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始まりの空からの旅立ちを見届けて―Liella! First LoveLive! Tour ~Starlines~―

 2021年10月末の群馬公演を皮切りに始まった「Liella! First LoveLive! Tour ~Starlines~」ですが、1月8,9日の宮城公演、そして15,16日の東京追加公演をもって全22公演のツアーに幕を下ろしました。当初20公演だけでも果てしないツアーだなと感じたのもいい思い出で、群馬公演Day2・東京公演Day2・宮城公演両日・東京追加公演両日(配信では群馬公演Day1と大阪公演Day2も観ました)と参加したいま、本当に楽しくて幸せなツアーだったと強く思っています。それこそ東京追加公演が終わってから帰宅したとき、不思議と涙が止まらなくなってしまったくらいに…。
 というわけで今回はそんな印象深かったツアーを振り返るエントリとなります。構成やパフォーマンスの感想については群馬公演で既に書いたので、またいつもとは切り口を変えて書いていこうと思います。

思い出深かったステージたち

 今回のライブは様々な理由から小さな規模での開催を繰り返す形となり、どこで観ても大丈夫なように(宮城公演Day2や東京追加公演の例はあれど)基本的な構成はすべて同じものとなりました。同じ構成とはいえ、繰り返し観ることにより様々なものを感じ取れましたから、特に思い出深いステージについて振り返っていきます。本当はもっと絞るつもりだったところ、書きたいことが多すぎて構成全体の3分の1になってしまいましたが…。

Tiny Stars

 私は「スクールアイドル(という存在そのもの)が好き」ということは何度もお話していますが、だからこそ互いの夢を背負って立つ2人を暖かい光の海が包み込む、まさにスクールアイドルが繋いできた物語であるTVアニメ第3話のストーリーを再現したこのステージは特別なものでした。そしてそれは駆け出したばかりの今だからこそより刺さるものでもあり、この感覚はFirst LoveLive! Tourだからこそなのだろうなと思います。TVアニメで何度も観て何度も泣いたシーンですが、ライブでも当然泣きました。
 そして忘れもしない、宮城公演Day2アンコールでの澁谷かのん役伊達さゆりさんのギター演奏による披露。かのんに近づきたいという想いからギターに挑戦したという話がありましたが、こうして演じるキャラクターとともに歩んでいく姿はまさしくラブライブ!だと感じました。それから唐可可役Liyuuさんの歌う「いつかあんな風に なれる日がくるかもしれない」もすごい刺さって…この楽曲本当に好きなんですよ。

常夏☆サンシャイン

 Liella!の楽曲はTVアニメ挿入歌を中心に真面目なものが多い中で、非常に盛り上がる楽しい楽曲となったのが「常夏☆サンシャイン」。どのようなステージになるか未知数だったこの楽曲ですが、ひたすらすごかった…。とにかく楽しく盛り上げる4人の姿が印象的で、配信でも会場でも自身のテンションが凄まじく上がっていました。
 そしてこの楽曲といえば、メンバー同様にダンス経験のある、嵐千砂都役岬なこさんがとにかく輝いていましたね。間奏部分のダンスは圧巻でしたし、なにより最後のロングトーンに成長を感じました。群馬公演Day1では原曲の長さでも少々息切れ感がありましたが、大阪公演Day2ではそれを伸ばすことに挑戦。そして宮城公演でそれすらも綺麗な歌声で決めている姿には本当に感動しました。4人楽曲故に今後また観られるかは分かりませんが、いつかまたさらに成長した姿で披露してほしいものです。
 あとこれは何度でも言いたいのですが、平安名すみれ役ペイトン尚未さんの「派手なテンション ドッカーン!」が世界一好きです!!!!

リエラのうた

 ここだけ括りが大きいですが、公演ごとに違う部分でもあったためご容赦ください。歌を聴かせる楽曲が多いLiella!ですが、リエラのうたはいずれも歌唱力と表現力が求められるステージとなりました。First LoveLive! Tourからソロで歌唱を披露するというのはなかなかのプレッシャーだったとも思いますが、それだけに普段のパフォーマンスとは異なるキャストの魅力が見えた、面白いステージだったと思います。それからリエラのうたに入る前の映像がとても好きで…TVアニメの物語がめちゃくちゃ好きなので、その第8話までの日々を感じさせるこの映像だけで泣けます。
 特に印象的だったのは、群馬公演で全員曲の「Primary」をソロで披露した葉月恋役青山なぎささん。直前までの「常夏☆サンシャイン」のテンションから、ソロの歌唱で一気に会場を持っていくのは本当に見事でした。4人が集まったなかで光を待ちわびているような、物語的な美しさまで感じられてすごかったですね…。群馬公演Day1の配信のなかでも一番驚きました。
 公演によって披露する楽曲は違いましたが、宮城公演Day1でLiyuuさんと青山さんによる「Anniversary」を観られたのはありがたい限り。個人的に「Anniversary」がすごく好きで、これまた涙なしには観られないのです。それから宮城公演Day2での「Departure」はただただズルかったですね…東京追加公演までやらないかもと思っていたのですが、本来のツアーの一番最後に持ってくるのは完全にやられました。このツアーそのものも素晴らしい物語なのです。楽しく終わるライブも良いですが、感動を胸に終えるライブは個人的にもっと好きなので、またこういうシメ方をする機会があれば嬉しいです。

