地球になぜ磁場があるのか

コンパスのN極は必ず北を指す。

なぜか。

答えは、地球が巨大な磁石になっているからです。
ついでに言うと、北がS極で南がN極です。

磁石になっているとはいえ、地球そのものが物質的に磁石になっているわけではありません。磁石以外に磁場をつくりだす方法はもうひとつあります。電磁石…いつかの理科の実験でやったやつですね。金属線をコイル状にして、そこに電流を流すと磁場が生まれるというものです。では、その電流はどのようにして生まれるのか。それが電磁誘導という現象です。電磁誘導は、コイル状の導線を垂直に磁場が通過することで瞬間的に電流が流れるというものです。

ここで、簡単に地球の内部を知る必要があります。地球は外側から地殻、マントル(岩石の層)、核(鉄の層)と層になっています。核は、さらに外核、内核の二つの層にわけられます。地球の深い位置にあるため、大きな圧力が加わり、より深い位置にある内核は押し固められて固体鉄になっています。外核は、自転の影響で液体鉄のまま内核のまわりを流れています。そして、この液体鉄が元々地球にあった小さな磁石の付近を流れることで液体鉄に電流が流れます(電磁誘導)。電流が流れることで、今度は電磁石が生まれます。電磁石が生まれると同時に新たな磁場が生まれ、それが新たな電流となります。

電磁石 → コイルに①電流が流れると②磁場が発生
電磁誘導 → コイル中に①”磁場が流れると②”電流が流れる①→②→①”→②”→①→②→①”→②”→・・・・・・

実際はもっと複雑なことが同時多発的に発生しているのだと思いますが、マクロでみると電流は地球の内部を東から西(左回転)に流れているため、南がN極となります。

ちなみに、地球の磁場はこれまで何度も反転しているようで、有名なチバニアンにその痕跡をみることができるそうです。

【参考図書】コンパスが南をさすとき

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