クラウドファンディングとはなにか?

こんにちわタモンズ大波です。
暖かくなってきました。ということは春なんですね。
タモンズライブ詩芸が近づいてきました。
連日合間を見つけては漫才と向き合っております。
15年やっててもこの時期は、起きてるうちは早くやりたい気持ちともう時間がないという気持ちのせめぎ合いが続き、目を閉じると単独ライブ直前でまだネタ出来てなくて焦るみたいな夢がヘビーローテーションで連日再放送されます。
それだけ刺激的な催しが年に数回出来ることを粋にも感じますし、終わった時の拍手は何者にも変え難い高揚なんで、それを獲れるように今回の詩芸も頑張ります。

それに伴ってタモンズ初のクラウドファンディングをしました。
あと2日の時点でありがたいことに120万円集まりました。
こちらはほんと重ね重ねありがとうございます。
支援してくれた皆さんの気持ちが本当に嬉しくてやっててよかったと心より思えてます。

クラウドファンディングをやるにあたって色んな媒体にも取材してもらって色んな反響も頂きました。
15年やってきてはっきりと目に見えるアンチが登場してちょっと嬉しかったりもしましたし、色んな考え方があるんだなと勉強にもなりました。
僕は人間性的に応援してない人の発言コメントには1ミリも心が揺るがない人間で、面白くないと言われようとそれは趣味嗜好の幅はあるし面白いを許容出来ないのはそもそもお前のお笑いのキャパシティが狭いからやろとという考えです。
芸術のキャパシティが全くない僕は有名な画家の絵を見ても落書きにしか見えないのと同じで、トップの楽団の演奏を聞いてもどこそこの吹奏楽部の演奏となんら違いがわからないのと同じです。
エンタメとは見る側の能力も必要だという見解です。
なので面白くないは間違いで理解できないが正解です。
あなたの面白くないは他の人の面白いになる場合が往々にしてあるので外野からの面白くないくせにとかアンチ的なコメントは的外れもいいとこです。

ただこのクラウドファンディングというシステムがライブシーンで浸透してないので僕らのことを応援してくれてるのにクラファンに関しては頭に?が生まれてモヤモヤしてる人もたまに見ます。
これは本当に悲しいことで僕らの説明不足でもあると思います。
せっかく奇跡的に僕らのお笑いが好きになってくれたのにクラファンの捉え方で離れてしまうのはあまりに悲しいので今一度じっくり説明させてください。

まずお笑い芸人の収入について説明します。
お笑い芸人の収入というのは2種類しかないです。
広告費からもらうか、ダイレクト課金かの2種類です。
広告費からもらうというのは主にテレビやラジオやCMといったメディアに出ることです。
テレビに出てお客さんに見てもらうっていうのはお客さんは一円も払ってません。
番組を作る製作費はCMをうつ企業が払い、そこから芸人はお金をもらってます。

ではテレビなどのメディアに出てない芸人はどうでしょう?
全てダイレクト課金です。
要するに歩合です。
お客さんが舞台を見ていただいてチケット代を払う、グッズを買う、YouTubeで見てもらって広告費が発生するといった具合ですね。
YouTubeは広告費ですが視聴者が0ならそもそも広告が流れません。
視聴回数が上がれば上がるほど貰える広告費は増えます。
なのでお金の出どころは広告費ですがダイレクト課金です。
こんなことはありえないですけどテレビに出て視聴率0パーで世界中で誰も見てなかったとしてもギャラは支払われます。
舞台ライブだとお客さん0ならもちろんギャラは0円です。
チケットが売れれば売れるほどグッズが売れれば売れるほど給料は上がるというわけです。

では次にそのライブ芸人の単独ライブをやる場合。
例えばわかりやすくチケット代1000円で100人が来てくれたとしましょう。
売り上げは1000×100で10万円です。
もちろんこの10万円が給料になるわけではないです。
その10万円からマネージャーの給料やら劇場の使用量やら諸々吉本へ(A)作家さん舞台監督さん照明さん音響さんへ(B)、このA+Bを引きます。わかりやすくA+Bが5万とします。
残り5万。
単独ライブのVTRの制作や、音楽の使用料や制作、小道具、衣装諸々の製作費(C)これを引きます。わかりやすく3万とします。
残り2万。これを安部とわけて1万ずつ。
よって収入は1万となるわけです。
割合はあくまで適当ですがこのようなイメージです。

