見出し画像

自由研究 〜中日ドラゴンズ1試合観客数損益分岐点の推定 part.1〜

注意事項のご案内

上司「ポチくん、ちょっと。」
ポチ「はい。」
上司「次のプロジェクトの件だが…。自由にやってくれ。」
ポチ「はい。わかり….え?今なんと?」

作り話だ。

もしこんな提案を受けたら。
やりがいなんかより遥かに重い責任感に苛まれるに違いないだろう。

自由研究のネタに困っていた子どもの頃の自分に教えたい。

「自由にやれるのなんて、今のうちだけだぞ?」


1. きっかけとなるできごと

柳くんの快進撃、守護神の負けを消す劇的サヨナラに、ファンは沸いた。

良い流れだ。早く次の試合を。
期待感は虚しく、台風は催行を中止させた。
いま思うと、その後に待ち受ける地獄のような連敗など、この時は想像だにしな・・・(やめておこう)

そんな折、ふと気になった。
1試合の収支で見た時に観客は何人入ればプラスになる(=ペイできる)のか?
推測交じりでも、検討してみたくなった。

誤解のないよう大事なことだから言っておく。
僕は決して、中日ドラゴンズ球団が利益優先で催行を遅くまで引っ張ったという仮説を検証するために、損益分岐点を算出するのではない。
そもそもの事実が違う。
中止を決めたのはドラゴンズ球団ではない。NPBである。

2. 損益分岐点とは?

檜風呂屋を例に用いて説明しよう。

・価格30万円の檜風呂を売れば売るほど売上げはupする!
・でもお店を経営するための総費用(経費)もかかるよね…。
・じゃあ、何個の檜風呂を売れば利益が出るのかな?

それを表すのが下にあるグラフであり、損益分岐点である。
10据えの檜風呂を売ると、収支がプラマイゼロになる(=ペイできる)。

数学的に言うと、
y=10x+100 と y=30x の交点Dが損益分岐点である。
(中学の数学は案外と、社会で役に立つのだ。)

損益分岐点の説明用事例

これをドラゴンズの観客動員にあてはめてみるとこうなる。

ドラゴンズの1試合当たり損益分岐点のアウトプットイメージ

上図における損益分岐点、
すなわち1試合で収支がプラマイゼロになる"観客数"を出してみたくなった。
どうだ、変な人だろう、僕は。笑

やはりファンたるもの、球団にお金を落としたい(と僕は思うけど、そう思わなくても全く結構)。
そのためにもどれだけお客さんが入れば最低ラインなのか知りたくなった。

3. 1試合あたりの売上げを考える

売上げの要素として洗い出したのは次の7つである。

  1. チケットの販売による売上げ

  2. ファンクラブ会費

  3. 公式グッズの販売

  4. ユニフォーム広告の契約料

  5. ゲームスポンサー契約料

  6. 放映権の販売

(他にもありますかね?思いついたらX(Twitter)のリプやNoteのコメントで教えていただけると嬉しいです!)

3-1. チケットの販売による売上げ

次に示す手順で作業を実施した。
(簡単に書いたけど。こんなことやったことある人、いるのかな?笑)

まず、席種を全部洗い出した(表の1列目の席種)。
そして①~⑩の検討を実施した。
 ①シーズンシートの販売があるかどうか [ある or 無い]
 ②総座席数の数え上げ [席]
 ③シーズンシートとして売られている席割合 [%]
 ④シーズンシートとして売った席数 [席]  = ②×③
 ⑤一般販売席数 [席]  = ②-④
 ⑥年間のシーズンシート価格 [円/席]
 ⑦1試合当たりのシーズンシート価格 [円/席] = ⑥÷72 (ホーム試合数)
 ⑧1試合当たりのシーズンシート売上げ [円]  =④×⑦
 ⑨一般販売価格 [円/席] ※スタンダード試合の非会員価格
 ⑩1試合当たりの一般発売の売上げ [円]  = ⑤×⑨

