月の民

月は学びに登ってくる
路地裏のバーから
また空に歌が生まれた
南の砂埃を歌う人々
故郷の血に想いを馳せる人々
天国に声を上げて
叫びながら
メランコリックな天使になる
新しく勇ましい
セメントと石灰の部屋が
赤い月が
肌の色に満ちてゆく
夕暮れ時の窓辺
孤独が掛かる服の袖から
喜びが町中へ堕ちてゆく
古い家を照らすランタン
壁を探している人々
希望と病の中で
永い景色の迷子になった
ホットパインの甘い香りは
波のうわさだった
私は彼らによって
静けさをすべて失う

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