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FLYDAY CIRCUS



2024年4月21日はsumikaのライブツアー「FLYDAY CIRCUS」のファイナルの日でした。

約1年前、あの横浜スタジアムで終演後発表された日から遥か先のことのように感じていた日がついに来てしまった。
こんな先のライブの予定ができるなんて初めてのことでチケットはいただけたものの、本当にこの日が来るのだろうかと不安に似た実感のなさがありました。
そんな思いがあってもsumikaは今日のファイナルまで、怒涛の日々を走り抜けてくれました。

ついに来てしまったんだなぁ。

安堵感や労いもたくさんありますが、終わってしまう寂しさがなんともいえなくて。

でもやっぱり一番はこのツアーを作り上げ、無事ファイナルを迎えたsumikaチームに心からの感謝を伝えたいです。



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ここからは大好きな「FLYDAY CIRCUS」の備忘録として、ライブの話をがっつり入れていきますので、まだ伏せたい方はここまででお願いします。


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少し個人的な話にはなってしまいますが、私は今回、高松、岡山、金沢、大阪2日間、横浜1日目と本当にたくさんのライブに参加させていただきました。
今年(この4月からの年)がラスト学生ということもあり、行けるものは全て行くをモットーに申し込ませていただきました。
参戦前は、そんなにたくさん行ってどうするの、という周囲の言葉に賛同することもありましたが、それは高松公演に参戦してからというもの、むしろ足りないという気持ちに変わりました。
ここまで思わせてくれるライブツアーは初めてでした。
新しい姿をたくさん見せてくれた今回のツアーは驚きの連続で、私の小さなキャパシティではその驚きに圧倒されて、1度ではしっかりとその他の感動を体感しきれないと思いました。
何度も行きたくなる中毒性と何度も行かなくては味わいきれない多彩性がこのツアーにはたくさんありました。



このような簡潔な言葉では収まりきらないので、セットリスト事に感想をぶつけていきます。

参戦させていただいた公演のことも触れていますが、終演後に書きなぐった当時のメモと僅かな記憶を頼りに書いているため、異なる情報があるおそれがあります。
それでも大丈夫というお優しい方は良ければお付き合いください。

長くなる予感がありますので、どうかで無理のないペースでお付き合いいただけると嬉しいです。




まず会場内に流れている、サーカスに使用されていそうなBGMがもう既にとっても楽しい。
ドキドキワクワクで会場に足を踏み入れると第一声でかわいいが出てきました。
サーカスにちなんだカラーやテント幕、ボールなどがあちらこちらに散らばっている。
もう既にこのツアーの遊び心が垣間見えます。
BGMだけでこのライブツアーの雰囲気がなんとなく想像出来てしまうような感覚があり、もう楽しいライブツアーになることは会場入って数秒で確信に変わりました。
視覚も聴覚ももうすっかりフラサカの世界に誘われていました。


もう既にある多幸感と期待と少しの緊張は、「ピカソからの宅急便」のイントロが数音流れた時に最高潮となりました。
ピカソが来た!と思ったら音は直ぐに単調なものとなり、

"タンタンタタン、タタンタタン…"

とまるで手拍子を煽るようなリズム。
耳に馴染んできたらそれに合わせて手を叩いていて、だんだんと会場の手拍子も合わさり大きくなる音。
それに合わさるように明るい楽しいInstrumentalが流れてきて照明も相まってついに始まる、と胸を高鳴らせる時間。

そして歓声と共に小川さんを筆頭にサポートメンバーの方、荒井さん、そして最後に我らがボーカル片岡さんが登場。
楽しそうに一緒に手を叩く姿に、このツアーは楽しいよと公言してくれているかの様でした。
片岡さんの一言があって会場もそれに呼応する。

さぁ、いよいよ始まる。



1、Starting Over

ドンッと始まるこの曲。
ここできたかぁ!と思いました。
作られたタイミングも相まってこの1年で色んな思いが乗せられてきたこの曲。
ここぞというタイミングで歌われてきたからこそ、このスタートは自分の中で予想していませんでした。
そういえば、始まりの曲に相応しすぎる曲だった。
この曲に不本意に込められた思いは終盤に持ってくることでより深いものになっていた気がします。
それが今回タイトルの意味如く開幕宣言の曲に使用された。
もしかしたら作成時、本来はこのように届けたかったのかもしれないと思い、1年越しにこの曲の本来の意味に気づけた気がします。
もうこの曲の勢いでボルテージはぶっちぎり。
会場の声出しもばっちり。
このツアーに相応しい始まり。