表1. バンテリンドームの各席種と単価の推測

②は情報が無かったので、席を選べる席種についてはMAPを用いて数え上げた。え?嘘だと思うでしょ?本当にやりました。笑
頭おかしいでしょ。笑

正直これは財産だなと思った上に、不正確な数字が1人歩きしては困るので、上記の生データには"ぼかし"を入れてマスクさせて頂きました。

内野Sブロック3塁側の席数を数え上げた例

docomo 5G プライムツインに関しては、導入時の新聞記事に席数が書いてあったので非常に助かった。

困ったのはレストランとプライムボックス、車椅子席。
これは仕方ないので、バンテリンドームの野球興行時の総席数から、自分で数えた分を引いて、なんとなしに割り振った。
ちなみに総席数は(株)ナゴヤドームが明らかにしている。
36,418席(2023年プロ野球時)

(知ってた?)

ここまで。
なんとなしに各種席が何席あるのかが見えてきた。
じゃあ、あとは一般販売の値段に観客数を掛け算して、売上げを縦軸、観客数を横軸にグラフを作ればいいね!

本当か?
シーズンシートという、既に売れている分があるんじゃないか?
というかシーズンシートの売上げを1試合当たりに換算したらいくら?
という疑問が浮かんだので、シーズンシート分と一般分を分けて考えることにした。

シーズンシートの年間契約金は下記の公式サイトから情報を取得できたので簡単だった。
しかし各席種のうちどれだけがシーズンシートとして販売されていてどれだけが一般販売に回るかが読めなかった。
なんとなしに、シーズンシートの販売状況(完売とか残り少し)という定性的な表現及び、「あれ?この席種、一般販売で売ってないぞ・・・?」という情報から推定した。

ちなみに分かったことだが、バンテリンドームの席にはシーズンシートで100%埋まる席種があることが分かった。
(※フィールドシートだけは、"ほぼ"100 %)

シーズンシートで100%埋まる席種一覧

経過を端折るが、推測を重ねた結果、私の試算ではシーズンシートとして1万席が売れて、残りの約2万6千席が一般販売に出回ると仮定した。

そこで次のような2ケースでそれぞれ、売上げの推定値がいくらになるのか棒グラフを作ってみた。
ケース1:シーズンシートのみ (=一般販売分が仮にゼロ枚)
ケース2:一般販売完売で満員御礼

観客動員ケースごとのチケット売上げ

しかしここまできても、前置きがつく。
スイートルームプライムワンの価格設定である。

みんなが1度は行ってみたい、スイートルーム。
みんなは行ったことある?僕は無いよ!

このシートは法人向けに販売されており、その年間契約数は機密で不明。

これが判明した時に、あきらめた。

「無理無理無理無理のカタツムリ(ヾノ・∀・`)ムリムリ 損益分岐点なんて、スイートルームの価格推測次第でいかようにも変わる数字遊びじゃないか!」

でもここまで来たので、仮説を唱えた。
・仮に年間1,500万の契約料とすると。
・1室10人入って72試合やると、1試合当たりの席単価は2万2千円/人。
・1Fで最も良いネット裏のエクセレントダイヤモンドシートの席単価が1万1千円/人くらいになりそうだから、倍と考えたらいい線?
(・もっと高いかな??)

ともあれ、上記の設定が仮に真だとすると。

棒グラフを見て私が驚いたことはいっぱいある。
 ・満員御礼だと2億弱くらいを1試合で売上げるのかぁ!
 ・一般販売で1億円くらい伸ばせるんだぁ!
 ・一般で伸ばしている席種は、内野S, A, B, パノラマAなんだぁ!
 ・つまり庶民のチケット購入の貢献度は割とあるんだなぁ!

すごく嬉しくなった。
僕(=庶民)が内野席とかパノラマAを買うことは球団にお金を落とす貢献への寄与度が大きいのか!

