Good Poetic Service

本業が忙しくなってきたので、しばらくお休みいたします。たまに思い出したようにぽつぽつと詩を載せるかもしれませんが、毎日投稿、今は難しい。必ず復活しますので、その時はまた宜しくお願いいたします。

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マガジン

  • 気持ちの良い朝みたいに未完成な詩

    これらの詩の完成度を高めて詩集に出来たら良いと思います。

最近の記事

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『詩人の落とし物』

よく晴れた冬の午後だった 公園の落ち葉の上に 詩人の落とし物 バス停に立っていた黒いコートは 詩人だったのか 自転車で走り去った   あの女性が 詩人だったのか 子供とキャッチボールをしていたあのお父さんこそ 詩人だったのか とにかく詩人は 風に吹かれて どこかへ消えた 残されたのは 詩人の落とし物 交番へ持っていけば 受け取ってくれるだろうか あるいは このままそっとしておけば いつか詩人が戻ってくるか あるいは このまま雨に濡れて 土に帰るか しばらく考えて詩人

    • 『旅人の忘れもの』

      昨日、旅人の忘れ物を拾った 風のようにこの街を訪れ、風のように去っていった あの旅人が、何も言わずに残したもの。 街の人々は皆、それを欲しがったけれど 最初に見つけたのは僕だから、それは僕のものだ。 僕は街の外には一歩も出たことがないけれど ちゃんと働き、住民税も所得税も払っているから このぐらいの悪さは神様も許してくれるだろう。 帰り道、旅人の忘れ物の匂いを嗅ぐと それは生まれて初めて嗅ぐ匂いで、 まるで夢の中にいるようだった。 家に帰って、母さんにも挨拶せず 僕は二

      • 『おやすみなさい』

        おやすみなさい 私にもあなたにも ここにいないあの人にも 魔法の言葉 おやすみなさい 僕にも ほんとうに眠る日が いつかくるらしいけれど  それまでは 慣れ親しんだ魔法の言葉 おやすみなさい まだ人生の苦しみも知らない小さな頃に 誰かから教わって 意味も考えず使って 楽しい夢を見た  僕に教えてくれた誰かは やっぱり誰かから教わった みんなでつないだ 魔法の言葉 おやすみなさい 今日も昂った僕の気持ちを 鎮めてくれるよ

        • 『中途半端な時間を手に入れた』

          なんともまあ こんなつまらない場所で 中途半端な時間を手に入れてしまった 君に会うには短くて 空を見つめるには長すぎる時間を 数日前だったらこの中途半端な時間を使って オウムアムアについてググっていたよ こんな中途半端な時間を売ったとしても大した金にはならないな だけど捨てたとしたら勿体ない いっそのことホームレスに恵んであげようか でも奴ら金の代わりに時間を手に入れた なんだかママが恋しいよ こんなときはママどうすれば良い? ママにもらった大切な時間が どんどん

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        『詩人の落とし物』

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        • 健康
          1本
        • 気持ちの良い朝みたいに未完成な詩
          42本

        記事

          『 コーヒーに追われて』

          どこの国のどなた様が育てて どんな経路で来たかも分からない ヤクザな苦い汁 コーヒー 気づけば 僕らの人生 そのコーヒーに追われている 人魚の美しい歌声で 深い海に引きずり込まれて 古民家でまったりさせられて そういや学校じゃ目立たなかったあいつが 町に小さな店を構えて コーヒーで人生を僕に語る 僕らはコーヒーに追われている 朝から晩までいつでもどこでも ナチスの人体実験で コーヒーは無害だったって本当ですか? 昔アラブの偉いお坊さんが教えてくれた飲み物は 本当

          『 コーヒーに追われて』

          『渚のオッペンハイマー』

          僕らいつの間にか こんな波打ち際まで来てしまった あんなにたくさんの笑顔は もうどこかへ行ってしまった 残ったのはオッペンハイマーと僕だけ 夕陽がたくさんの謎を残してまた水平線に沈んでいく 僕らの影だけがまた伸びていく そうだ泣かないでオッペンハイマー 君には荷が重すぎた 君も僕も普通の人間だった もう全ては貝殻のように なってしまったと そんな風には諦めないで まるで歳を重ねるように 流れ星が通り過ぎるように 誰かに恋するように 避けられなかった だからもう泣かな

