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Goodbye Worldの感想

Goodbye Worldを完走した感想です。

ネタバレ厳禁ゲームです。


ネタ
ネタバ
ネタバレ
ネタバレ注
ネタバレ注意
ネタバレ注意!
ネタバレ注意
ネタバレ注
ネタバレ
ネタバ
ネタ






このゲームの構成やラストのシーンについては置いておいて、とりあえずストーリーに対する自分の感想を。

こだわりが強く他者に押し付けがちで、完璧主義なくせに思うようなゲームが作れない蟹井、若干自分と似てる部分がある。

私は失敗を恐れて挑戦しないタイプなのにプライドだけはやたらと高いので、一途になれるカニちゃんが少し羨ましくもある。

グループの仲間にイライラするカニちゃん。
グループのリーダーがカニちゃんかはわからないけど、なんとなくドット絵の作り方がわからないグラフィック担当にカニちゃんが腹を立てて、グラフィックちゃんがやる気を無くしてしまったように思える。(グラフィックちゃんが元々そう言う人だった可能性もなきにしもあらず)

建設的な意見の伝え方や自分のやって欲しいことをしっかり伝えれば良いのだが、カニちゃんはグループだと活躍できないタイプだな…と思った。

きっとこういうグループ活動で大事なのは、クオリティより「みんなで協力する」ことだと思う。自分は専門学校じゃなくて大学だけど大学だとグループワーク何度もやらされるから。
周りに任せるくらいなら自分でやった方がいい、みたいなことを考えることもあるけど就職してゲーム作るならリーダーシップとフォロワーシップは大事なんでしょうねきっと(知らんけど)

あとバイト先の店長は普通にヤバい。

自分でストーリー作らないくせに熊手のストーリーに文句を言うカニちゃん。
ゲームが売れないのでもちろん生活も厳しくなっていき、バイトの時間が増える。
現実は非情だ。

あるある。中級者くらいになってから素直に楽しめなくなるやつ。
売れるためのゲームを模索する一方で、自分の好きなように作ったゲームを持ち込みに行ったら、パブリッシャーには酷評される。
自分の好きなものが売れるとは限らない。
よく聞くのは「自分の好きなものを描く(絵柄が売りになる)イラストレーター」「指示された通りに描くイラストレーター」の2種がいるという話。
もちろん前者の方が楽しいだろうけど、そのレベルになるのは難しいよね…

私は昔楽しめてた気持ちを大事にするので、思い出補正は揶揄されるものではなく尊重されるものだと考えております。
今でもマリオギャラクシーとか大神のこと考えてます。

でも、楽しむためにゲームをプレイ・制作するだけではやっていけないこともわかっているのだろう。カニちゃんはゲームを作って売らなければいけないから。

作中でプレイできるゲーム「BLOCKS」。システム自体は面白いけど操作ミスると詰んだりやり直しに残機使ったりと…細かいところで…仕様が…
わざと残機を減らすみたいなのは避けてたけど普通に難しいです。

これはストーリーで売っててゲーム内ミニゲームはそんな面白くないというこの作品に対する風刺でもある、と言う意見も見た。
アドベンチャーというジャンルもあるし、自分はゲームはプレイする体験もあれど物語を伝える媒体の一種でもあるため、ストーリー主体のゲームがあってもいいだろう、と思う。
グノーシアとかUndertaleとかOne Shotはゲームでしかできない体験だね。

本でいいじゃんと思われるかもしれないけど独特のサウンドとかビジュアルとかを自分で操作するみたいな楽しみがあるんですよね。

このセリフ、相手は予定がいっぱいあるのに自分は特にないから「いつでもいい」としか言えないのめっちゃわかる。
誰も悪くないのになんか虚しい感じするよね。

熊手に甘えていた。熊手がずっとここにいると思っていた。
熊手がもう自分の元に戻らないことを察し、ゲームにメッセージを残したカニちゃん。

熊手に依存してたことに無自覚だった。
わかるわー、友達とかフォロワーとかと一生ゲームして遊ぶ仲でありたいけど、向こうにも向こうの人生ややりたいことがある、それに気づけたのはいつだったのだろう…

結局カニちゃんはこの世を去って、2人のすれ違いで物語は結末を迎える…と思ったら、まさかの。

この「Goodbye World」自体が、2人が作ったゲームでした。

ズコー!

思いもよらないタイミングで登場人物が死に、どんでん返しがあるメタフィクション。度肝を抜かれました。
ただのすれ違いで蟹井がいなくなるなんて、あのままで終わってほしくないと思ったので、個人的にはすごいホッとした気持ちもありました。

結局、この話のどこまでが現実でどこまでがフィクションだったのかはわからないけど、こちらの世界では「Goodbye World」は話題になっているので、きっとあの2人はこれからもゲームを作ることができるんじゃないかな。売れるためのゲームだったかもしれないけど、2人が心から楽しめるようなゲームでもあった気がします。

蟹井と熊手はこのような結末を迎えましたが、それはそれとして、私たちが観測できない範囲には、今も苦悩に苦しんでるクリエイターもいっぱいいるのだろうな…と思いました。氷山の一角。

挑戦することはとても大事だけどそれはそれとして現実を持つ心も大事だと思いました。どっちも極端になるといけない。でも、自分の根元にあるような気持ちは忘れてはいけない、と思うような作品でした。
話それますが、幼い頃、ばあちゃん家でプレイしたマリオ64だとか、雪降る中でプレイした3Dランドだとか、何周もプレイした大神だとか…子供の頃ゲームをプレイして感動した体験などはずっと持っておきたいです。もちろん、これからも。

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