3-2. 分からないその他の売上げ

本当か??
前述したが、売上げは何もチケット代だけではない。

  1. チケットの販売による売上げ

  2. ファンクラブ会費

  3. 公式グッズの販売

  4. ユニフォーム広告の契約料

  5. ゲームスポンサー契約料

  6. 放映権の販売

たった一部であり、全体の中でどれくらいの売上げをチケット収益が占めるのかなんて、もうわからないよぉ(泣)
実は2番はファンクラブ会員数から計算できるし、4番と5番も他球団の公表しているデータから推測をしてみて、ある程度数字は出ている。

でも1番分からないのが6番だ。
いくら1番~5番を正確にしたところで、6番のバラツキで全部、ぶっ飛ぶ。数字遊びになる。

「無理無理無理無理のカタツムリ(ヾノ・∀・`)ムリムリ 損益分岐点なんて、放映権料の価格推測次第でいかようにも変わる数字遊びじゃないか!」
(再登場)

ここまでやった結果、そんな感覚に到達した。
本当に頭の良い人は「そんなんやるまでもないじゃん┐( ̄ヘ ̄)┌ ヤレヤレ」
なんて言うのかな・・・。溶けるね・・・。

3-3. それでもゴリ押しで推測

優しく聡明なフォロワーさんが参考記事を教えてくれた!

NPBの売上構成比は、入場料収入33%、スポンサー収入33%、物販収入15%、放映権収入15%、その他4%程度とされるのに対し、独立リーグは入場料収入7%、スポンサー収入63%、物販収入6%、放映権収入はほぼ0%、その他24%となっている(球団ごとに差はある)。

プロ野球「NPBと独立リーグ」収益源で決定的な差  東洋経済

チケット収入の絶対値をこれに当てはめちゃえ!!

そうしたらこうなりました。
算出した入場料収入の実際の値(それすら推測だけど)、これを推測の比率で他の項目に掛け算して絶対値を出した。

総売上(推測)

入場料収入の年間93億円を算出するにあたり前提として、"一般販売分"の1試合あたり売上げ割合を年平均したものを60 %として算出した。
これは下記データサイトの数字を用いて推定した。

2022年の観客動員数年間平均:25,459 人(※満員は36,418人)
シーズンチケットが1万席売れたと仮定すると、一般販売数の売れ行き(割合)は(26,418-15,459)/26,418の計算により、1試合平均60 %という結果になった。

さて、推測した結果分かった売上総額は250億であったが、
次の記事を読むとNPBは各球団、年商100億~200億円とある。

(こんなこたぁ言うのもなんだが、、、ドラゴンズにしては250億はちょっと多いから、計算間違えてるね(笑))

5. さてじゃあ支出は!?損益分岐点は!?

ここまで読んでくれてありがとうございます。
分かったよね??

僕はもう疲れた。笑
たぶん、やっても数字遊びになる。

今回の研究で分かったことは、

推定総売上250億円/年間のうち、50億円くらい(20 %)は一般販売のチケットが貢献している!
(※一般チケットが毎試合60 %売れると1試合で7,200万の売上げになる試算なので、それに72試合を掛けるとざっくり50 億になる。)

僕らが野球場に行くことは、割かし球団経営に20 %も貢献している!
僕らすごい!!!じゃん!!!

ポチ調べ、データの保証はしない

ということだ!
ポジティブに終わろう、嬉しいじゃないか!!

それに、"自由"研究なんだから!
途中で終わったって、自分がやりたいことをできる範囲でやって、楽しかったらそれでいいじゃない!!
(言い訳?はぁ?聞こえナーーい。)


子どもの僕とか、いまの子どもに、リマインド。
「自由にやれるのなんて、今のうちだけだぞ?」

もう1つ。
言っておこう。

「大人って時間ないぞ!金はあるけどな!」

Time is Money
時は金なり

よく言ったもんだと、その言葉の意味を再認識した。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?