2.Lovers

「FLYDAY CIRCUSはじめまーす!」
そんな片岡さんの掛け声とともに始まった2曲目。
言わずもがな大好きですよね。
このイントロでしか得られないものがあると勝手に思ってます。
うわぁ、幸せ。
この曲を聞くといつもそう思うんですよね。
私はイントロの荒井さんがドラムを止める仕草が大好きです。
あちこち練り歩きながら楽しそうに歌う片岡さんにこちらの口角は上がりっぱなし。
サビの「ねぇ」に対して耳を傾けてくれるから言葉の通り聞いてくれているみたいで凄く嬉しい。
みんな大好きCメロ前の小川さんピアノタイム。
にっこにこしながらルンルンで近づく片岡さんがたまらないですよね。
小川さんも邪魔だの、腕にあたるだの、鍵盤が濡れるだの言ってますが、絶対喜んでますよね。
あんな色々されながら弾き切る小川さんの対応力には毎度あっぱれ。
隼ちゃんもわぁーって駆け寄って口開けて笑ってたなと思い出したり。
あの時間荒井さんは駆け寄れないものの、母のような眼差しで嬉しそうにしてるのも大好きです。

そういえば岡山では片岡さんがおがりんを羽交い締めしておがりんの断裂魔が響き渡ってました。
「ぎゃああああ」

総じて楽しいLovers。
これが2曲目とかもう最高じゃんこのツアー。



3.チェスターコパーポット

「FLYDAY CIRCUSにようこそ」
いきなり曲調が変わり、マイクスタンドをグンッと伸ばし立ち上がる小川さん。
「ヨーホー」とコールアンドレスポンスが始まる。
まさか、まさかこの掛け声は、とふつふつと予感を掻き立てる。
会場の声がざわつきが「ヨーホー」に変わって重なる。
それを聞いて片岡さんがよくフフっと笑っていたんですよね。ずるいです。

ここで驚いた事なのですが、
小川さんの声通り過ぎ。
ヨーホーの声量が図太くて、こんなに聞き取りやすいヨーホーないだろと思ってました。
その声質に呼応してか、会場も凄く声が出ていた気がします。
音程も発声しやすいものに考えられたのではないかと思われるヨーホーは最高すぎました。

そんな中始まったヨーホー改めて
「チェスターコパーポット」

個人的な話にはなりますが、私はこの曲が大好きなんです。
もうテンションぶち上がりですよね。
特に間奏のリードギターが大好きで上口さんが弾いてくれる音がまた痺れる。
その後の高速クラップ超楽しい。
また、AメロBメロのドラムが大好きでその音に合わせてのるのが最高。
2番Aメロで女性コーラスの声が響くと妖気的な雰囲気が更に増してもはや鳥肌が。
その後にまたヨーホーとなるのでこの曲は緩急が恐ろしいです。
ラスサビ前のピアノ、ギターソロも大好きで、上口さんのギターは回を重ねる事にアレンジが増していって鋭く痺れる音がものすごくかっこいいのにあまり表情に出さず余裕に弾くもんですから惚れちゃいますよね。

「高鳴る方へと 漕ぎ出して」の片岡さん好き他にもいますよね。
漕ぎ出して、でスキーのような漕ぐ動きをするんです。えぇ可愛い。
あんなに動いて声ブレないのどうしてでしょう。

最後に高速クラップで終わって、なんだかみんな息切れしてる。
それくらいテンションも息も上がる曲。
これをまさかの3曲目。
sumikaの体力どないなってるんですか。



4.The Flag Song

ふぅ、と息を整えていると、荒井さんとサポートメンバーのノナさんにスポットが当たります。
荒井さんとノナさんがドラムの叩き合い。
めっちゃくちゃかっこいい。
ノナさんに至っては立ちながら1つのドラムだけなのに、音が荒井さんに負けてない。
2人の音に整えていた息が止まってました。
見惚れていたらまさかの

