ハイの記録

夜な夜な、LINEを操作していた。
インターネットから知り合った友達も、学校から知り合った友達も、ブロックしてラインから消してしまえば、連絡は途絶える。他の連絡の手段を知っていたとしても、どちらかが拒否してしまえば、その瞬間に関係は終わる。
一緒に住んでる人だとしても、身を隠して連絡先全てをブロックしてしまえば、関係なんて強制的に終わってしまう。
本当に逃したくない人がいるとしたら、犯罪に手を染めてでも、監禁でも何でもしないと、目の前から消えてしまう可能性は0ではない。

なんて薄っぺらい関係性なんだろうと、LINEの友達一覧を消去しながら思った。

親友だとか、恋人だとか、家族だとか、そんなもの、いつ繋がっている糸が切れてもおかしくないのだ。

それこそ、携帯がめちゃくちゃに壊れて、データもバックアップされてなくて、インターネット上にも何も痕跡が残っていなかったら何もできない。紙に書いて連絡の手段を残したとしてもその紙を紛失したら終わる。

LINEの連絡先を消去していて私はなぜか、そんな薄っぺらい関係性に悲しみは感じたが、やろうと思えば全て関係なんてリセットができるんだと少し安堵の感情の方が大きかった。

複雑にからまっていない関係なんて、すぐ、ほどける。

本当に嫌になったら会社の連絡だって拒否して、全員の連絡を拒否して、逃げて、逃げて、逃げて、やろうと思えば誰も自分を知らない土地で、1からやり直せるのだ。
それはとても自由だなと思った。
人間は誰だって自由なのだ。

やろうと思えば、誰だって、自由になれる。


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