見出し画像

いまわのきわに

この歳になるまで、「いまわのきわに」という言葉を書いたことがなかった。

もっとも、あまり頻繁に書く言葉でもないけれど。

なので、漢字でどう書くのかは知らなかった。つまりは、文字で読んだこともなかったってことなのかも知れない。

そしたら、たまたまネットで目にしたドラマのタイトルに「今際」という文字があった。

「いまぎわ」?なんだそれ?どういう意味?

早速辞書で調べたら「いまわ」と読むという。

そうか!「いまわのきわ」の「いまわ」か!

と了解したものの、何だかモヤっと違和感がある。

そう、「今際」は「今」の「際」。「今」は現世のことであり、その「際」だから「死に際」とか「臨終の時」といった意味になるようだ。

ということは、「今際の際」は「馬から落馬」とか「頭痛が痛い」の類の若干間違った表現なのだろうか?

いや、それも違うような…そもそも「馬から落馬」と「頭痛が痛い」も似て非なる誤用だろう。

思えば「今際の刻」とか「今際の時」という表現もある。

つまりは、「今際」というタイムテーブルを更に絞り込んで、ピンポイントで「正にその瞬間」を言い表しているように思える。

だから、「馬から落馬」や「頭痛が痛い」とは異なり、これは誤用などではなく、死の瞬間を時間軸上で強調している表現なのかなと理解した。

何だか理屈にならない理屈になってしまったような気がするけれど。