ぬいぐるみの話

私はぬいぐるみが好きだ。
でも、外に持ち出せない。
理由は恥ずかしいからだ。
最近SNSでぬい撮りというのが流行っているのか、ぬいぐるみと共に生活の一部を写した画像をよく見る。
見る分にはとても良い。私はぬいぐるみが大好きだ。
だが、自分が食べた物や訪れた場所、ぬいぐるみにスマホを向けて写真に収めている姿を想像すると、ちょっと冷静になってしまう。
自分は何をやっているんだろうか、白い目で見られていないか、と周りの視線を気にしてしまう。

今部屋の断捨離を本格的に頑張ろうと思い、少しずつだが物を処分している。
個人的に1番処分に困るのが、ぬいぐるみなのだが、そこまで思い出のないぬいぐるみでも処分するのを躊躇ってしまう。
最近は棉花娃娃という人の形をしたぬいぐるみも多く、私も何体か所有をしている。
棉花娃娃は特に処分に困る。人に近い見た目をしているからだろうか、捨てることができない。
捨てれないから、誰かに譲ろうと思いフリマアプリに出品をしているが、なかなか売れない。
処分できず、スペースを取り続けていくので、結構困っている。サイズは何種類かあるのだが、20cm規模になると結構大きい。

私はハンドメイド作品が好きで作家さんが作ったハンドメイドぬいぐるみもある。
これがまた、本当に捨てられない。
個人的には工場で生産された物よりハンドメイドのぬいぐるみのほうが捨て難いので、棉花娃娃より処分に困っている。
売るのも何だか忍びなく、箪笥の肥やしになっている。
お気に入りのぬいぐるみ数体はベッドで共に寝ているが、たくさんのぬいぐるみ達が私の部屋では死蔵となっている。とても可哀想。

ぬいぐるみの本来の使い方がいまいち分かっていない。
人それぞれだろうが、SNSで見るぬい撮りされたぬいぐるみは心なしか、キラキラして見えるのだ。キラキラしたぬいぐるみを見てぬいぐるみは可愛いなぁとなり、買っては増え、増えては後悔、というのをずっと繰り返している気がする。
ぬいぐるみを撮り、SNSに写真を投稿するわけでもなく、ただ持っているという謎の安心感を手に入れ、箪笥の肥やしになっていくぬいぐるみを増やし続けている。
私の家には、可愛がってもらえず、埃を被る毎日を送っているぬいぐるみ達がたくさんいる。
もしもトイストーリーだったら、ぬいぐるみ達はこの家を出て可愛がってもらえる人の家を目指し旅でもするのだろうか。
ぬいぐるみの扱い方に正解なんてない。
でも、SNSで活躍しているぬいぐるみ達を見ていると申し訳ない気持ちになるのだ。

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