情熱と、もし駄目だったときのプランBを冷静に備えておくこと、そして、今までかけてきたもの(時間やお金)を捨てて方向転換できる強さ。そして、自分になんとなく心の余裕をもたせる言葉の重要性を感じた。

現実にきちんと向き合うことが、長期的に見て、不満もストレスも後悔も少なくく生きる考え方の一つなのかもしれない


「独創はひらめかない(金出武雄)」を読みました。

読み終われば Kindle でマーカーを19箇所に引いていた。気づくと金出先生と私淑していた。分野は違えど為末さんとどこか似ているような気がした。

一番の感想は、「あ、やっぱりそういう感覚で良かったのか」。研究者としての「うまくやる」コツが優しく一冊の本にまとまっている。

文章の内容も書き方も参考になる。

つまり、「私がやった」「私が始めた」というラベルをつけたがるのだ。在任中に、何をしたかが重要であり、その後の経歴に影響するのである。

もっと積極的に「エゴ」を出していいのかもしれない

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?