Day1

 First LoveLive! Tourに向けて楽曲数を増やしてきたLiella!ですが、その中でも「Day1」はアップテンポで非常に盛り上がる異色の1曲です。このツアーで披露した楽曲のうち個人的に最も衝撃的な楽曲で、「COUNTDOWN LoveLive! 2021→2022 〜LIVE with a smile!〜」でも披露されたことから、この楽曲にやられたという人を多く見かけましたね。Liella!は歌声などで美しさを感じさせる楽曲が主だっただけに、これほどまでにカッコいい姿を観られるとは予想していませんでした。私が現地で参加する際には、「Day1」でブチ上がるのが最大の楽しみでもあったくらいです。
 そしてこの楽曲、ひとつ前の「ノンフィクション!!」同様にセンターを務めるペイトンさんがガッツリ本気を出すステージでもあり、その熱量が尋常じゃないのです。その気迫は回を増すごとにさらに大きくなり、宮城公演Day2では(配信ほど注目するのが難しい)現地参加ながらも圧倒されました。センターに憧れるすみれの気持ちを背負って立つペイトンさんの姿、本当に素晴らしいものでした。この楽曲が盛り上げる時には使いやすい手札でもあるため、また近いうちに観られると嬉しいですね。今回現地では参加できなかったという方にも、ぜひこのステージの熱気を直接感じてみていただきたいです。

私のSymphony

 デビューシングル「始まりは君の空」に収録され、TVアニメ第11話で挿入歌としても使われた、『ラブライブ!スーパースター!!』という作品の鍵であるこの楽曲。元の楽曲でも充分に力強いものなのですが、TVアニメ同様に伊達さんのソロで始まったことで、一般公募枠である伊達さんの想いをより強く背負ったステージになりました。
 そしてさらにすごかったのが2番からLiella!5人でのパフォーマンス。みんなが揃うことでパッと鮮やかになっていき、みんなとだから最後の伊達さんの「ちっぽけな昨日までの私じゃない 奏で始めたんだ 夢を」が力強く響き渡る…「私を叶える物語」「みんなで叶える物語」の両方を体現したステージでした。今後もこの楽曲が披露される機会はあると思いますが、この演出はFirst LoveLive! Tourだからこその特別なものになりましたね。
 そして伊達さんの出身地で開催された宮城公演でのこのステージはまたさらに特別なもので、伊達さんの想いをひときわ強く感じ取ることができました。Day2では岬さんが伊達さんへの想いにあふれる場面もあり、観ていた皆さんにとっても思い出深いステージとなったかと思います。

Starlight Prologue

 TVアニメではクライマックスで使われたこの楽曲、私を含めた誰もが楽しみにしていたものだとは思いますが、いやー…本当にすごかったですね。美しくも力強い音楽、希望で輝く言葉の数々、色鮮やかな衣装、そして想いのこもったパフォーマンス。どれをとっても非常に印象的でした。ツアーが終わった今でも、このきらめきに溢れたステージを浴びたくて浴びたくて仕方がないんですよ。この衣装で披露するかは分かりませんが、また観られる日を楽しみにしています。
 これはLiella!の他の楽曲にも言えることなのですが、私は兼松衆さんの携わる楽曲が大好きなんですよね。どれも非常に美しくLiella!らしいなと思うのですが、おそらくデビュー楽曲「始まりは君の空」の作曲を手掛けているからでしょうか。他だと「未来は風のように」「Tiny Stars」「Wish Song」があります。特にLiella!は星をモチーフにしていることもあり、これらは夜を連想させる楽曲が多く、その辺りが個人的な好みによく合うというのもあります。ぜひ今後もLiella!らしい素敵な楽曲をお願いします。

