SNSのアイコンが決まらない

 ずっとずっとSNSのアイコンが定まらない。
峯田唯禾という名前が、どこか自分に馴染まない。仮初の姿だからなのだろうか。ならば、本当の私はどこへ行ったのだろうか。

 新しいアプリに登録するとき、まず必ずプロフィール写真の設定が求められる。スクロールに写る私の顔は、どれも違った女。「このアプリの使用目的上、一番妥当なキャラクターはこれだな」と選択して『次へ進む』のボタンを押す。いくつになってもこんなことを続けるのだろうか。

 確かにアプリを使うユーザー層を考えれば、求められる写真は全く違う。Facebookでは知的でオフィシャルな私。Instagramでは充実したお洒落を楽しむ私。Twitterでは個性が溢れて見たからにメンヘラが分かる私。もしかしたらマッチングアプリでは、ナチュラルに男ウケのいい私が別に存在するかもしれない。化粧美人どころの話ではない。

 大好きな歌の歌詞で
「アイコン変えよう
 どんな私もキャッチーよ」
ってフレーズがある。キャッチーな私で居続けることは凄く大変だけれど、それと同じくらいやっぱり楽しいから。
きっと来月も半年後も、結局SNSのアイコンは定まらないんだろう。

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