辛ラメーン


お腹が痛すぎる。
辛いものを食べたからだ。

トイレにこもってスマホに入っているメモを見ていた。
昔の私は書くのが好きだったみたいで、ちらほらと意味のないメモの中に、ちゃんとした文章が混じっていて、それを読んでいた。

耐えられない。
まるで骨が折れたかのような痛みだ。
私は書くのがこんなに下手だったのだろうか。

才能など、初めから存在しなかったのではないのだろうか。ただ、少しだけ、本当に少しだけ、他の同級生よりも文章を書くのが上手かった。ただ、それだけで別に飛び抜けて才能があるわけではなかった。

分かっていた。
でも、他に勝てるものがなく、自分の存在を証明できるものがこれしかなかった。
文章を、書くことができない。
あの綺麗な景色も、どこか懐かしい話し声も、色をつけてくれたあの日々を思い出すことができない。書けないのだ。
何もかもが全て泡のように消えていく感覚がする。
全て夢だったのだろうか。
夢に出てきた、あの人の影を私はずっと覚えているのに、あの人はもう私の中にはいないのだろうか。
お願いだから、もう一度だけ私と生きてほしいと願うのは無意味なことなのだろうか。

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