神保町花月

私は神保町花月が大好きです。

地方に住む学生だった私は、東京に行くお金もなくただネットサーフィンで見つけたレポを読む日々。そんな事を数年も続けていたらそれは憧れとなり『いつか神保町花月へ行くんだ』という目標となった。そして社会人になり自由に使えるお金を手にした私は、2015年7月初めて御茶ノ水駅に降り立ったのだ。そこで見たのが

愛運ぶ愛彩る愛映す

8周年記念公演。私を若手沼へ引きずり込んだ公演であり神田神保町へ通うきっかけになった公演。

そこから行きたいと思ったものにはなるべく足を運ぶようになった。演者で決めたり脚本演出で決めたり。客数の格差は否めなかったけど、たった5年ぽっちしか行ってないけど、それでも素晴らしい作品は多くていつまでも心に残る。『神様を許す』『太陽は歯を喰いしばる』『DressCode19』『1010愛して』『ルルル』『奇抜探偵』すぐ頭に浮かぶのはここら辺だろうか。オコチャ作品は言葉が心に刺さる。白坂作品は当て書きと伏線、曲のセンス。やしろ作品はこれしか見れてないけど愛に溢れている。号泣したのはこれだけ。人気シリーズも見れてよかった。特に奇抜探偵はもう見れることはないと諦めていたから。

見れたもの見れなかったもの何百の作品を世に送り出してくれた劇場と脚本家演出家演者に心から感謝をしたい。

そして、もうひとつ公演以外にも思い出がある。

劇伸び筍

若手6組で結成されたユニット。私はこれに青春を捧げたといっても過言ではないのではないか。こういったユニットを結成から見てきたのはほぼ初めてで毎週のように行われるライブを携帯の画面にかぶりつくように見ていた。毎週新ネタのネタライブはなかなかハードでヒリヒリした。そのあとのコーナーも先輩MCに振り回されバチバチに戦い自分達で考えるようになっていった。本公演も2回。『マルシェ!』は見に行けなかったのが悔やまれる。『世界で一番幸せだね』は傑作。主演2人の演技はさることながら他のメンバーも良い演技をするんだこれが!当時芸歴3年目以下だけ。超若手であれだけものを作り出せる。見ることができて本当によかった。

他にも24時間配信をしたりルームランナーで走ったり、劇伸び筍の曲も作っていた。時々思い出したようにYouTubeで見る。まだ消えてないかな、また見にいこう。16期と戦ったり同世代と戦ったり、ageage世代とも接点が出来たことも嬉しかった。

たった1年で自然消滅してしまったけれど、劇伸び筍は私の青春。ファンクラブも入った。番号一桁だった気がする。その時に貰った青いTシャツ、未だに勿体なくて着れてない。もうそのコンビはいないのに未だに引きずってるような。

人混みがあまり得意ではない自分にとって『古本の街』である神保町はとても居心地がよく、空いてる時間にはふらふら歩いて「小学館がある!!」なんて1人でテンション上がっていた。雑貨屋も好みの所が多く、つい衝動買いしてしまうときも。劇場目当てで行っていたのにいつの間にか街を散策することを含めてが目当てになっていた。一時期は上京して住もうかなんて考えてもいたのだ。

たくさんの思い出をくれた神保町花月。
スタッフさんも良い方ばかり、椅子が固くて辛かったけどクッションを導入してくれた、ロビーで過去作品を流してくれた、いろんな企画をしてくれた、楽屋裏ブログを読むのが楽しみだった。

でも、発表があっさりしすぎてないか?
12年分の想い出が詰まった素敵な、素敵な劇場だからお別れを言いたかった人がたくさんいるだろう。かく言う私もそう。こんな日が迫ってからハイ、終わりですー。来てねー。は辛い。終わるんだったら盛大に行こうよ、最後ぐらいピクジョーとかかたつむりとかライスとかLLRとかブロキャスとかランパンとかとかとかとか!!公演はしなくてもいいんだ、振り返させてくれ。こんなことがあったよね、あんなことがあったよね、とか思い出話聞かせてくれよ。

いまさらそんなこと言ったって無駄なんだけど、今後どうなっていくかの不安ともう2度と見れないという寂しさと少しの憤りが渦巻いて悲しいよ。でも、あれを見ればよかったみたいな後悔は不思議となかった。

いろんな気持ちがあるが、感謝が1番大きい。たくさんの作品と脚本演出演者に出会わせてくれてありがとう!!とても楽しかった!!次がどうなるか分からないけれども、神保町花月、神保町花月に関係された皆さんの次なる道が幸多からんことをお祈りします!