ではこれが10人しかこなかったと仮定しましょう。
売り上げは1万円。
でも、もちろん10人しかこなかった時も劇場の家賃はもちろん100人来た時と同じです。スタッフのお給料も契約なんで100人の時と同じです。居酒屋でバイトしてて今日お客さん少なかったから時給半分なって言われたら店長の靴隠しますよね。それと同じです。
ではどこで経費を削減するかと言うとCですね。VTRは外注せずに独学で学んだ後輩に飯奢る代わりにやってもらう。音楽はそういうのが得意な後輩に飯奢る代わりに作ってもらう。衣装は無限大から盗むとかですね。
それともう一つAの劇場の使用料をケチるですね。
より小さい箱代の安いところでやる。
椅子のクオリティを落としたり照明もろくにない見にくいところでやれば箱代は抑えれます。
要するにCを落とすとお客さんの満足度にヒビが入る恐れがある。
なので、集客のない芸人はそんな劣悪な環境で単独ライブやるなら単独ライブやめとこかとなるわけです。

この問題にメスを入れたのがクラウドファンディングです。
ダイレクト課金の芸人が単独ライブやイベントをやる際に最も頭を抱えるこのA+B+Cの部分。
この部分を集客に頼らないという仕組みです。

数という人気は時間と老いと共にほぼ全員なくなります。でも減っていっても根深い支持があればA+B+Cのクオリティを維持できるシステム、これがクラウドファンディング令和のパトロンシステムです。
タモンズ面白いと一重にいってもタモンズの価値は人それぞれ違うし楽しみ方も人それぞれ違います。

今までなら誰よりもなによりもタモンズが好き、生きる力になってる大ファンも嫌いでもないくらいのお友達の推しの付き添いの方も同じ額のチケット代しか払えなかったんです。
あの人より払いたいっていう人の気持ちもあの人より払いたくないって人の気持ちも考えてないのが長らく劇場が作ってきた悪き風習でもあります。

これをぶち壊すのがクラウドファンディングの概要です。ここからが本題です。

よく目にするのがタモンズの単独ライブを応援するのはいいが生活費になるの?クラウドファンディングで生活費を集めるのは違うんじゃないかという声です。

中西さんという方にインタビューしてもらった際に安部がバイトをしたらお笑いに対する熱も下がってネタのクオリティも下がりやめることに繋がる、このサイクルを止めるためのクラファンでもあります的な発言がきっかけなんでしょうか。(それがリリースされてから目にするようになったので推測ですが)

率直に言うとタモンズの今回のクラウドファンディングの場合生活費に使うということはありません。なぜなら十分生活出来るお金をもらっているからです。
ただ生活費をクラウドファンディングで集めてもいいと思ってます。

なぜならクラウドファンディングもライブのチケットを売るのもダイレクト課金以外のなにものでもないからです。
クラウドファンディングで集めたお金を生活費に使うなという議論はチケット代で集めた給料を生活費に使うなという議論と同じと僕は思ってます。
それはテレビに出ないと芸人は生きていけないというクラウドファンディングがない昔の芸人に逆戻りする議論です。

チケットを全部クラウドファンディングで売る人もいます。
僕らも今後チケットの売り方そうなるかもしれません。
チケットに付加価値が自由に付けれるからです。(例えば袖から見る限定2席とか)
そうするともしその会場にお客さんが100人いたとしても1000人いたとしてもファニーチケットの売り上げは0です。なので今までのよしもとからの給料は0です。
クラウドファンディングで集めたお金を給料に当てないとやっていけません。

要するにファニーチケットで買うかファニークラウドファンディングで買うかだけの話です。

単独ライブの会場でグッズを買うとよしもとからその売り上げに応じたギャラが入ります。それはみんな生活費にあてます。僕らのクラウドファンディングでグッズもリターンで出してます。ファンの人のお金の流れは同じなのにそれをギャラとして生活費にあてたらダメなのは僕は理解できません。

今までファンの数がある程度担保されていてある程度の売り上げが見込める芸人でないとグッズも出せない、単独ライブも開催出来なかったんです。
それは吉本興業としても赤字を出すわけにはいかないので見込みのないことは出来ないんです。
でもこのクラウドファンディングという仕組みを使うと仮にファンが10人でも10人を喜ばすライブができるというシステムです。

