安らぎの十字架
ほら。あそこに、安らぎがあるよ。
そういって兄さんは、西洋人の墓を指差した。
みんな、古来からあそこに安らぎを求めたんだよ。
世俗的に見れば、私は社会不適応者であり就労していない、
いつ施設にぶち込まれるかわからない危うい身分だ。
しかし、私は実相の立場から見ればニルヴァーナ一歩手前にいる。
苦労に苦労を重ね、ここまでたどり着いたんだ。
誰も、たどり着くものなどいないのに。
そもそも、夜が明けてみれば、ありのままのが悟ってるって気づいただけだった。
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