普通と常識

普通って何だろうか。
仕事をしながら私はそう思った。
私は今は試験監督官の仕事をしている。

スタッフの方々が、個性のある受験者様やクセのある新人さん来た時に良く言う、「あの人は「普通」ではないよね」「ちょっと「常識」がないね」と、私はその度に思うのだ。「普通」とは何だろうかと。

おばさま方が私によく言う、「普通に結婚して普通に家庭を持つのが良い」と、まだ恋人も家庭も持っていない私に「普通」や「常識」を当たり前のような顔をして伝えてくる。

普通とは何だ。
常識とは何だ。

何が普通で、何が普通ではないのだろうか。家庭を持っていなければ、結婚をしていなければ、「普通」の枠から外されてしまうのだろうか。
人と少し違うだけで、「常識」から外れ普通にはなれないのだろうか。

そもそも「普通」で「常識」を持った人間などこの世に存在するのだろうか。

それはお前が決めた「普通」と「常識」で、私の「普通」でも「常識」でもない。
私の中にある辞書の、普通や常識の意味はきっと、あなた方の意味とは食い違っている。
そして、人それぞれに普通と常識という言葉の意味はきっとたくさんあり、意味は人それぞれで感じ取っていて、皆違う。似た意味を持っている人もいるし全く違う意味で受け止めている人もいると思っていた。
きっとそうだと信じていたし、そうだと信じていたい。

この社会に私は相容れない。
その時点でお前達の普通の枠には私は入らないのだろう。

だから私はもう「普通」も「常識」もない人間で居てもいいやと思ったのだ。

人々が思う普通や常識の枠にいようとすると息苦しさで気が狂いそうになるから。

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