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2021/22シーズン プレストン・ノースエンド 選手&監督振り返り!

皆様いかがお過ごしでしょうか。

2021/22シーズンも佳境を迎えようとしています。そこで、今回は各選手ごとに今季の活躍を評価していこうかな~なんて思います。勿論個人の独断と偏見を含みます。

GK

1 デクラン・ラッド

開幕戦開始早々に脳震盪で交代し、結局リーグ戦出場はこれのみに。ひざの故障の再発を繰り返し、先月引退を余儀なくされてしまいました。ピッチ内はもちろん、ピッチ外でもコミュニティへの貢献が大きかった人格者。セカンドキャリアに幸あれ。


12 ダニエル・イーヴァセン

紛れもない今季チームのベストプレイヤー。味方の守備がどれだけ酷かろうが、それを無効化するだけの理不尽を幾度となく見せてくれました。アウェイボーンマス戦でのダブルセーブ、ホームミルウォール戦でのトリプルセーブなど、独力でチームを救ったシーンは数知れず。勿論デンマーク代表への初招集も受け、このままの調子で行けば来冬のカタール行きも堅いでしょう。まあ、そのころにはウチに居ないと思いますが…(笑)
一方でビルドアップには課題。大きなミスはないものの、レスター、代表双方でシュマイケルの牙城を崩すにはもう少し向上が必要ではないでしょうか。

DF

2 セップ・ファン・デン・バーグ

シーズン当初はRWBでの起用が多かったものの、途中からは一貫してRCBで起用。RWB時代に培った攻撃力がRCBへポジションを移しても生きている印象で、特にロウが指揮を執るようになってからは味方との連携でプレスをかいくぐって前線へスルーパスを送るなんてシーンが数多く見られました。勿論守備も安定していて、カバーリングでピンチを未然に防ぎ、次の攻撃へ繋げるようなシーンが左CBのヒューズとともに好調時は見られた印象です。3バックの右CBが彼にとって理想的なポジションなんじゃないでしょうか。ただ4バックのCBではやはり未知数で、次のローン先としてPLのクラブに行かせるのはまだ早いような気も。オランダの強豪、もしくはブンデスリーガの中下位クラブが彼にとって一番適しているような気がします。


3 グレッグ・カニンガム

シーズン当初はアールの後塵を拝すも、最終的にはLWBのファーストチョイスに。チャンピオンシップ屈指のLBとして名を馳せた時代の攻撃力はまだまだ健在で、現有戦力では最も現システムでのLWBに求められるプレーを理解できている印象。アウェイWBA戦で前線に抜けてアーチャーのゴールに繋げたシーンや、ホームブラックバーン戦で内へ切れ込んでブラウンのゴールをアシストしたシーンはまさにロウが求めるプレーと言えるのではないでしょうか。ただ運動能力に限界が見られ、フル稼働も期待できないため、彼とポジションを争える攻撃的なLWBの補強は来たる夏の最重要事項でしょう。



5 パトリック・バウアー

大怪我から復帰した今シーズン、3バックの中央でディフェンスリーダーとしてフル稼働。ロウ体制ではポゼッションフットボールへの対応に若干苦しんだものの、チャンピオンシップで十分通用するCBであることを再び証明したシーズンでした。今季のヒューズやファン・デン・バーグの活躍も、彼がディフェンスの中央にいてこそのものでしょう。



6 リアム・リンゼイ

今季はバウアーらの後塵を拝し、誰かが欠けたときのバックアップとしてプレー。病み上がりのミトロヴィッチを抑え込むなど随所で活躍したものの、ディフェンスラインの中央を任せるには頼りなく、左CBを任せるには機動力や攻撃時のサポートが足りない、そんな中途半端な選手になっている印象。さらに最近では2試合連続で退場し、ファンからの心象は悪化気味。来季どうなるかは不透明なものの、恐らく残留すると思われる。安易なタックルで退場するのだけは本当にやめて頂きたい。



14 ジョーダン・ストーリー

今季序盤は右CBで先発出場を続け、2025年までの契約を勝ち取るも、ロウが就任して以降は控えに回り、1月、ローンでシェフィールド・ウェンズデーへ。レギュラーとしてなかなか良い活躍を見せているようで、来季の構想に入っていてほしいと私は願っています。



15 ジョー・ラファティ

シーズン開始時点では登録外になっていたものの、結局リーグ戦何試合かに出場。クロスの精度が高く、そつのないプレーができる選手ではあるものの、攻撃的なWBを務めるには物足りないのかなーという印象。契約が今季限りとなっており退団が濃厚、次のクラブでも頑張って欲しい。



