不可解参(狂)についての覚え書き

※不可解(狂)の本編、特別再放送のセトリなどのネタバレがあります。
※個人の感想(不満も込み)や考察などを手垢でベッタベタにしてこねてあります。
※パンフレット未読。

長文キモオタ語り

必修の歴代のセトリ(不可解~不可解参(特別再放送)も含む)

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2022年8月24日(水) 日本武道館にて不可解参(狂)に現地参戦し、同月27日(土)に特別再放送を観測した。

花譜にとってのライブとは_。
ライブはバーチャルとリアルの繋ぎ目となる特別な場所であり、新たな領域に挑戦し続ける彼女の「現在地」を示す場所。
そして「不可解な状態」である花譜自身の「進化」の場所でもある。

(【3周年記念】花譜紹介動画 -KAF Introduction Movie-より引用)

「不可解参」の立ち位置は花譜のワンマンライブ「不可解」シリーズ最後とのことであったため、花譜と少女(彼女)の長い「進化」の一区切りという印象を受けた。
また、不可解参(想)が開催されることが明かされているため、(狂)に関してはライトな今までの花譜、これからの花譜((想)にも続く)を題材にしたのかもしれない。

4部構成としたとPIEDPIPERより示されているため、感想や考察も各部ごとに書き連ねていく。
ただし、パンフレットは未読なため個人的に感じた4部構成とし、特別再放送を5部とする。

第一部 『わたしだけのうた』

OPは壮大な曲から始まり、「少女降臨」の語りはなかった。個人的には少女降臨の独特な雰囲気と音と語りで得られる高揚感が好きだったため残念だった。(ライブの最後に「少女降臨」があったため、(想)に続くための布石かもしれない。)

「魔女」からはじまり、「畢生よ」から「アンサー」までメドレー形式で場を盛り上げていく。
花譜×カンザキイオリの組み合わせのタイアップ曲が多くを占めていたが、「糸」や「命に嫌われている」と花譜の原点ともとれる歌が詰め込まれていた。
第一部で印象的だったのはやはり「糸」と「命に嫌われている」で、「糸」ではピアノイントロ中に「私のはじまりの曲です。」と語り、歌いはじめた。一番好きな曲だったため武道館で歌ってくれたのはとても嬉しかった。
「命に嫌われている」では花譜の「武道館~!!!!」という煽りが聴けたのが花譜が武道館に立っていることを再認識させられた。
また、「命に嫌われている」まではYoutubeにて無料配信をしているパートであったため、花譜を花譜たらしめる曲たちではなく、花譜を知らない層にも刺さる曲やアレンジをピックアップした印象であった。

(参考)
・魔女 「KOTODAMA TRIBE」イメージソング
・畢生よ 「俺の慚愧を投下します」テーマソング
・夜が降り止む前に 「ホットギミック」主題歌
・ニヒル 「モナーク」主題歌
・アンサー 「ブラッククローバー」主題歌
・私論理 「花譜展」テーマソング
・戸惑いテレパシー 「HAYABUSA EXPERIENCE by 3.5D × docomo」テーマソング

第二部 『花譜 と   』

「花譜と可不」
音楽的同位体「可不」とのデュエットではsasakure.UK作曲の「化孵化」で曲に(狂)を感じることができた。
第二部からはダンサーも曲によっては出演しており、花譜の周りを彩ってくれている。
「流線形メーデー」ではサビ部分で腕を回す振り付けがサイリウムと合わせやすく盛り上げを担っていた。

「花譜と組曲」
「飛翔するmeme」をたなかと「イマジナリーフレンド」を大森靖子らの豪華なコラボアーティスト陣と一緒に堂々と歌い上げた。
特に大森靖子はライブ後のTwitterで不可解の(狂)担当とするほどの圧巻のパフォーマンスを魅せてくれた。イマジナリーフレンドの感想中での「死神」マッシュアップは怖いものなさすぎるだろう。と驚いた。
あのパフォーマンスが持つ引力は特別再放送でも褪せることはなかったが、現地で感じた熱量は段違いだった。

「花譜と少女」
2022年3月26日に開催された、僕らため息ひとつで大人になれるんだ。の映像から「裏表ガール」が紡がれていった。
「裏表ガール」は過去の花譜のオリジナル曲の歌詞の一部が引用されており、「そして花になる」「帰り路」の続編という立ち位置の曲で、高校卒業記念楽曲として書き下ろされたものだ。(僕らため息ひとつで大人になれるんだ。のMCにて説明されている。)
初披露時ではもう少しアップテンポだったが、今回はピアノや弦楽器がメインのしっとりした仕上がりになっていた。
個人的にはしっとりした曲は曲の世界に聴き入りたいので、手拍子はなかったほうが嬉しかった。

DJパートというパーティーが始まった。
ここでは花譜が一切歌唱等で登場することがなかった。
今までの不可解では花譜が登場しないシーンがほとんどなかったため、疑似的な休憩(演者・観客ともに)という立ち位置だったのかもしれない。一切休憩はできなかったが。
この時間中は武道館がクラブになったといっても過言ではなかった。
曲中で出てきた未公開カバー曲たちは一刻も早くフルで公開してほしい。