これは10人のファンにとっても芸人にとってもウィンウィンです。
その10人にとってはその人が集客出来るか出来ないかなんか関係ありません。私は見たいのに集客がないという理由で今まで見れなかったものが見れます。
よしもとがアクリルスタンド出すよといっても人気芸人しか出しません。(タモンズは例外)
かと言ってファンが1人の芸人であってもそのファン1人はその芸人のアクリルスタンドが欲しいんです。
それが手に入るシステムがクラウドファンディングなんです。

要するにクラウドファンディングっていうのは受注生産出来るプラットフォームです。
リスクを最小限に商売出来るシステム。
グッズをリターンで出せば売れなくて残在庫を抱えるリスクを払拭出来るし、チケットを売れば必要に応じた箱を借りてやることが出来る。そして支援金でチケットが売れなくてもA+B+Cに悩むことはない。

今までの単独ライブはだいたいの予想で会場を決めて、だいたいの予想でグッズを用意してだいたいの集客でA+B+Cの予算を捻出する今までのシステムの極めてリスクを低くした形です。

なのでこれを生活費にあてるなは今までのチケット代やグッズの売り上げを生活費あてていた過去を否定することと同じです。

安部が言っていたバイトをしなくていいようにって言うのはただ単に楽してファンの方から生活費を捻出したろうとかそんな意図は全くありません。
そんなやつじゃないですよね、だって。

面白い芸人がやめる理由はほとんどが金です。
金がなくてバイトに追われてやめていくのがだいたいの流れです。
逆に言うとそれさえ防げれば芸人続けれます。
最低限の収入があれば、錦鯉さんが優勝していつ日の目を見るか本当にわからない持久力戦の形相を呈してきた昨今のお笑い界、やめなければチャンスのある才能ある若手がやめなくてすみます。
その芸人が吉本興業がライブ芸人に求める集客が100人として80人しかいなかったら、今までなら出演機会は減っていきライブでは食えずにバイトに追われることになります。
なぜなら今までは全員が同じ額しかお金を出せずに集客80人の芸人は集客100人の芸人の売り上げは叩き出せないからです。
でもクラウドファンディングを使えばその80人の中から、私は大好きだもっと払いたいって人がお金を払って20人足りない分を補填したら、吉本興業も80人しかいなくても100人分の売り上げが担保出来るとみなして、ライブ芸人として生きていくことを許してくれます。
これが仮に1人でも吉本興業が求める100人分の売り上げが担保出来るのならやっていけるシステム、その可能性があるシステムこそがクラウドファンディングなのです。
ファンの人の前に立てる機会がファン100人いなくても得れるんです。

クラウドファンディングってのは外野の人間に対してのことじゃないんです。
ファンの人へ向けたことなんです。
どうしてもお笑いといっても仕事なんで、売り上げや生活がかかってきます。
なんてたってダイレクト課金100%でやってる芸人なので。
広告費でやってる芸人は外野の人の声も必要です。外野でもスポンサーは見てほしいのでね。
ダイレクト課金の芸人は外野の意見なんて全く関係ないです。
チケット売ることもクラファンで支援してもらうこともダイレクト課金で生きる芸人です。

だから僕はクラウドファンディングで面白い芸人がやめずにすんだら嬉しいですと中西さんにお伝えしました。

長なってしまいまして申し訳ありません。

それでも違うと思われたら仕方ないです。
これが僕の思うクラウドファンディングです。

あと1日でタモンズ初のクラウドファンディングも終わります。
もし僕の考えに賛同してくれる方がいらっしゃったらご検討ください。
よろしくお願いします。

あともう一つ。
DM等で説明した方もいるかと思いますが、ランチと打ち上げのリターンがコロナの影響で中止になりました。
全額返金対応させいただきます。
楽しみにしてくれてた支援してくれたファンの皆さん本当に申し訳ありません。
せつりさんともみんなが喜ぶようなご飯とか打ち合わせしてたんですけど、ほんと残念です。
清水園の美味しいご飯食べてもらいたかったんですがまたコロナに打ち負けました。
次回の詩芸でも今回と同じランチと打ち上げのリターン出して今回買ってくれた方も買えなかった方も参加できるようにしたいです。
詩芸のオチのもうええわはコロナに向けて言いますね。

さぁタモンズライブ詩芸まであと1週間。
コント単独ぶりに公園で練習してます。
中堅も公園でやるんですね。
知らなかったよ。

3月5日タモンズライブ詩芸
大宮ラクーン劇場
17時から

チケットはファニーチケットより買えます。大宮ラクーンの劇場HPからも飛べます。
見に来てください。

では当日大宮でお会いしましょう。さようなら。

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