「Yeah Yeah Yeah Yeah」

まぁ叫びましたよね。
もうぅ、と地団駄踏みたいくらい。
チェスターコパーポットが好きな人といったらご理解いただけると思いますが、当方フラソンも大好きです。
イントロのコーラス綺麗すぎませんか。
やっぱり女性コーラスの方がいると音の幅がまして雰囲気がまた変わりますよね。
大阪の時、2番が片岡さん歌いづらそうにしていて、この曲の音域の高さを改めて実感。
難しい曲作りすぎよ片岡さん。

その後のギターの掛け合い、ほんっとうに大好きなんです。
同じギタリストなのに音がまるで違う。
お互いを高め合うように引き上げるあの姿が大好きです。
もうなんというかかっこいい音と技術はもちろんのこと、音でその2人は通じあっているというか、表現が難しいですが、あの音の掛け合いをする2人にしか分からない空気があるのがたまらなく好きです。
二人にスポットライトは当たっているもののお互い向き合うわけでもなく、片岡さんがこの時少し体を(片岡さんから見て)右側に向けていたんですよね。
癖なのか、はたまた意識的にとった行動なのか分かりませんが、相棒のギターヒーローを探しているような、もはやこの時間に横を向くのが彼の中で当たり前になっている気がして、一人で泣いていました。

その後のまたまた荒井さんノナさんの音の掛け合い。
この時間にかっこいいが詰まりすぎてますね。
供給過多です。

あ、私全力で「中に出して」叫ぶタイプです。
この供給に負けないようにもはや当てつけみたいに叫んだら、ニヤッて笑いながら
「受け止めるから覚悟しろ」
なんて言われるのでもうぼろ負けです。
惨敗惨敗。はぁ、悔しい最高。



少しの間が空くと会場の皆さん察してか、メンバーの名前を呼ぶんですよね。
色んな方を色んな呼び名で読んでいて、なるほど、そんな呼び方もあるのかと一人感心してました。
大阪では小川さん人気が高くて、片岡さんが小川さんに挨拶やってみる?と振り、元気よく小川さんが挨拶したもののすぐに片岡さんにお返ししていたのは面白かったです。

そしてここでFLYDAY CIRCUSの由来を片岡さんが説明してくださりました。

(一言一句正確ではないのでニュアンスで失礼します。)

きっかけは、2020年のDaily's Lampに遡ります。
新型コロナウイルスが猛威を振るい、中止となってしまったツアー。
誰にも会えない、エンターテインメントが出来ないこの時片岡さんは戦後の焼け野原を連想したそうで。
戦後当時、エンターテインメント復興のためテントの中から再開したという話から、自分たちもテント中、サーカス小屋からライブを届けようと考えたのが、「Little Crown 2020」だったそうです。
初のオンラインライブでしたが、たくさんの試みも出来てライブ自体は満足の出来だった様ですが、オンラインという直接のやり取りがない環境が正直寂しかったと辛そうに話していました。
だからこそ、世の中がまた直接触れ合える環境になったとき、改めてサーカス小屋を作り、今度はそこに人を呼び込んでライブをしようとして作ったのがこの「FLYDAY CIRCUS」だそうです。

とっても素敵な話と同時に、片岡さんはあのオンラインライブからずっとあの日拭いきれなかったら寂しさをもっていたのだと思うと心がキュッとなりました。
無事開催出来て良かった。
素敵なツアーをありがとう。



5.ふっかつのじゅもん

"カッカッカッ"

この音で察した方々は素晴らしいですね。
このタイミングでこの曲とは、さっきのMCを聞いた後だと歓声が戻ったライブのふっかつを祝しての意味合いもとれると感じました。
「毒くらって〜」の始まり、なんだか聞こえ方がいつもと違うと思ったら小川さんがメロディラインを一緒に歌ってました。
(私の記憶が曖昧なのですが、アリーナ編からはこの構成だったと思いますが、ホールでは違った記憶も…。間違ってたらごめんなさい)

