シェア
君とは、あまりにも身分が違う。己は士族の長男として育った。しかしながら君だけが、己の草花…
娘のリコは楽しそうにクレヨンで絵を描いている。 私は夕飯の支度を進めながら、その姿を見て…
街で小さな雷鳴を見つけた。 私を威嚇しているのか、此方に向けて唸っているように聞こえる。…
乗り物や動物ばかり描いていたから。ある時ママに「人間も描いてみたら」と言われた。 真っ白…
司法は崩壊した。 日進月歩、多様化し続ける価値観の中で。 愚鈍な政治は置き去りにされ、判例に縋るだけの法家はその意味を成さなくなった。 残ったのは私のような執行人だけ。 罪の意識を抱えた者を、粛々と処刑する。 皆一様に、安らかな表情で逝くのが少し不思議ではある。だが、そのおかげで今のところ、私に罪の意識は芽生えずに済んでいる。