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卒業したけど、まだ長柄で活動してるんですよ【2020年塩谷的10大トピック⑨】

学生時代、移住ガイドブック制作をしたりながらこまちとして発信活動に携わったりしてさんざんお世話になった千葉県長柄町。大学卒業するし、これでおしまいかと思っていた。けれど、全然終わりじゃなかった。

本当にありがたいことに、長柄町での活動を仕事として請けるようになった。会社から「せっかくだからながらこまち続けたら?」という提案をいただいたのが今年の1月のこと。卒論が落ち着いたころだっただろうか。それが人生の中でトップクラスでうれしい出来事だったのを覚えている。その後、会社の代表を長柄町に連れて行ったりして(まだギリギリコロナが抑えられていた頃)、実際に活動を始めた。

新プロジェクト「長柄町を元気にする会」の立ち上げ

それで今年始めたのが「長柄町を元気にする会」という会の運営である。これは、長柄町在住・出身の方々、それから千葉大生がチームになって一緒にプロジェクトを遂行していくというもの。今期は、昨年長柄町で開発した新製品「ながらとガラナ いろはにほへと」という飲料のプロモーションに取り組んだ。町外に向けての発信としてリツイートキャンペーンを行ったり、子ども向けのオンラインイベントを実施したりした。町民さんも学生も、参加者のみなさんの活躍はすさまじいものだった。

ところで、この会の運営には個人的な裏テーマがある。「ながらこまち大量生産」だ。

学生時代の私が長柄町での活動に夢中になれたのは、町の人と直に関わって、優しさやパワーを一身に受け続けてきたからだと思う。もはや言語化できないレベルで、とにかく忘れられない経験をたくさんしてきた。これを少しでも多くの学生に味わってほしい。別に田舎に行けばどこでも一緒だと言われてしまうのかもしれないけれど、そういうことではなくて、その人にとっては「長柄町で経験したこと」として残ればそれでいい。

メンバー同士が実際に会う機会は今だに設けられておらず、オンライン上で活動を続けている。それが少し残念だけれど、それでも長柄町に宿るパワーは感じ取ってもらえたのではないかと思っている。しかし、学生たちに見せられているパワーはほんの一部に過ぎないので、まだまだ仲間の巻き込みが必要だ。


久しぶりの帰郷

長柄町のプロジェクトを動かしているのに、実は全然長柄に行けていない。コロナのせいで、東京から行くのはなかなか気が引けてしまって。

しかし、11月の下旬に1度だけ遊びに行けた。かつて長柄町のマルシェイベントを開いたときに「私も協力させてください」と声をかけて下さった作曲家の小山絵里奈さんから映画『10万分の1』サウンドトラック視聴会のお誘いを受けたのだ。気になるけれど、行っていいのかなと迷っていたときだったので、本当にうれしかった。

電車とバスを乗り継ぎ、久しぶりの長柄に向かった。バスから降りたときの土と緑のにおいで、一気に時が戻ったような気がした。「帰ってきた」という幸せな気持ちが込み上げた。

長柄では自転車で移動しようと思っていたけれど、残念ながら使えず。仕方がないので歩ける範囲を歩いて回った。お気に入りのカフェに久しぶりに足を運んだり、敬愛する農家さんのお宅にお邪魔したり。本当に楽しかった。こんな時だけれど、会いに行くと喜んでくれる人がいて、そんな人たちに会いに行けるのがただただうれしい。

そして小山さんの視聴会がまあ素敵。屋外のお庭で、小山さんの楽曲を静かに聴いていると風の音や木々のざわめきも聞こえてきて。そしてぼーっと庭に降り注ぐ木洩れ日を眺めたりして。本当に好きだなと思える時間だった。



来年は、長柄に行けますように。

こうやって長柄の人に会いに行くと、本当に元気になる。だから、この素敵な町の人たちがいつまでも静かに楽しく暮らしていてほしいと心から願ってしまう。何のために長柄町の活性化をしなくてはいけないのか、理屈で考えていると何もわからなくなるけれど、ただただひとえにそういうことだと思う。

コロナは、どれだけ我慢しても、どれだけ頑張っても、収まってくれそうにない。けれど、来年はもう少し長柄町に行く機会を作りたい。状況次第か。いずれにせよ、5年以内に長柄町に住民税を納められないかと画策している。


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