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追いかける夢の行く先は―TVアニメ『ラブライブ!スーパースター!!』2期第11話「夢」

 TVアニメ『ラブライブ!スーパースター!!』2期の感想、今回は第11話についてです。ラブライブ!東京大会の結果は―Liella!、そしてマルガレーテの運命やいかに。

みんなの夢、私の夢

 開始直後、さっそく東京大会の結果が。2位はウィーン・マルガレーテ、そして1位はLiella!。「勝って、ここにいるみんなを笑顔にしたい」という1期第12話の決意が、ついに現実のものとなりました。Liella!の歌がみんなを喜ばせた光景に、なんだか観ているこちらまで涙が…。これでラブライブ!優勝という夢にまた一歩近づきました。
 一方、次点となったマルガレーテは結果に納得できず場を騒然とさせ、批判を浴びまくる状況に。観客の投票で結果が決まっているのだからそりゃそうなるという感じですが、自分自身の全てを表現したステージというのは熱が入れば入るほど、結果が伴わないと自身への否定として刺さるもの。ラブライブ!はそれほどまでに熱くまた過酷な大会です。

 1期では迎えられなかった(?)お正月ですが、今回は無事に年を越すことができました。ありあの巨大クラッカー、兵器か何かか?しかし原宿を舞台としながら、今の今まで気味が悪いくらい出てこなかった明治神宮(たぶん)がようやく登場しましたw とはいえ結局すみれの家の神社へ…そりゃ神社の娘がいるんだからそっちになりますよね。というか一番忙しいであろう時にすみれは手伝わなくていいのか?

 さて、ちょこちょこと出てくるラブライブ!のニュースサイトに、よく見るとサラッと重要なことが書かれていました。「ウィーン・マルガレーテはインターナショナルスクールに在席(在籍?)しており、今年9月に進学したばかりの1年生」。なるほど第3話時点で中学生だったのに、ラブライブ!に出場していたのはそういうわけでしたか。他にも「ラブライブ!決勝本戦の東京地区出場校を決める東京大会において、結ヶ丘女子高等学校スクールアイドル部のグループLiella!が1位となり、決勝本戦に出場する全国47校が出そろった」とあり、各都道府県ごとに1校が進出できる仕組みっぽいですね。東京は学校数も必然的に多いはずで、これは相当に厳しい大会です。

 1期ではすみれや恋に「何かありそうな気がする」と粘ったかのんですが、マルガレーテにも同じ空気を感じたのか。ようやくマルガレーテの背景が分かってきました。Liella!は歌でみんなを笑顔にしたいという夢を持っていたように、勝って憧れの舞台へ行くことを夢見ていたマルガレーテ。しかしその夢をステージで歌に乗せた時、観客がどちらを選ぶか…というと、最初から結果が見えていたような気もしてしまいます。「あなたなら分かるでしょう?どっちの歌が上手かったか」という問いかけに対し、「私たちは全員、みんなに歌を届けたいと思って歌っていた。ひとつになれたらと。その想いは、あなたより強かった」と返ってくるのが、マルガレーテに足りないものなのでしょう。
 ラブライブ!という大会は結構特殊なんですよね。スクールアイドルのステージは具体的に点数化できるようなものでもなければ、技術の競い合いに留まることもなく、想いや夢のような見えないものが勝敗を左右する。それこそがラブライブ!の魅力であり、スクールアイドルが駆け抜けてきた道であり、だからこそ世界でも知られていくようになっているのだと思います。そしておそらく、マルガレーテに足りないものはそこにあるからこそ、彼女はラブライブ!優勝を条件とされたのでしょう。家族には最初からこの結果になるのが見えていたのでしょうね…。「かのんのもとで歌を学びなさい」と言われたところに、彼女の家族の手厳しさを嫌というほど感じさせられます。

 一方のかのんには、Liella!として、結ヶ丘の想いを背負ってラブライブ!で優勝するという夢に手を伸ばすと同時に、ウィーン国立音楽学校への留学の話が舞い込みます。やはりこの作品の鍵は「結ぶ」なんですよね。想いや物語を持ったメンバーが結ばれて集まったのがLiella!であり、そんなLiella!として叶えたい夢がある一方で、それぞれのメンバーが持っている夢もあります。かのんの夢は「自分の歌で世界中の人を笑顔にしたい」というもの。どちらの夢も大切にしたいかのんの心は揺れ動きます。
 そしてそれを察知したのは、やはり他でもない幼なじみの千砂都。かのんが誰よりも歌を愛してきた姿を、誰よりも一番近くで見てきたのですから。これは1期第11話や2期第2話でも感じたことで、私はこの言い回しが一番適切に表せていると思うのですが、千砂都だけは明らかに見えている世界が違います。まさか「留学してほしい」なんていう特大爆弾を投げ込んでくるとは。かのんの夢とLiella!としての夢、両方を叶える術があってほしい…本当にどうなるんだ…!?

その他雑多なポイント

 きな子がついポロッと言ってしまいましたが、(その能力面はさておき)すみれはまあ人徳ないでしょ。すみれ好きな私が言うんだから間違いない。それどころか夏美はかのん以外の1期生の信頼感が薄いと言い放ちますが、すみれといつもイチャイチャケンカして情熱だけで突っ走りがちな可可、丸のことになると目つきが変わる千砂都、うっかりどっぷりゲームにハマってしまう恋と、そう見えてしまうのも仕方ないのか…。一人ひとりで見るとこんな感じですが、みんなとしてバランスを取ってきたことも分かるセリフでした。
 ついでにグソクムシの動画も流出(?)していましたが、メンバー紹介からあれはどうもテレビCMらしい(どんなCMやねん)ので、有名になったらその程度の過去の映像絶対出回ります。現実でもそんなもんです。

 マルガレーテを追いかける千砂都の爆走っぷり、初見時に思わず笑ってしまうほどでした。Liella!随一の運動神経の持ち主とはいえ足速すぎんだろ…。かのんがウィーン国立音楽学校から相当に注目されている点に引っかかっていましたが、あれだけ全力で追いかけて食い下がってきたのに、関心の対象は自分ではなくあくまでかのんだけとなれば、そりゃマルガレーテもムッとしますわ。

 こたつ初体験する恋ちゃんかわいい。あのお屋敷だとこたつはないのか…和室とかありそうなものですが、洋間での生活を基本にしていると案外そういうものでしょうか。それにしてもみなさん、練習着変わらないんだからそら寒いですわよ。冬用練習着買いなさい。


 というわけで遅ればせながら、2期第11話の感想をお届けしました。第12話放送前にようやく追いつくことができました。次回のタイトルは『ラブライブ!スーパースター!!』のテーマでもある「私を叶える物語」。一体どんな展開になってしまうのか…首を洗って待っています。

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