始まりは君の空

 Liella!というグループを象徴するデビュー楽曲であり、そして個人的ラブライブ!シリーズ最強楽曲(「LIVE with a smile!」はいわばチートなので別枠)スクールアイドルへの憧れと夢を胸に駆け出す5人に、このうえなく相応しい楽曲です。
 私も当選していたリリースイベントが無観客配信となり、観客の前で初めて披露するのはこのツアーが初めてとなりました。それだけに本当に初めてとなる群馬公演Day1での披露は、配信ながらも本当に印象深くて…「始まりたい僕の夢 君へ伝えよう 聞いて 聞いて欲しくなったよ」という歌詞とともに、観客に直接5人の夢を届ける姿に涙が止まりませんでした。前橋のホテルで観ていましたが文字通り大号泣。それから現地でもこのステージに立ち会ったわけですが、何度観ても泣かない回はありませんでした。そして今後も披露されるでしょうしその時も絶対泣く。ただ、そんなズタボロにやられた後に次のステージ(しかも楽しい楽曲)が即始まるため、感情を立て直すのが本当に大変で…今となってはそれもこのツアーの良い思い出です。

この街でいまキミと

 様々な地を訪れる今回にふさわしい、First LoveLive! Tourのテーマ曲とも言えるこの楽曲。最後に持ってくる楽曲というのはやはり印象に残りますし、記念撮影などの演出もまた思い出深いものです。東京追加公演ではステージで披露こそされませんでしたが、アンコール前映像でツアーの様子と共に流すのがズルくてズルくて…。この楽曲は聴くだけでLiella!と出会えた楽しく幸せなFirst LoveLive! Tourを思い出すものになりました。今回のツアーを楽しんでLiella!が好きになった皆さん、「この街でいまキミと」を聴くと泣くという奇病にかかっていませんか?私はなりました。東京追加公演まで終わった後、帰り道にこの曲を聴いたせいで家で泣いたくらいです。

キャストの皆さんについて

 今回First LoveLive! Tourながらもかなりの公演数となり、先述したようにそのなかでキャストの成長を感じることができるものでした。というわけでキャストの皆さんに対する感想みたいなものも書いてみようと思います。

澁谷かのん役 伊達さゆりさん

 多くのステージでセンターを務めるうえ、「未来予報ハレルヤ!」「GOING UP」「私のSymphony」など一人で歌い続ける場面も多かった伊達さん。一般公募枠ということもあり、このツアーは相当にプレッシャーのかかるものだったでしょう。全22公演(+COUNTDOWN LoveLive!)という負担の大きさもあってか、終盤の公演では歌声が本調子ではなかったようにも感じました。しかしパフォーマンスにおける表情や熱量がそれを遥かに上回っていて、澁谷かのんとして立つ伊達さんの想いをこれでもかと感じることができました。リリースイベントの時点でもすごい方だとは思っていましたが、これができるというのは本当に素晴らしいことで、その気持ちがあれば安定感や技術面はこれから間違いなくついてくると思います。
 そしてMCなどで伊達さんの語る熱い言葉の数々は、やはりLiella!のリーダーなのだと強く感じさせてくれました。今後もグループを引っ張っていく伊達さんの姿にさらに期待してしまう、そんなツアーでした。

唐可可役 Liyuuさん

 宮城公演Day2でのMCで話していたように、健気に一生懸命頑張る姿が可可と重なるLiyuuさん。リリースイベントではまだどことなく余裕のない印象がありましたが、今回のツアーを通して成長した姿を見せてくれました。可可らしい華やかさや柔らかさのある動き、そして美しい歌声が非常に魅力的でしたね。
 MCなどで思うように言葉を伝えることができない場面もありましたが、それでもLiyuuさんの想いは本当によく伝わってきて、その姿を観ていると本当に胸が熱くなりました。パフォーマンスでいえば動きへの熱量の乗せ方などにまだ課題もありますが、伸びしろも大きい方だとも思っています。アンコール前映像でお話ししていたように、4人にも頼られる存在となり、そしていつか立派にセンターをも務めあげることができるよう、これからも可可と一緒に歩んで成長していくのを応援しています。

嵐千砂都役 岬なこさん

 Liella!はパワーのある2人(かのん・すみれ)が目立ちやすい傾向にあるため、残り3人の見せ所をいかにして作っていくかがステージの肝でもあります。実を言うとリリースイベントの時点では(楽曲の都合もありますが)岬さんのことを存在感的にちょっと心配していたのですが、今回のツアーでは目覚ましい活躍を見せてくれました。経験していたダンスパフォーマンスが存分に生かされる楽曲が出たことでその実力を示しましたし、苦手だったという歌についても先述した「常夏☆サンシャイン」のロングトーンをはじめ大きく成長したことを感じられました。余裕も出てきたのか千砂都らしい笑顔からクールな表情まで魅力的で、細かいパフォーマンスで言っても光る部分が多かったですね。
 ツアーを通じて5人それぞれの成長が感じられましたが、岬さんは今回最も成長したキャストだと思います。強くなった岬さんのこれからのステージでの活躍、そして今後もどんな成長した姿を見せてくれるのか、本当に楽しみです。

