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結ばれた想いは星を輝かせる―TVアニメ『ラブライブ!スーパースター‼︎』2期第3話「優勝候補」

 TVアニメ『ラブライブ!スーパースター!!』2期の感想、今回は第3話についてお届けします。物語のターニングポイントとなりがちな第3話ですが、今回も重要なお話でしたね。

強大なライバルたち

 2期でもやってきた代々木スクールアイドルフェスティバル。1期で急遽出場し1位をかっさらっていったSunny Passionは2期で3年生なんですね。1期では学年の話がどこにも触れられていなかったので、サラッと卒業していたらどうしようかと思っていましたが、やはりそんなはずもなく。
 複数年描くからこの作品だからこそ、連覇の話は必ず出るだろうと思っていましたが、それにしてもSunny Passionは本当に強いですね。1期第5話・第6話からも分かるように、学校や神津島のみんなの想いを背負い、そして自らを高め続けるこの2人がラブライブ!優勝者となったのは当然です。そしてこの2人だからこそ、結ヶ丘の想いがひとつになった「Starlight Prologue」のステージを素晴らしいと言えるんですよね。

 そして、Sunny Passionがこれから物語上で持つ役割は2つあります。1つ目は当然、ラブライブ!優勝を争うライバルとして。ラブライブ!のルールが割と酷なので決勝までは持ち越せなさそうなのですが、史上初の連覇の話まで出てきた以上、2期はSunny Passionとの決着が見どころのひとつです。
 そしてもうひとつは、先に卒業を迎える先輩として。進級という概念を扱う以上、スクールアイドル以前に高校生として先輩であるSunny Passionは、かのん達より1年早く羽ばたいていくこととなります。強大なライバルであるとともに愛嬌のある2人なので、そう思うと早くも切なさを覚えますし、Sunny Passionが卒業することで、Liella!1期生5人も残りの時間を感じるようになるのかな…と今から考えてしまいます。

 一方、今回は第2話で姿を見せた謎の少女、ウィーン・マルガレーテも登場しました。スクールアイドルは高校生がなるものだとばかり思い込んでいましたが、中学生スクールアイドルというのも出てきているんですね。それだけスクールアイドルの世界が広がっているということでしょうか。

翼などなくても 飛べるの
魂に蝶を宿し
空を翔ける あの鳥よりも
眩しい色を吐き出しながら Fly sky

Butterfly Wing /  ウィーン・マルガレーテ

 己の実力をステージで強く示すウィーンにとって、仲間や誰かの想いという翼がなくとも、自分にある羽だけで飛び立つことはできるのだと語るこの歌詞。”鳥”といえばラブライブ!シリーズで何度となくモチーフとして描かれてきた存在ですから、ラブライブ!でスクールアイドルが紡いできた「みんなで叶える物語」に対してかなり挑戦的な立場です。
 これまでとは異なる価値観が生まれることは、スクールアイドルの世界が発展した証左でもあります。ウィーンは一体何を考えているのか、まだ分からないことばかりですが、この(現時点では)異質なスクールアイドルとLiella!が本格的にぶつかるのはまだ先でしょう。Sunny Passionとは方向性の異なるライバルだけに、それまでにLiella!がどんな答えを見つけていくのかがカギになりそうです。

立ち上がれ、Liella!、結ヶ丘

 ラブライブ!東京大会に続き、またも敗れてしまったLiella!。こういう時のすみれ、本当に頼もしいんですよね。東京大会では誰よりも真っ先に悔しさを吐き出していたすみれですが、2期になって大きく成長した姿が見て取れます。

「みんなでステージに立っているんでしょ。誰のせいとか、誰のおかげとかじゃない。みんなで作り上げるものでしょ、スクールアイドルって。」

TVアニメ『ラブライブ!スーパースター!!』2期第3話「優勝候補」

 第1話でもスクールアイドルについて「自己満足じゃないはず」と言ったすみれ。スクールアイドルを誰よりも愛する可可と親しいこともありますが、何より1期第10話で仲間の大切さに気がつけたからこそ、こういうことが言えるのだなと思います。
 そして印象的だったのは、翌日部室に集まったシーンでのあくび。すみれがあくびなんて珍しいなと思ったのですが、おそらくウィーンに敗れたことが悔しくて夜遅くまで練習していたのではないかな、と。仲間の大切さに気がついている一方で、誰よりも努力を重ねてきたすみれは、ウィーンの実力についても誰よりも理解しているはずで、それゆえにウィーンのステージを見ている時のあの表情があるのだと思います。スクールアイドルのステージはみんなで作り上げるもの、だからこそ自分も努力をしなければならない。影の努力者たるすみれらしいシーンでした。

 またしても勝利を手にすることができなかったLiella!は、学校の期待―優勝候補への期待に応えられなかったことを悔やみますが、まさかここで作品タイトル回収が来るとは…熱い展開に息を呑みました。結ヶ丘女子高等学校、本当に素敵な学校です。1期第12話ではLiella!の再起の物語が始まりましたが、今回は結ヶ丘の再起の物語。センターステージでの「Go!! リスタート」によって、この場所で受け継がれた想いは一層強く固く結ばれました。
 Liella!だけが結ヶ丘の代表としての期待を背負うのではなく、結ヶ丘のみんなの想いがLiella!をさらに輝かせていく。”スーパースター”は一人で生まれるのではなく、みんなの想いがあるからこそ輝きだします。それはまさに「みんなで叶える物語」であり、Liella!のラブライブ!優勝への道のりが真に始まったステージでした。
 そしてこのステージを受け取ったメイの感情はいかに。Liella!に対する想いの大きさもあるのでしょうが、第2話の発言から、この再起を歌う楽曲そのものがメイに刺さった可能性もあるわけで。メイにとってもこれがリスタートのキッカケになるのか…注目ですね。

その他雑多なポイント

 1期の代々木スクールアイドルフェスティバルについては、すみれがトラブルを起こしたせいで(おかげで?)今に至ってもいるのですが、すみれ自身そこについて触れる気もなく、むしろ「去年はこのステージで歌ったのよ」なんて言い張るのがジワジワ笑えます。ケガの功名となっただけに今更言うのも恥ずかしいんでしょうね…たぶん。

 これはめちゃくちゃどうでもいい話なんですけど、澁谷かのんさん個人情報ガバガバ過ぎませんかね…。1期第5話のSunny Passionといい、今回のウィーンといい、どうして自宅までやたらめったら突撃されてしまうのか。どこかの和菓子屋みたいに家がそれで売ってるわけじゃないだろうに…。

 今回も謎な出番しかなかった夏美。「ガッデーム」とか言うキャラなのか…。時はマニーって夏美自身が言うんですから、1分遅れて低評価なのもやむなし。低評価訛ってますよ。しかしエルチューバーやらLber Eatsやらあるのが時代を感じさせますね。初代『ラブライブ!』から辿っていくと、いつか歴史資料にすらなりそうです。
 第1話で思わぬ立ち回りをした夏美ですが、第2話と第3話は本筋には触れず、1期のすみれみたいですね。今回の「Go!! リスタート」のステージも見ていたかどうか不明ですし、何なら次も出番があるか謎なので、いつどんな形で合流することになるのか、ますます謎が深まるばかりです。


 というわけで第3話を振り返ってみました。次回はメイと四季の2人のお話になりそうですね。2期生それぞれの掘り下げは非常に楽しみにしていたので、どんな熱い感動の物語が待っていることか、今からワクワクが止まりません。それでは。

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