【おはなし】男子宝石　#毎週ショートショートnote

二人目の妊娠を義父母に伝えると、すぐに小さな箱が送られてきた。
妊婦が着けると赤ちゃんの性別によって宝石が現れる不思議なリングが入っている。

私の元に来てくれる赤ちゃんはすべて愛おしいと思っているので、この贈り物に少しイラっとする。しかし、一生のお守りにもなるとの事で長女の時に送られてきたリングも子ども部屋に飾っている。

ちなみに長女の時は小さなパールが浮き出てきた。説明書によると女子宝石だった。そして生まれた赤ちゃんは女の子。偶然かもしれないけれど。

義母は「次は男の子がいいわね」なんて言うもんだからますますイラっとする。

リングを着けて数日が経つと、変化があった。

照らし合わせてみると、それは男子宝石だった。
もちろん嬉しいけれど、少し悔しかった。
義父母に報告すると、耳に痛い声で喜んでくれた。

待ってるよ。
お腹を撫でて、長女のリングの横にそっと並べた。

リングには、小さな金の球体が二つ現れていた。

(401字)

今週もこちらの企画のお題に挑戦しました。
いつもありがとうございます。