16 アンドリュー・ヒューズ

個人的には今季フィールドプレイヤーの中でチーム内MVPに挙げたい選手。フランキー体制でも、ロウ体制でも、終始安定したプレーで左CBの座を不動のものとしました。危機を未然に防ぐ守備は勿論、攻撃面での貢献も見られ、右サイドへの対角線状のパスや機を見た攻め上がりからのクロスで左サイドを手厚くサポートしてくれました。1年半前、ベン・デイヴィスがリヴァプールへ移籍した時、当時LBでファンから批判を浴びていたヒューズが後に彼の穴を埋めるとは思ってもいませんでしたね(笑)未だにウェールズ代表からの招集はなし。ウェールズ代表も3バックを採用しているので、早く報われて欲しいなーと思います。



22 マシュー・オロサンデ

多少不運な面もあったとはいえ、本当に裏切られたと言って良いでしょう。昨夏加入した際には、今後数年ノースエンドのRWBに君臨する選手として期待を寄せていました。ところが蓋を開けてみたら、プレシーズンの(当時軽傷と伝えられた)怪我の影響で初出場は12月となり、出場した試合でもふがいない出来に。ロウからは失格の烙印を押され、シーズン後半戦は登録外となりました。フリーだったのがせめてもの救いか。



23 ポール・ハンティントン

在籍10シーズン目、昨季には300 club入りを果たしたクラブレジェンドも、今季は出場なし。契約は今夏で満了するため、退団が濃厚となっています。最後のホームゲームくらい出場させてあげて、ファンが盛大な拍手を送る機会を作って欲しい。



32 ジョシュ・アール

シーズン序盤は出色の出来。カニンガムからポジションを奪い、飛躍のシーズンになると思ってました。ところが何故か急激に自信を失い、ロウ体制下では攻撃力の欠如でLWBに適応できず。アカデミー出身でもあり、期待はしています。来季はローンですかね…



41 バンボ・ディアビ

昨冬ドービング疑いによる出場停止期間が解け、フリーで加入したセネガル人DF。試合勘等に関して正直不安だったんですが、先発デビューのボーンマス戦では圧倒的なスピードでソランキーを封じ込め、勝利に貢献しました。縦へのパスを積極的に入れようとする姿勢も好印象。来季も契約を更新して残留して欲しい。


MF

4 ベン・ホワイトマン

ロウ体制では中盤の底に君臨。長短のパスで散らし役を担い、まさしく戦術の核といえる重要な役割を担い続けています。アウェイハル戦でアーチャーのゴールをアシストしたシーンは彼のパスセンスの高さを示しているのではないでしょうか。正直それほどダーティーなプレーをした印象はないものの、今季提示されたイエローカードの枚数は12。幾度となく相手の攻撃を摘んできた証でしょう。一部ファンからは明確な根拠もない批判が見られるんですが、気にせずに頑張って欲しい。



8 アラン・ブラウン

クラブキャプテン。ロウ体制以降は中盤の一角に定着し、主にドリブルでの持ち運びや泥臭いプレーで貢献。ただキャプテンかつチーム最高給としては少し物足りないと個人的には思ってしまいます。18/19シーズン、二桁得点をマークした頃の輝きを再び見せて欲しい…。



11 ダニエル・ジョンソン

ロウ体制以降はトップ下寄りのCMに定着。時折左サイドに開いてクロスでチャンスを演出する形が数多く見られました。チャンピオンシップ内では90分あたりのキーパス数で上位に。チーム内で唯一のクリエイティヴな選手、代わりがいないので来季は彼の代役が欲しいところ。



13 アリ・マッキャン

今夏£1.2mを費やして獲得した北アイルランドの新星。彼を最初に見て際立っていたのがやはりボールを刈り取る能力で、ベン・ピアソンの荒っぽさに慣れていた私としてはそのクリーンな様に驚かされました。味方と連携しながらスペースに走り込むことにも優れていて、そこからチャンスに繋がる場面も多くありました。ただ現状不憫な使われ方をされていて、ベンチに置かれることが多く、出たとしても本職ではないWBでの起用…なんて状況です。CMで出たら毎回良いプレーを見せるだけに、先発で使って欲しいなー。



18 ライアン・レドソン

昨季のチームMVPも、今季はベンチに回る試合が増えた印象。特にロウ就任以降は中盤がホワイトマン・ブラウン・ジョンソンの3枚で完全に固定され、出るとしても途中から…なんて試合が多かったシーズンでした。契約は23年夏で満了。実力は昨シーズンで証明済みなだけに、どうなるでしょうか。



29 トム・バークヒズン

ここ数シーズン主力としてチームに貢献してきた「バーキー」にとって、今季は負傷離脱を繰り返す苦しいシーズンとなりました。RWBでポジションを掴みかけた時期があったものの、フラムのアントニー・ロビンソンに悪質なタックルを受け、そこからは負傷離脱を繰り返す羽目に。ロウの求めるWB像によくマッチする選手だと思っていたので、彼がポジション争いに加われていないのは個人的に残念だなと思っています。契約が今夏で満了し、退団が濃厚。近年のプレイオフ争いに貢献した選手なだけに、今後の活躍を願いたいところです。