ここで一気に思い出される[roof session]。
まさかまさかの期待を胸に始まったふっかつのじゅもん。

「いくぞ、それそれ」
が最高に楽しい。
私この曲は特にベースライン大好きなんですよね。

1番終わり、片岡さんが「新しいことします」と言って何かと思えば、小川さんがハンドマイクを持って歌ってるではないですか。
[roof session]として急遽ボーカルを務めた小川さんを思い出して泣きそうになる。
あの時期のことも含めてこうやってsumikaは進んでいくのだと思うと、どこまでも素敵なチームです。
いやぁ、小川さんやっぱり上手い。
ずっとハモリしてたのに、急にバトンタッチして歌えるもんなんですか?
本当に多彩な人。
小川さんの存在はsumikaや片岡さんにとって身体的にも精神的にも、大きな支えになるのだろうと思いました。

この時片岡さんが荒井さんの近くにいってアイコンタクトをとったりドラムを見たりしていて珍しい光景を見ることも出来ました。
荒井さんも嬉しそうでなかなか見ることがない音楽上の2人の絡みにこちらも嬉しかったです。

そして、この曲で忘れられないのが、太郎さんとノナさんのコーラス隊が時にはスタッフさんも交えて、ソーラン節をしたり、パワーを飛ばす振りをしていたり、なんとも微笑ましい場面もありました。



その後にくるギターソロ。
この1年でたくさんの変化を重ねてきたこの部分は片岡さんが前半、小川さんがピアノで後半という形で弾ききってくれました。
ここで泣かないわけがないですよね。
ここは、ここだけはメンバーが弾き継いでくれる。
色んな感情になるけど、感謝が1番大きい。
またこの曲への思いが増しました。
ありがとうございます。



6.MAGIC

小川さんの柔らかなピアノで奏でられる時間。
さっきまでボーカリストだったのに、1つ呼吸をおけばピアニストに戻っている。
この人は本当にすごい。
紡がれる音が個人的に凄く好きだったのでこんな感じの曲作っていただけませんかね。
と聞き惚れていたら、

「パッてなるから グッてなるから」

まさかの「MAGIC」
これも私の大好きな曲。
聞けて嬉しい、と騒いでいたら本当に驚くことに数秒気づかなかったんです。
小川さんが歌ってることに。

え、ピアノソロの時から小川さんのことずっと見てたよ。
なんですぐに気づかないかな。
自分でも不思議なのですが、気づいた時は驚きまくっていたのに、気づくまではなんだか凄く自然で。
小川さんがボーカルをすることに自分の中で違和感というか抵抗というか(なんともいい表現が見つからなくてすみません)が圧倒的に少なくなっているのだと感じました。

だからきっと気づいた時の驚きは
小川さんが歌ってる、より
「MAGIC」を小川さんが歌ってる、
に近かったのだと思います。

小川さんのMAGICは、片岡さんよりもパワフルで元気で、
物に例えるなら
片岡さんがメリーゴーランドやパレードで、
小川さんはジェットコースターのような
そんなまた違った楽しさがありました。
(そもそも私のMAGICのイメージが遊園地なんです…)

小川さんの声の伸び、声量には毎度驚かされるのですが、MAGICのような明るくテンポが早い曲は特にそれが際立っていていつもと違う雰囲気のMAGICは最高に楽しかったです。

小川さんがハンドマイクでステージを歩き回ってくれたのですが、
その間片岡さんは小川さんのピアノの椅子に座ってアコースティックギターを弾くという珍しい光景が。
その姿がその、すごく好きでした。

荒井さんが曲中のどこかでスティック回しながら叩いているのがかっこよくて見惚れました。

1番終わりの間奏でピアノがメロディーを弾く時間、Georgeさんがシンセサイザーで弾いてくれたのも新鮮で面白かったです。
ホールではステージと客席の距離が近かったため、小川さんが目の前の方とコンタクトを取っていて自分ではなくGeorgeさんを見ろと眼圧をかけていたのが余計に面白かったです。あなたが面白いから見ちゃうんですよ。



7.マシロ/グライダースライダー

2つ曲名を書かせていただいているのですが、これはマシロはホール編で、グライダースライダーはアリーナ編でセットリストに入ったものです。

まずはホール編のマシロから。
「新曲やります」という片岡さんの言葉から始まったのはこの時の最新曲「マシロ」。
ハンドマイクでステージを移動する片岡さん。
マシロの時はいつも以上に往復している気がして終始動き回っている姿が可愛かったです。
以前音楽番組で披露した時されていた、
「なんだね なんなんだね」の振りは意外にも片岡さんはあまりやっていなかった印象。
その代わり小川さんがやってました。
よく見てるんですね、片岡さんのこと。
音源のゲーム感あるマシロも好きですが、
ライブのバンドメインのマシロも大好きです。