          『渚のオッペンハイマー』

          『40代』

          深海のような10月の夜に 時計が細く正確な音を刻み続ける 40代と宇宙の間で折り合いをつけるには どうすれば良いのでしょうか あと30分ほどで また日付は変わる

          『わたしは外国人』

          わたしは外国人なのだ いや 日本人なのだ 見た目は生粋の日本人なのだ  でも 心が外国人なのだ 英語もフランス語もスペイン語も話せないのだ  だけどやっぱり 外国人なのだ 心がこの国のものではないのだ 心が海を越えて遥か遠くにいってしまった いや ずっと昔から海の向こうにあったのだと思う 日本の町を歩いても 自分と同じ肌の色をした昔馴染みと呑んでも 緑茶を一服しても ふと しっくりこないのだ 道行く外国の方々よ どうか心の友が こんなところにもいたと一瞬でも気づいて

          『わたしは外国人』

          『遊び方 忘れて』

          遊びたい 遊びたいけれど もう遊び方が分からないよ あんな風に 誰かと笑い合いたいけれど もう遊び方が分からないよ ずっと昔に遊んだけれど どうやって 何をして 遊んだのか 今は思い出せない 昔の少年は 名も知らぬ女の肌に触れることを 遊びと勘違いしてしまった 遊びたい 遊びたいけれど もう遊び方が分からないよ 今思い出せるのは 夕日におされた君の背中 明日の約束も思い出せないよ

          『遊び方 忘れて』

          『水滴ください』

          銭湯で 私の頭にたまたま落ちてきた 透明の水滴 一生懸命なあなたから 滴り落ちる 透明の水滴 曇り空の下 我先にと落ちてきた 透明の水滴 良かったら こんなに枯れた私に 水滴ください あの大海原も 寂しく美しい水滴の 集まりだそうです だから海を見ると こうやって 飛び込みたくなるのかもしれない 水滴ください 私の一滴を 私が絞り出した一滴 プルトニウムのような 一滴 水滴ください

          『水滴ください』

          『私という2人』

          私は2人いる 1人目は 9月の午後の陽射しの中で あなたに微笑んで 髪をかきあげている もう2人目は 薄っぺらいTVの先に ぼさぼさの頭で 地獄を見ている どちらも私であるけれど 引き裂かれることはなく 朝は希望と共に起き 夜は絶望と共に暗闇を見つめる

          『私という2人』

          『Mr The End』

          Mr The End もう終わりだね 秋が過ぎ長い冬が来てしまった いつの間にか影が 僕らよりも 背を伸ばしてしまった 新調のシャツは汚れ 裾は短くなり ネクタイはぶら下がったまま Mr The End  君と笑い合った夏が何度終わっても 君のこと決して忘れない Mr The End  君はいつだって あらゆる事の終わりを知っている 優しい奴だった Mr The End  落ち着かない僕を 置いていかないで

          『日曜日は透明』

          日曜日は透明だ 月曜日は 月の光とともに青白く始まり 火曜日は 赤く燃え上がる 水曜日は 燃え上がった炎と折り合いをつけて 木曜日は 焼かれた大地に緑が生える 金曜日は 人生の黄金に包まれ 土曜日は 母なる大地に帰る だから やっぱり 日曜日は透明だ ほとんどの人間は 透明の安らぎを求めて今日を生きる

          『日曜日は透明』

          『静かな街』

          私が住む街は どこまで行っても 静かだ 子供が泣いていても 静かな街 老人が困っていても 静かな街 男が女を殴っても その音は誰にも聞こえない どこまで行っても静かな 街 どれだけ中学生がエレキギターを 爆音で鳴らしても どれだけ引きこもりが アクセルを踏んでも どれだけ私が叫んだとしても まるで星空が 全てを吸い込むように 静かだ 今日もオスプレイが 飛んでいる

          『静かな街』

          『みんなが聴かない曲』

          みんなが聴かない曲を ひとり聴きながら歩いている 人が聴かない曲を あえて聴きたいわけじゃない ただ気持ちが踊る曲が みんなが聴かない曲なのだ 昨日も 今日も 明日も みんなが聴かない曲を ひとり聴きながら歩いている すれ違う人々が 白いワイアレスイアフォンの先で聴いている誰かの曲は 僕の心を決して踊らせはしない 音を聴かなくても 分かってしまうのだ たまに見かけない異国の人に どうしようもなくなって What are you listening to? と問い

          『みんなが聴かない曲』

          『昔 有名だった人』

          これから春になるというのに つまらなそうな顔をして 木漏れ日の中   一息ついている あの人は昔    有名だった 今は ほとんど誰にも気づかれないぐらい 顔も形も変わってしまった だけどたまに声をかけられると 嬉しそうな顔をする そんなあの人と話す時 私は   いつも緊張している 私と話すあの人の目をみていると まるで自分が透明人間になってしまったかのような そんな気分になるからだ

          『昔 有名だった人』