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マインクラフトで「道」をつくる醍醐味

自分は素人ながらマインクラフトが好きでちょくちょく遊んでいます。何が楽しくてやっているのかというと、別に特に建築が好きだったり,レッドストーン回路を組んだりするのが好きだったりするわけではなく,「道」をつくるために遊んでいます.

マインクラフトをサバイバルモードでやると,夜になると,暗闇の中から魔物がぞくぞく湧いてきます.だからモンスターに襲われないために,松明やランタンなどの灯りを置いて,周囲を明るくする必要があります.

マインクラフトをしばらく遊んでいると,自分が活動の拠点にする場所がだんだん「街」のようになってきます.「街」は塀や柵で囲われ,その内は光で満ちて,夜でもモンスターが湧かず安全になります.最初は原野だったところに,安全な大きな「街」をつくるのはなかなか達成感があります.

しかし個人的にマインクラフトをやっていて,一番自分がフェチを感じるところは,「街」よりも「道」をつくるところにあります.マインクラフトの世界はフィールドが無限に続いて,基本的にどこまで行っても大自然です.そんな大自然の中を夜に歩いていると,暗闇から湧いてきた大量のモンスターに襲われて大変危険です.そんな大自然を歩く上での道しるべとなる人工物が「道」ということになります.

それでこの記事で述べたい自分のマインクラフトをやるモチベーションの話なのですが,二つの安全な「街」をつくって,その間に素敵な「道」をつくることが好きです(この話を他人にするとすごいマニアックと言われるのですが).

「道」,それは最低限の照明,最低限のモンスターの接近を防ぐ柵や木々,迷わないように踏み固められた地面などなど,「街」と比べると心もとないけど,旅人を最低限守ってくれる人工的な環境を提供してくれる存在といえます.下記の動画は,以前,自分がマインクラフトつくった「道」の動画です.

「街」と違い,夜の「道」には一定の危険や不確実性が常に存在して,絶対的な安全は保障していません.夜の「道」で足を止めてしまうと,モンスターに襲われてしまいます.しかし安全な街に挟まれて,「道」が存在していることによって,それがある種,人工的な世界と自然の世界との間のインターフェースとして機能します.そしてこのような「道」を歩くことによって初めて,人間は人工的な世界の外側にある異質な自然にその眼差しを向けることが可能になります.このような眼差しこそ,創造性の源となる不安と好奇心を刺激してくれます.このような刺激は,安全な「街」では決して得られない,人間の本来的な欲求なのではないかと私は考えます.

人間が「道」のような人工物の助けを借りずに自然と向き合おうとすると,圧倒的な暗闇がもたらす恐怖に押しつぶされ,結果的には周囲の自然に眼差しを向けることができなくなります.逆にガチガチに舗装され,安全が十分に保障された「道」も,我々が自然に向ける眼差しを弱めてしまいます.人間の心は受容可能なノイズの量が決まっており,その量を適切に調整する機能を担っているのが「道」なのではないかと私は考えます.この話は別にマインクラフトに限るものではなく,現実の山道を歩いていても,登山道に最小限の人工物(ロープや看板など)があるからこそ,我々は登山におけるスリルを楽しめるのではないかと思います.一番適切なハラハラドキドキを味わえる「道」をつくるところに自分はフェチを感じて,マインクラフトを遊んでいるわけです.

私が思う「道」の要求仕様は,完全に安全な人工的に閉じている「街」に挟まれていること,「道」自体は完全に安全ではなく,外の自然との間に多くの穴が開いており,人工と自然が連続的に接続していること,この二点になります.こんな「道」をつくる楽しさにもとづいてマインクラフトをやっている人は他におられるでしょうか?笑

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