【直近と今後の経済動向】

この年末の仮想通貨市場の急激な成長の理由は大きく2点。

1月中旬に判断期限を迎えるビットコインの現物ETFの審査が控えていることとと、アメリカ経済がやや後退局面に入り、FRBの政策金利の引き下げが織り込まれていることだと考えています。

ETFは証券取引所に上場している上場投資信託のことで、簡単に言えば、たくさんの株をまとめてパッケージとして販売しているようなものです。
株の集合体を一つの商品として扱ってるようなイメージ。

そうすることで、ひとつの株が下がっても他が上がれば大丈夫、といったリスク分散ができるようになっています。

そして現在、このETFのパッケージに含むものとして、ビットコインを扱って良いかの審査がアメリカ証券取引委員会(SEC)で行われています。

もしこれが承認されれば、ビットコインを含むETFが販売され、多くの機関投資家がビットコイン市場に参入することとなり、仮想通貨市場に大きな資金流入が見込まれます。
また、アメリカの政府機関が公式にビットコインを金融商品として認めることになり、社会的な信頼度が一段と上がることが考えられます。

SECによるETF承認可否の審査期限が1月10日であり、ここでの承認の期待が市場参加者の中で今、史上最高潮に高まっています。

ネットではビットコインのETF承認によって、価格が大暴騰する!と煽り立てる記事を散見しますが、僕は1月にETFが承認されても、いったんの大きな下落があるのではないかと見ています。

というのも、この年末の相場の上げ方は異常なレベルで、さすがに過熱感がありすぎだということ。

また、「噂で買って事実で売れ」という格言もありますが、投資家は皆、公式発表を待たずに先々に動くので、公式発表が出たときにはこれで材料出尽くし、もうこれ以上この件に関するサプライズや材料は出ないのだということで、『事実売り(Sell the fact)』が入ることが多く、今回もこれを強く警戒しています。

なので、保有するポジションは状況により年内もしくは1月1週目までで清算、と決めていました。(実際12/30にすべて清算)

しかしもしETFが承認されれば、長期の趨勢としてはかなりの上昇が見込まれることは事実なので、来年の2月以降の相場に大きく期待しています。

そしてもう一つ、マクロの経済環境として大きいのは、アメリカの金融緩和(政策金利の引き下げ)です。

先ほどのビットコインのETFは、あくまで仮想通貨という小さな市場の限定的な要素でしたが、金利は株やドル円など、すべての金融市場に影響します。

国の景気はある程度、中央銀行が管理をしていて、その管理のために使う手段のひとつが政策金利の決定です。

政策金利は、中央銀行が各銀行にお金を貸し付けるときの金利(利息)のことで、
この上げ下げが、各銀行が企業にお金を貸し付ける際の市中金利にも相関します。

金利が上がると企業は銀行からお金を借りにくくなる(返すときに払わないといけない利息が増える)
→新規の事業拡大がしにくくなり、景気の過熱が抑えられる。

一方、金利が下がると企業は銀行からお金が借りやすくなる
→事業拡大がしやすく、景気が活発になる。

このような形の金融政策で、中央銀行は景気をコントロールしようとしています。

今年1年は、とにかくアメリカの景気が強かった。
アメリカの中央銀行の役目であるFRBは、景気過熱とインフレを抑えようと、今年は鬼の勢いで利上げを繰り返していました。
これが株や仮想通貨などにとっては本当につらい環境でした。
一般に金利が高いほど株価が上がりにくく、金利が低いほど株価が上がりやすいと言われているからです。

しかし今年の秋ごろから、ようやく経済指標にアメリカの景気後退の兆候が見られ、遂には12月、FRBが来年の利下げ見込みを発表。
これがこの年末の猛烈な仮想通貨や米株の上げ相場に繋がったというのが大方の見方です。

またFX相場においては、金利の高い国の通貨が買われ、金利の低い国の通貨が売られる、という現象が見られます。

ご承知の通り、日本は長らく不景気が続いており、アベノミクスの目玉として、日本の中央銀行である日銀は現在に至るまで大胆な金融緩和(金利引き下げ)を続けています。

これまでは高い金利のアメリカと、低い金利の日本の間に金利差が開いていたことで、ドル高円安状況が続いていました。

ただ、これからアメリカが利下げを行うことで、この金利差が縮小し、来年は今の円安は少しマシになるのではないかと見ています。(既に今年の年末からドルが売られる動きが出てきています)

総合すると、来年1年を見たとき、これからの相場は大きく期待ができます。

相場において一番やっちゃいけないことは、調子に乗ることだと思っています。
どれだけ利益が出ていても、あるいは損をしていても、きちんと論理的に分析をして計画的に戦っていかないと、感情で動くとすぐにダメになります。
(これは相場だけじゃなくて人生のすべてのことに繋がることじゃないかなと思ったり、、、)

今後も常に経済状況には目を向けていきたいです。

最後に、最近感じたことを書きたいと思います。

立川談志さんの言葉で、
『汗水たらして働くような人たちが得たお金と株式という机の上で得たお金は、お札の色を分けないといけないと思う』

というのがあって、数年前にそれを聞いたときは良い言葉だなと思いました。

しかし、自分が投資家をめざすようになって、まだまだ知識不足ですが自分なりに勉強もするようになって感じたのが、

自分の資産をリスクにさらし、企業を成長させる投資家がいるから、経済が成長し、労働者が汗水をたらして働ける場所(雇用)が生まれるのではないかということです。

もちろん、そんな投資家が利益を得て生活できるのは、そこで実際に汗水をたらして働く労働者がいるからです。

つまり労働者と投資家は持ちつ持たれつの関係であり、決して対立構造ではないし、お金の得方にどちらが上とか下とは無いのではないかな、と。

特に資本主義経済の日本において、自分たちが今これだけ豊かな生活を送れているのは、投資家、起業家、労働者が三位一体となって経済を回しているからに他ならないのに、労働者“だけ”が偉く、他はダメ、みたい価値観には違和感を感じます。

この風潮がまさに金融教育が遅れている日本を象徴しているのではないのかな、と感じたりもしています。

労働者も起業家も投資家も、それぞれがそれぞれにリスペクトし合えるような社会が本当の意味で経済発展していける社会なのではないだろうか、と思います。

ついこないだから勉強を始めただけで、実績があるわけ何でもない僕に偉そうに言える資格は全く無いし、何か上から目線で社会を批判してやろうとかいう意図は全くないのですが、

自分は経済の勉強をしてみて、なんでこれを義務教育で教えてくれなかったんだろう、と率直に思ったし、日本が資本主義国である以上、こういう知識ってもっと広くみんながもった方が良いんじゃないかな、少なくとも僕はもっと早く知りたかったな、と感じました。

僕が思う一番の知識の定着方法はアウトプットです。
実際この文章を書くために、改めて理解や記憶があやふやだった部分を調べなおしたりもできたし、文字にすることで自分の考えも整理できます。

せっかくこのアカウントを作ったので、来年はできるだけ高い頻度で自分なりの経済分析なども投稿していこうと思います。

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