この場所で愛と想いが結ばれて―TVアニメ『ラブライブ!スーパースター!!』2期第7話「UR 葉月恋」

 TVアニメ『ラブライブ!スーパースター!!』2期も折り返し地点を越え、今回は第7話の感想をお届けします。メンバー9人が揃った後だからか緩めの回になりましたが、それでもこの作品の大切なものが込められていました。

この場所で結ばれたもうひとつの想い

 第5話で可可の家で初めてゲームに触れた恋ですが、どうもどっぷりハマってしまったようで…。自分はほとんどゲームをやらない人間なのですが、昔はかなり好きでしたし、誰しも初めてとなればハマるものなのかもしれないですね。ところでセリフにあった「トロコン」って何のことか分からなかったんですけど、「トロフィーコンプリート」のことなんですね。とろろ昆布じゃないのか。
 しかしそれを誰にも話さないあたり、そして恋の異変に気がついた誰もが純粋な心配をしてしまうあたりに、恋の責任感の強さと人望が見て取れます。1期第7話・第8話で紆余曲折もあったとはいえ、最初から変わらず結ヶ丘のために一途に働いてきた恋の姿は、誰しもが信頼するもののはずです。普段から勉学に励み、Liella!の一員としてハードな練習や作曲もこなし、そのうえ生徒会を1人で回す…って最早超人の領域なんですが、それだけに相当ギリギリなところで保っていたわけで、ゲームにハマったとなればそのバランスが崩れるのはやむを得ないところです。

 そんな恋の家にある数多のゲームは父親から送られたものでしたが、最新のハードよりレトロゲームが多いのはなんでなんですかね…。令和の時代に、ゲームが欲しい娘にツインファミコンとか64とか買ってくる親って何者なんだ…?
 それはさておき、恋の母親が結ヶ丘の設立を目指した際、海外での仕事が決まっていたために反対し家を出て行ってしまい、1期第12話では突然結ヶ丘への寄付を(明言されてはいませんが恋の生活の支援も)しているものの、最も困っていた状態からは遅れて助け舟を出したこの父親。やや掴み所がない父親だと思っていたのですが、今回の件を見るに、どうも恋のことを相当可愛がっていそうです。1期での支援が遅かったのも、その使命感と責任感の強さゆえに、助けてもらうわけにはいかないと恋が断っていたのではないか、と気がつきました。今回はおそらくその反動なんだろうなあ…w

 そして、恋を愛してやまないのは父親だけでなく、結ヶ丘創立に奔走し亡くなった母親も同じ。1期第8話の感想エントリにて、この場所でまた想いが結ばれるために、そして恋に「お母さんの最高の思い出」と同じ時間を贈るために創立されたのが結ヶ丘だという話を書きました。つまり恋がスクールアイドルになるということは、「一緒に努力し、一緒に夢をみて、一緒に一喜一憂する。そんな奇跡のような時間を送る」仲間ができるということ。ゲームに夢中になってバランスを崩しているのを隠していたということは、恋が真面目で責任感が強かったのは元々の性分なのでしょう。母親もきっとそのことに気がついていたはずで、1期第7話の生徒会長に就任した際の理事長とのやり取りを見るに、そのあたりの心配は理事長にも伝えていたのだと思います。恋の強さでもあり、また弱さでもある真面目さと責任感の強さ。そんな彼女が一人で抱え込んでしまわないよう、一緒に過ごす大切な仲間に支えてもらいたい…恋の母親は結ヶ丘にそんな想いも託したのかもしれません。
 歌が大好きだという熱い気持ち。スクールアイドルへの強い憧れ。スポットライトの下で輝きたいという願い。支えてくれた幼なじみの隣に立つという決意。先輩に憧れ共に走りたいという想い。大好きなスクールアイドルとして、大切な友達と一緒に一歩を踏み出す勇気。求め続けてようやく見えた新しい夢。恋の母親が創った結ヶ丘があったからこそ、それぞれの想いがLiella!として結ばれています。そしてこの結ヶ丘が引き寄せた運命とも言えるような出会いから、些細なことでもこうやって恋を想い、支えてくれる仲間がそばにいる。きっと恋の母親も幸せな気持ちで見守っていることでしょう。愛する娘を想う気持ちもこうして結ばれたのですから。

 恋の異変にいち早く気がつくことになったのは、同じく作曲に力を発揮しそうな後輩のメイ。第6話までは2期生にとって1期生は追いかける存在でしたが、9人が一緒に走る「みんなで叶える物語」であるためには、1期生が弱みを見せる必要もあったと思います。1期生5人がただ頑張って引っ張るのではなく、Liella!9人で支え合いながら進めるようになったここから、Liella!はさらに強くなっていくことでしょう。
 それにしても、礼儀正しく”さん付け”かつ敬語を使う恋と、少し荒っぽくも感じられるタメ口のメイ、先輩後輩関係が壊れてるんですよねえ…恋が先輩に見えないw

その他雑多なポイント

 今回の特殊スタートは…なんなんですかねw 冒頭一瞬チャンネルを間違えたかと思いました。オープニング後に「前回のラブライブ!スーパースター!!」が入るってどういうことよ。それにしても『Beat Saber』的なVRゲームとはまた時代を感じますね…(こっちは現代的な意味で)。

 2期第7話で恋の弱みが描かれることで、2期生から見てとっつきにくい1期生はダントツですみれになった気がしますが、一方で「メロンが好物」と聞いてメロンパンダの被り物(夕張のメロン熊じゃねーかこれ)を買われるって、2期生からも既にそういう扱いを受けているのか…?かのんの家ではきちんと被っているあたり、そういう後輩の思い(?)も無碍にしないのはすみれの優しさ。まあグソクムシよりはマシなのか。

 恋が最初にゲーム(都市開発シミュレーションゲームでしょうか?)をしているシーン、相手にされず哀愁漂うチビを早送りにするの面白すぎてズルいw シリーズでもなかなかない描き方でしたねえ…w

 メイの出番が多い今回でしたが、それだけに魅力…というかメイの可愛いところがたくさん観られましたね。 VRゲームをやりながら「なにこれすげー!」って言ってるところが個人的なお気に入りです。

 1期第7話での可可の想像で悪役キャラにされた恋ですが、逆に今回は恋の想像で4人が…。千砂都のキャラだけおかしいのは、やはり現実にはありえない言動という点による解像度の低さなのか。これで謎の想像世界に飛ばされていないのは夏美だけなので、またどこかでお願いします(?)

 メイと四季は素直になった瞬間すぐああなりますね…人の家でイチャつくな。四季の謎ゴーグルが久しぶりに登場しましたが、アレなんなんでしょうね?第2話ではすぐ近くのポスターを見ていましたし、遠くを見るためのものや矯正器具ではなさそうな…。まあ四季のヤバそうな発明に意味を求めても仕方ないのかもしれませんが。ただどうしてもあのゴーグルがバスク・オムにしか見えないんですよね。


 というわけで、1週間空くのとちょっと多忙なのもあり、すっかり遅くなりましたが第7話の感想をお届けしました。いよいよラブライブ!の大会も迫っており、2期も佳境に差し掛かっています。一段とまとまったLiella!がどのような物語を紡いでくれるのか、とても楽しみですね。

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