続いてアリーナ編のグライダースライダー。
この曲の前にドラムの時間があったのですが、大阪で初めて聞いた時、
ホールではこんな演出なかったぞ、
と自分の記憶をフル回転させながら、次の展開を必死に模索する。
かっこいいドラムにワクワクしていたら、片岡さんのギターが響く。
まさかまさかのグライダースライダー。
アリーナ編でセットリストを変えてくるかなと予想はしていたものの、ここでこれを入れてくるか。
最高すぎる。この疾走感がたまらない。
走り出しそうなテンポなのに、2番やラスサビで急にテンポを落とす奇想天外さもこの曲の魅力だと思ってます。




8.Babel

暗転しながらもメンバーが減っていく様子が伺えて、あのinstがかかって、次の曲の予測がたったもののsumikaのここで来るかには全く慣れません。

もう自分の中で展開が読めている中、あの低音のイントロが流れる。
心の中で叫びまくってます。
読めてたはずなのに。
この曲は何回聞いても、展開が読めててもこうなりますよね。
演出含めかっこよすぎるんですもん。
少しエフェクトかかった声がたまらない。
片岡さんの声って疾走感ある曲にももちろん合いますが、Babelのようなしっとりとした陰を纏う曲にも合うから本当にすごい。
いつもBabelは聞き入っちゃうんですよね。

と思っていたらサビ。
ドラムセットから徐ろに立ち上がった荒井さん。
手にはサックス。
きたぁー!といつの間にかガッツポーズしてました。
初めて聞いたあの[roof session]の時より格段に上手くなってませんか。
この短期間でこのハードスケジュールでどれだけの時間、サックスと向き合ってきたのか。
想像しきれない並ならぬ努力には頭が上がりません。

Babelの演出がかっこいいと先程ポロッと言ったのですが、特に照明がかっこよすぎるんです。
音と仕草と展開に合わせて変わる照明はまるで片岡さんが操っているようで。
Babelの片岡さんって独特の空気感に変わりますよね。
ダークだけど儚さもあるような、表現が本当に難しいんですが、それに毎度息が詰まります。

ラスサビ前の間奏がいつもより長くて、その延長された部分で荒井さんがサックスを弾いてくれるんです。
いつもはドラムという音の土台を支える役割をしてくだいますが、サックスを持って片岡さんよりも前にでて力強く吹く様子が圧倒的に主人公で。
この人が前に出てきたら強い、と圧倒されました。

この時Georgeさん、片岡さん、荒井さんの順で一直線になるのですが、
ぴあアリ初日では荒井さんが吹き終わるほんの数秒前、
片岡さんが口元に人差し指を当ててニヤってしてたんです。
ぶち抜かれました。
荒井さんには気づかれないように、でもすぐ後ろで内緒の約束を一瞬でされた気持ちになりました。
この人どこまでもずるい。もう悔しい。

「貴様の命乞いもどうせフェイント」好きな勢は共に手を取って戦いましょう。



Babelに打ちひしがれ呆然としていたら、いつの間にかステージ上のメンバーが静かに入れ替わっており、ライトアップされると、
ホール編ではベースの須藤さん、荒井さん、片岡さんの3人、
アリーナ編ではベースの井嶋さん、ホーン隊のうちのお一人(大阪では村上さんだったのは覚えているのですが、村上さん不在のぴあアリ初日ではどなただったか覚えておらず、名前が載せられなくてすみません…)、そして荒井さん、片岡さんの4人がステージ上にいました。

荒井さんが毎度話初めていたのですが、その話し始めが
「どうも〜」や「ありがとうございます〜」
などゆるーく始まるものばかりで。
さっきまでいかつくサックス吹いてましたよね!?
とギャップにやられておりました。
その時に拍手とともに「荒井さーん」「バローン」と荒井さんを呼ぶ声も多く、それにタジタジになってる荒井さんがとっても愛おしかったです。
もう、だからギャップ!!

