おとしだま

2019年になりました。すっかり未来ですね!それでなんとなく今年から思いついたことを徒然と文章にしてみようかなと思い立ちました。(3日坊主で終わる可能性が大ですが・・・汗)

月にいかれる予定の社長さんがお正月にとても景気の良い企画をツイッター上で展開してくださいました!社長さんのツイッターをフォローしてリツイート(拡散)すると100万円のお年玉を100人に配るというもの(総額1億円!)。

自分はこの呟きをみた瞬間、それまで全く興味が無かったその社長さんのツイッターアカウントを反応時間500ミリ秒でフォローしてリツイートをしました!なんとなく人間の性(さが)として「100人」って、なんだかちょっと当たりそうと思わせてくれる魅力的な数字です。さらに100万円って頭の中に「南国の海」や「高級焼肉」がプカプカ浮かんでくるくらい楽し気な金額でもあります。社長さん、正月から夢をくれてありがとう!!、みたいな気分になりました。

そんで昨晩から奇跡的に僕以外のみんながこの数日たまたまツイッターを見ないで、あまりリツイートがされなきゃいいのに、と身勝手なことをワクワクしながら考えていたのですが、現実はそう甘くはなく、翌日には結局ツイッター史上最大のリツイート数になられたということです。1億円の見返りの宣伝効果としてはもしかしたら社長さん、ウハウハなんじゃないか、みたいな事態になっています。

そして社長さんのツイッターには「自分はこの100万で〇〇という夢を叶える!」、「自分の家族が不幸だから100万円必要だ!」という系の阿鼻叫喚のコメントが軒を連ね、この社長さんの真似をした別の社長さんが同じ企画をしたり、社長さんの偽物が現れたりと大混乱しています。中には自動的にツイッターのアカウントを作成して、社長さんをフォローするプログラムを作成する強者まであらわれる始末!

なんとなくそんな事態をみていると、宮崎駿監督の「千と千尋の神隠し」の有名な一シーンが思い出されました。他人からの承認が無ければ自分を維持できない「カオナシ」と呼ばれる妖怪(なのか?)が、偽物の金をばらまいて、それに色々な人々が群がるシーンです。カオナシは主人公の千尋にも欲しいものをなんでもやろう、と言うのですが、そこで千尋が言い放つ「私が欲しい物はあなたには絶対出せない」という台詞のかっこいいこと、かっこいいこと。昔から大好きな宮崎アニメの一シーンです。カオナシが提供する偽金に無思考に群がる人々に対して凛とした姿勢を貫く千尋を映画館でみた若いころの自分は、ああ大衆は愚かだ、千尋のようにならなければ、と思いを強くしたわけです。

さて社長さんのおとしだま騒動ですが、一瞬だけこのカオナシ騒動を思い出してしまいましたが,すぐに「自分が払ったコストはフォローしてリツイートした5秒だけ、別に自分は何も失っていない」、「投資金額がゼロ円であれば期待値はプラスになるので功利主義的にも自分の行動は正しい」、「あくまでもメタ的に楽しんでいるだけで自分の誇りを売り渡したわけではない!」、「やらない善より、やる偽善!この社長は正しい!」などなど、千尋とは全く真逆の自分の行動を正当化する”美しい”言い訳が頭の中にぐるぐるまわります。そしてなんとなく社長さんから100万円当選のメールが来たりしないのかなと、一日中ソワソワしているどこまでも小物な自分なのでした。情けなや・・・。

P.S.
ちなみに当たる確率を試算するとなんと「東京でタヌキをみる確率(!?)」並みのようですね!東京都町田市には「タヌキトンネル」があるが。
https://twitter.com/jintans0924/status/1081795023899844609

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