第三部 『わたしたちのうた』

「花譜と深脊界」
新曲の「CAN-VERSE」をORESAMAと、「神聖革命バーチャルリアリティ」をVALISと一緒に歌い上げた。
「CAN-VERSE」については、Chu~のところの振り付けがとんでもなく可愛い。
花譜とウィスパーボイスとぽんの突き抜ける真っすぐな声の組み合わせが合わないようにみえて、とんでもなく親和性が高かった。これまたライブ以外での披露が楽しみな曲だった。
「神聖革命バーチャルリアリティ」については、まさかオリジンが出てくるとは思わず、出していくんだな。と驚いた。

「V.W.P」
春猿火、ヰ世界情緒、幸祜らが武道館へ向かう映像からはじまり、理芽が欠けた状態で到着。理芽は留学中によりV.W.Pとしてそろわないことに少し寂しい雰囲気を出す一同に対し、「ちょっと待ったー!」という聞き覚えのある元気な声が武道館に響き渡り、理芽が登場した。
登場からMCパートの間はここが武道館であることを忘れるくらい、和やかな尊い時間だった。
魔女系譜曲をメドレー方式で披露していった。
1曲目:深淵(with.ヰ世界情緒)
2曲目:魔的(with.理芽)
3曲目:残火(with.春猿火)
4曲目:歯車(with.幸祜)
ここでまさかの系譜曲新曲。さすが神椿の特攻隊長。幸祜相乗効果で会場を盛り上げていく。歌詞中に「カフ」と「ココ」があるのがとてもポイントが高い。
系譜曲メドレーの次は、V.W.Pと言ったらこの自己紹介曲「共鳴」
無線ペンライトのおかげで魔女たちのサイリウムの曲が公式で何色か判明。ペンライトの色替えは初心者であったため、メンバーカラーの変更を無線でやってくれるのが演者に集中できて大変ありがたかった。

第4部 『不可解 と   』
ライブタイトルにもある「不可解」三部作のアンサーとなる「狂感覚」、「過去を喰らう」三部作の三作目「人を気取る」が初披露された。
各歌のアンサーが出て、終結を迎える中、次の一歩となる花譜が作詞・作曲をした「マイディア」が初披露された。

「過去を喰らう」と「海に化ける」では学生の卒業シーズンでの別れを歌っているように解釈していたが、「人を気取る」で急に「君」の死での別れを歌っているんだぞと解釈を突き付けられた気がした。歌詞中に死臭がとんでもなくするのだ。
もし「君」が亡くなっているのであれば、散々な葛藤の上で大人になり、人を気取る(=「君」に囚われたままの化け物にはならない)選択肢を選ぶのはどうあがいても「君」は取り戻せないという諦めともとれる。
実際どういった解釈となるかの補足はライブ後に告知された小説化やMVで形つくられていくと思うので、今後の展開が楽しみである。

「不可解」三部作のアンサー「狂感覚」では「不可解」で掲げていた思春期特有の青臭い中二病感の「なんか面白いことやります。お金とかビジネスとか効率とかそういうことじゃないでしょう。」が、「お金とかビジネスとか効率とか美しくないけど。でも僕らそれがないと生きてられないから。」っていう答えだった。
ぶっちゃけて言おう、アンサーがダサすぎて拍子抜けであった。
活動していく3年間のうち、東北のどこかにいる「少女」が東京のどこかにいる「彼女」になったし、歌が好きなだけの「少女」が「花譜」にもなった。
花譜の活動資金や生活費はもちろんお金がなければ成り立たないことは理解できるが、歌として「花譜」に歌わせたことが死ぬほどダサい。
一部の歌詞を切り取って騒ぐのはよくないが、その部分で夢から現実に一瞬で引き戻されて台無しになっている感は否めなかった。

「マイディア」では初となる花譜が作詞作曲した曲である。
今回は花譜のファンである「観測者」へ向けた曲を作ったと言っていた。
花譜の初の作詞は「はてなきおわり」にて行われているが、「マイディア」では「はてなきおわり」で見せた独特な言葉遊びが残りつつ、明確に「観測者」へ向けた歌詞ということがわかる。
また、歌詞でも次に続くような単語が出てくるため、「不可解」ではない次のライブが示唆されており、今後の花譜の活動に期待ができた。

第5部
特別再放送(アーカイブ)限定で追加で4曲が披露された。
「私の線香」「quiz」「Re:HEROINES」「そして花になる」のセトリだったが、事前に特別再放送で披露される曲は本編のライブとは別物でオマケ枠。と語られていた割には観測者には切っても切り離せない曲たちであったため、事前に説明されていたことと食い違う構成に不満を覚えた。

Twitterで、この収録についてライブ直前にされたものではないか、という意見を見受けた。
そのため、無人の武道館で歌う「そして花になる」については、この後の本番で歌った曲たちを考えると胸がいっぱいになった。

(演出面の総括した感想)
・今回の演出ではディラッドスクリーンを使わない関係でサイリウムを使用することができたと思われる。
・花譜の動きや煽りが多めで演者としての成長を感じた。その分タイポやダンサー等がごちゃついててどこに目をやっていいか困る部分も生じた。
・PIEDPIPERが言うように、現地と配信で映像が全く別であったため、現地と配信両方観ることでお互いに補完ができる印象だった。今後は現地チケットとアーカイブのセット売りを復活させてほしい。

・今後の「花譜」の活動に期待が持てるライブだった。

やや不満の点もあったが、そこも踏まえて花譜に夢中であることには変わらない。
不可解参(想)が行われたらぜひ「僕らため息ひとつで大人になれるんだ。」から「不可解参(狂)(想)」までBlu-ray円盤化を望む。

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