平安名すみれ役 ペイトン尚未さん

 自分自身の見せ方にこだわるすみれを演じるだけあり、5人の中でも最もライブ感が強かったと感じたのがペイトンさん。先述した「派手なテンション ドッカーン!」を筆頭に、ライブならではの振り切ったパフォーマンスを見せてくれました。そしてこれまた万能型のすみれらしく、笑顔あふれるパワフルなパフォーマンスから、「バイバイしちゃえば!?」でのかわいらしさ、「ノンフィクション!!」をはじめとしたカッコよさなど、様々な方向の魅力も存分に感じられましたね。
 群馬公演Day2では本調子を出せないなど悔しい場面もありましたが、宮城公演や東京追加公演では全力でステージに臨む姿がとても印象的でした。個人的に気迫や熱量のこもったパフォーマンスをする方が好きということもあって、Liella!キャストの中でもお気に入りの方となりました。もちろんすみれ好きだから、というのもありますけれども。これからもすみれと共に活躍する姿を心待ちにしています。
 ちなみに私事ですが、ペイトンさんが気になりすぎてSMA VOICEに登録したことをご報告申し上げます。ペイ子かわいいよペイ子。誰がDDやねん。

葉月恋役 青山なぎささん

 伊達さん同様に一般公募枠ながら、ツアーを通して驚くほどの実力を披露してくれた青山さん。恋として立つためにストイックに努力していることが常によく伝わってきて、優雅さと情熱が共存するようなパフォーマンスは本当に見事でした。数多い公演の中でもその力を安定して発揮していて、現時点でのLiella!のなかで最も実力のあるキャストだと思っています。
 今回はTVアニメ1期に沿った形のライブであるため、青山さんがメインを張るステージはあまり多くありませんでした。先述したように恋はパワーで目立つタイプではないのですが、それでもグループを支える一員としてパフォーマンスできちんと支えていて、4人から5人になった時の強さのようなものは青山さんがいてこそだと思います。それだけに、恋が主役を務めるこれまでとはまた一味違う楽曲が欲しいと思いますし、そのステージがどんな仕上がりになるのか考えるだけでワクワクします。

Sunny Passion

 東京追加公演でゲスト出演した、Sunny Passionの2人に触れないわけにはいきません。いままでライバルグループの楽曲はサウンドトラックに収録されていましたが、今作ではそれがされなかったため、この2人が遠くないうちにステージに立つことは想定していました。しかし今回の東京追加公演で、というのは予想していたよりもかなり早い登場となりました。
 CDリリースに先行して「HOT PASSION!!」を披露しましたが、その出来栄えは見事なもので、初ステージとは思えないくらいのものでしたね。ナイトセクシーという言葉通りの魅力的な動きや表情が映える柊摩央役結木ゆなさんと、太陽のような笑顔と明るい歌声で会場を盛り上げる聖澤悠奈役吉武千颯さん。対称的な2人が作り上げる熱いステージは、さすが作中でLiella!の強きライバルとして立つSunny Passionだけあるなと感じました。今回は1曲だけでの登場でしたが、手数も増えるため次の機会には2人のパフォーマンスをもっと観ることができるでしょうから、また新たな可能性を開いていくグループの活躍を楽しみにしています。

最後に

 私は基本的に物語のオタクなので、TVアニメ『ラブライブ!スーパースター!!』がとてつもなく好きで、その物語を背負ったLiella!が好きになるのは必然でもあるのですが、それにしてもこのツアーを終えて驚くくらい好きになってしまったことを感じています。それはキャストの5人にも「私を叶える物語」そして「みんなで叶える物語」が流れていると、強く強く感じたツアーだったからだと思います。夢を胸に走り出した星たちがどんな未来への道を走っていくのか、その先にある未来は何色に染まっているのか、Liella!と共にその夢をこれからも追いかけていきます。
 2ヶ月半という長くも短くも感じられる「Liella! First LoveLive! Tour ~Starlines~」でしたが、早くも次回の「Liella! 2nd LoveLive! ~What a Wonderful Dream!!~」の開催が迫っています。今回のツアーは特にキャスト個々人の強みが感じられましたが、次はグループとしてもさらに成長した姿を期待しています。2nd LoveLive!は横浜公演Day2のみ現地参加の予定ですが、また一段と強く大きくなったLiella!、そしてSunny Passionとお会いできることを心待ちにしています。

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