荒井さんが珍しくその場のMCをされるのですが、その間片岡さんはというと、
水分補給をされてたり(いつものストローからではなくタンブラーにて)、
リップを塗ったり、目薬さしたり、
完全休憩タイムにされていました。
ツアーの序盤は「俺が喋ってる時に」と荒井さんも軽くつっこんでいましたが、
次第に放置するようになり、
仕舞いには「健太もう大丈夫?」
と気遣う様子まで。
寛大すぎる。

それに対して、
「まだ」
と意地悪に返す片岡さん。
くぅ、何歳ですか。

それに素直に荒井さんはまた場を繋ごうとするもんだから、もうお父さんですよね。
いや、後ろのわきゃわきゃ楽しそうな井嶋さんも入れたら荒井さんはもはや校長先生みたいな。
皆さん荒井さんを困らせるの大好きですからね。
私も好きです。ごめんなさい。



9.New World

さてさて準備も整いましたということで、片岡さんがアコースティックギターを背負ったのを見て、
荒井さんの見事なドラム裁きから始まります。
(またギャップだって…)

それから一定のリズムに変わると片岡さんのギターがそれに加わります。
アコースティックにジャズのような独特のエフェクトがかかった音が渋くてかっこいい。
ドラムとベースとギターのメロディ、

これは「Strawberry Field」だ

と思った方々たくさんいらっしゃいますよね。
私も完全に騙されました。

香川の日はこの時に、
「絶対思ってるのとは違うから」
とニヤッと笑ったから一瞬「?」が浮かびますが、
次の歌詞からそれが「!?」に変わります。

イントロは確実にStrawberry Fieldだったのに、
歌い出したのは「安定 くだらねぇ」

「New World!??」

と叫びたくなったのは私だけではないでしょう。
これは聞かないとイメージが出来ないかもですが、それからも
ドラム、ベースはStrawberry Fieldのラインで
歌詞がNew Worldという
記憶がバグる現象が起こります。

でもすっごくかっこいい。
ジャズ風のNew Worldという表現が近いかもしれませんが、そんな言葉では片付けられないほど細部までアレンジがされており、
そもそも違う曲のベースを使って、また違う曲に合わせるなんてそんなことできるんですか。音楽的センスが全くない私には不思議でたまりませんが、このアレンジのNew Worldも最高でした。

原曲の強く吐き捨てるような曲調とはまた違って、ねっとりと相手を締め上げるようなそんなイメージがありました(表現悪)。

そして、2番Aメロ終わりの間奏では、
ステージ上のメンバー一人一人のソロタイムが始まります。

ホーン隊→ギター→ベース→ドラム

の順でスポットライトが当たるのですが、
ドラムの時だけ荒井さんにはスポットが当たらず薄暗いままだったのですが、明るいんですよね。
なぜが明るいのかと言うと、光ってるんですよね。
荒井さんの周囲が。

ホール編ではまずドラムスティックが光っていました。
スティックが光ることで荒井さんの手数の多さをより理解することができ、
そのスティック裁きに驚くと同時に、
スティックを光らせるというユーモアさのギャップにやられていました。

ホール編ではドラムタイムでバスドラムのみを叩き、スティックは上に上げてフリフリするなんとも可愛らしい時間もありました。

ここで先程、まず、と言ったのには理由がありまして。
この光り物、段階があるんです。
ホール編ではおそらくスティックだけだったのですが、
アリーナ編大阪1日目にはスティックのみならず、
ドラムセットまで光りだしました。
これにはみんな大歓声。
荒井さんの番では無い時間はライトが当たらないのに、その時間もずっと光ってるから荒井さんの存在感には笑いました。
まさかアリーナ編でここまでゴージャスにしてくるとは…、と思っていたら

大阪2日目、次もまた新たに光り物が増えました。
それがなんと、片岡さんのギターストラップ。
まさかまさかでした。
それって光らせることできるの!?と衝撃でした。

そして更にはぴあアリ初日、ここまでの光り物もちろん全部光ります。
それに加え、片岡さんが自分の時間の時、ハーモニカを取り出して吹いていました。
もうユーモア全開。
楽しすぎるコーナーになっていました。

New Worldの「粋・筋・義理」大好きです。



そして続いてステージ上に登場したのは、
ギター上口さん、シンセサイザーGeorgeさん、コーラス隊ノナさん、三浦太郎さん、アリーナ編ではともかさん、そして小川さんの後半チーム。

「前半チームに大きな拍手を」
といって湧き上がる拍手に両手を手を上げる小川さん。
その手を上げ下げするのを見て、会場は拍手のボリュームを調節する。
右手、左手と煽ったら掲げた側の拍手が沸き起こる。
すっごく楽しい。
会場のノリの良さもそうですが、
小川さんは会場を盛り上げる天才だと思いました。
手もそうなのですが、表情が豊かすぎてずっと笑ってました。

終わったと思ったら急にまた拍手を、煽って「油断したなぁ」と笑う。
小川さんもめちゃくちゃ楽しんでますよね。

「前半チームがスピーディで攻撃的な曲を持ってきたということもあって、我々後半チームはゆったりとした楽曲を用意してきました」
と言って、会場に着席を促す小川さん。
「では、私も座らせていただきます」
と言いながらゆっくりゆっくりと座り、
仕舞いには「あぁ」としゃがれ声。
おじいちゃんじゃないですか。
この人は何しても面白いからずるいですよね。

ピアノの手元にカメラがあるのですが、ぴあアリではそのカメラに向かって目を見開いてアピールしてきたと思ったら
ゆっくりと左手を開き、そこには
「ありがとう」の文字。
ほんっとずるい。



10.Simple

小川さんのピアノ、声から始まり、コーラス隊がハモリを入れる。
的確に気持ちがいい音をポンとはめてくるコーラス隊が強すぎる。
すると、ピアノのメロディとシンセから聞こえる水流のような透明感のある音。
覚えのあるメロディなのに上手く記憶に結び付けられなくて。

「心ない言葉に 心あることに疲れた」
歌い出しを聞いてようやく理解しました。

さっきまであんなにユーモアたっぷりだった人とは思えないほど繊細に優しく歌う小川さんの声に思わず息を飲んでしまいました。
ドラムやベースがいない分、高音でアレンジされたこのSimpleは原曲の疾走感ある爽やかさとはまた違って、
息をするのを忘れてしまうほどの神秘的な声と音の集まりで、
すぐ近くで静かに背中をさすってくれるようなそんな柔らかい印象でした。

音の数を最小限にすることでコーラスを引き立てていて、特に小川さんとコーラスが合わさった時になんだか吸い込まれてしまいそうで、自然と涙が溢れました。
(私はこの曲で参戦した6回とも全て泣きました)
綺麗すぎて泣くという初めての経験をしました。

小川さん含め、この人たちがコーラスを務めるsumikaは強すぎませんか。
改めてコーラス隊の技量を身に染みて感じました。
音源欲しいです、お願いします。



11.ゴーストライター

小川さんのピアノが穏やかな空気を作る時間。
Simpleで涙腺緩んでから、小川さんのピアノ聞くとさらに泣けるんですよね。
本当に優しく弾くから心が浄化される。
小川さんのピアノに聞き惚れていたら、いつの間にかステージ上には荒井さん、片岡さん、小川さんの3人だけ。

そのままの流れでゴーストライターのイントロが始まる。
またまた個人的な話ですが、私sumikaのバラード曲の中でゴーストライターが1番好きなんです。
ここできたか、とグッとなりました。

大好きなイントロが流れて、また涙がスっと流れました。
片岡さんの声をなんだか久しぶりに聞いた感覚になって、やっぱりこの人の声でしか味わえない安心感があるなぁとしみじみ。

小川さんが伴奏をする時、片岡さんのその日のタイミングに合わせて弾く様子がとっても好きで、小川さんは片岡さんをよく見るのに、片岡さんは小川さんのことあまり見ないんですよね。
自分の世界に入ってるというか。
きっとそこには小川さんに対する絶対的な信頼があってのことだと思います。
その関係性が私は大好きです。

2番終わり、荒井さんが立ち上がったと思えば、サックスを吹いているでは無いですか。
優しくスポットライトが当たって、小川さんの温かいピアノの中、
先程のBabelでは力強く吹いていたのに、この時は凄く優しく柔らかく吹いていたんです。
小川さんのピアノに片岡さんの声に溶け込むように吹く。
それがまた泣かせてくる。
凄くいいバランス。とっても心地いい。


「いつの日か私にもその痛みを教えて」
大阪2日目。
片岡さんの声の調子があまり良くなかったんですよね。
それが1番現れていたのが個人的にゴーストライターかなと記憶しています。

叫ぶように歌う姿が私には少し痛々しく思えてしまって。
声を一音出す度に喉をすり減らしている気がして、命を削っているように見えて、儚さとは違う、恐怖心すら感じました。
きっとこんな風に思って欲しくはないのでしょうが、やっぱりどうしても拭いきれない不安があって。

片岡さんは人の痛みを自分の痛みのように感じる人だけど、きっと自分の痛みは人に話さず、一人で耐える人な気がしています。
片岡さんは嫌がるかもしれないけれど、
私もあなたの痛みが知りたいと思っています。
そんな気持ちがどうか少しでも届いてくれと思いながらこの歌に願いを込めて聞いていました。



MC

話の話題はまず、先程の編成変えに関してが多かったです。

ツアーの途中から、
前半、後半チームと呼んでいましたが、
2公演目の香川では
前半を黒、後半を白チームと呼んでいました。それに関して小川さんが前半の黒を腹黒の黒だと言って片岡さんにボコされていました。

岡山では、岡山にちなんで
前半を犬、猿、キジと呼び、
後半を鬼と呼んでいる時もありました。

大阪2日目では、前半チームの光り物の話題に。
前日に荒井さんがドラムセットを光らせたのを羨ましく思い、今日は自分もと片岡さんはストラップを光らせたそうです。
5歳児ですね。
「俺だって光れるんだぜ」


MCでは片岡さんの話にゲラゲラ笑う小川さん、そこを軌道修正する荒井さんという構図が大変好きで、ずっと聞いていられる。

大阪2日目で話していた何年も前のお花見で荒井さんが記憶ないくらいベロベロになっている時に片岡さんのことを褒めちぎっていた話は最高でしたね。
片岡さん凄く嬉しかったみたいですが、荒井さんのこと友達の家に置き去りにしたそうです。



12.言葉と心

編成変えシリーズ最後の曲。
「言葉にしてしまえば、なんだか違う気がして心の中の思いとのすれ違いを感じてしまう。なかなかもどかしいけれど、それでも言葉にしていきたい。」
そんな片岡さんの言葉から始まったこの曲。
3人だけのメンバーだけの一曲。
ドラム、アコギ、ピアノ。
とても単調かもしれないけれど、しっかりと厚みがあって落ち着く音。
今のsumikaが3人が奏でる音はこの音なのだと強く実感しました。
一人一人の音がしっかりと聞こえてきてよく映える。
ここに大好きなギターの音があったらどのような曲になっていただろうか。
想像だけに留めて、今は彼らの作る音を誠心誠意聞き入りました。

この曲最後の「大事な君と」の部分
その後に続く歌詞を歌う前に、片岡さんは言葉をつまらせ、首を横に振り、前を向き直し
「大事な あなたと 向き合いたいのです」
そう言い直してくれました。、
あなたと、と言われたことで一気に当事者の気持ちに。
これはきっと、今まで何度も「あなた」という人称で片岡さんだからこそできた魔法だと思います。


Ten to Tenで教えてくれた片岡さんの言葉が脳裏に過ぎる。
「透明な箱に心を込めて言葉で飛ばす」

この音と一緒にきっと近くでニコニコ聞いているであろう彼に飛ばしてみる。

"ずっとずっと大好きです。"

箱いっぱいに詰め込んだこの思いがsumikaの音と一緒に届いてくれていたら嬉しいな。



あまりにも長くなってしまったため、一度ここで区切らせていただきます。
まさかここまで長くなるとは自分でも思っておらず、自分でも長すぎる、と反省してしまうほどです。
ここまでお付き合いしていただいた優しすぎるお方はいらっしゃいますでしょうか。
本当にありがとうございます。

ここからのセットリストにも思いがたくさんありますので、少しずつ書き留めて行こうと思います。
もしお付き合いいただける方がいらっしゃいましたらこの上ない光栄です。

ここまでお付き合いくださりありがとうございました。
それでは、また。


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