44 ブラッド・ポッツ

今季序盤はフランキーの下で何故かストライカーとして起用され、「ポッツストライカー化計画」が行われていたものの、勿論失敗し、ファンからは集中砲火を浴びました。ポッツは後のインタビューで「(酷いパフォーマンスを見せた)フォレスト戦の時点で自分のPNEでのキャリアは終わったと思った」との発言をしており、それほどファンからは心無い誹謗中傷が浴びせられていました。
ロウが就任すると状況が一変。RWBという新境地を開拓し、ストーク戦でのボレー、ブリストルC戦での終了間際でのアシストなど印象深い活躍を見せ、その地位を不動のものとしました。今ではチーム随一のファン・フェイバリット。選手を見切らずに信じ続けることの大切さを教えてくれる、そんな大逆転劇です。



45 ジョシュ・マーフィー

そもそもチームに適したポジションがなく、彼自身も多くの期間を負傷で離脱し、いまいち生かしきれなかった存在。攻撃的なWBとして生きる道もあるのでは?なんてことも考えたりしたものの、それほど試されることもなく、既にチームを離脱済。ローン元のカーディフとの契約も今夏で満了、来季はどうなるか。


FW

9 チェド・エヴァンズ

今季は持ち前のフィジカルでリースやアーチャーを活かす働きが目立ちました。フル出場は厳しいものの、途中投入時にその効力を発揮する場合が多く、フラムやシェフィールドU相手の同点劇では彼の投入によって試合が変わった印象。欲を言えば、もう少し得点が欲しかったところ。



19 エミル・リース

長身なのに空中戦では頼りなく、スピードを活かした裏への抜け出しと前への仕掛けが得意。キーパーの一対一を外したかと思えば後半ロスタイムにスーパーボレーを決める、敵味方双方にとって予測不能なストライカー。今季はデンマーク代表に招集されるなど飛躍のシーズンとなり、特に前半戦は幾度とない理不尽でチームとフランキーを救ってきました。ロウ体制ではゴールに背を向けた時の技術のなさから苦労した時期があったものの、最近は適応の兆しを見せてきています。リーグ戦13ゴール、立派な成績です。彼の魅力と言えばやはりスーパーゴール。ボーンマス相手に低弾道で突き刺した決勝ゴール、ルートン相手に角度のないところから決めたゴールなど、今季だけでも印象に残るゴールを数多く決めてくれました。本当に楽しいフットボーラーです。



21 キャメロン・アーチャー

冬にヴィラからローンで加入したワンダーキッド。在籍してからまだ4か月も経っていませんが、すでに我々ファンに強烈な印象を与えてくれました。典型的なボックスストライカーではなく、器用なタイプで、特筆すべきはその体幹。相手数人に囲まれても突破でき、シュートパターンも豊富で、抜け出す形でも、自ら仕掛ける形でも得点が狙えるストライカーです。ブラックプール相手に決めた決勝点は今後語り継がれていくことでしょう。来季も残って欲しいなぁ…



24 ショーン・マグワイア

数年前、ノースエンドをプレイオフ目前に導いたあのゴール前の落ち着き、あのキレ、あのスピードはもはや失われてしまったものの、近年はセカンドストライカーとして新たなプレースタイルに移行。前線から下がってきて受け、展開するプレーが多く見られ、特に前半戦はリースの得点量産を後ろから支えました。ただストライカーとしてリーグ戦1ゴールという数字は寂しいのも事実。何かきっかけがあれば、あの頃の得点感覚を呼び起こせるのかもしれないが…。



31 スコット・シンクレア

昨季チーム最多得点を誇ったベテランも、今季は未だ無得点。ストライカーとしての起用が大半で、(そもそもシステム上ポジションがないのだが)ウインガーとしての起用がほとんどなかったこともこの理由に挙げられるか。今夏で契約が満了し、退団が濃厚。まだまだ出来るはず、今後の活躍を願いたい。


監督

フランキー・マカヴォイ

昨シーズン暫定監督として好成績を収めたことが評価され、今季正式監督に就任。開幕3連敗からは立て直したものの、決して魅力的とは言い難いプレースタイル、チームとしての成長のなさ、そして何よりダービーでの恥ずかしいパフォーマンスによってファンの不評を買い、12月に解任の憂き目に遭ってしまいました。次の職をすんなり手に入れたようで、ハーツのユース育成責任者に就任。昨季楽々と降格を回避した功労者なだけに、今後の活躍を願いたいところです。



ライアン・ロウ

躍進を遂げていたプリマスから約£300kで引き抜き、12月ノースエンドの監督に就任。長年のアレックス・ニール体制でマンネリ化したクラブにポゼッションフットボールを取り入れ、その目指すプレーは初戦からはっきりと見て取れました。まだまだ発展途上な面が多いものの、既に今季上位に食い込んだハダースフィールドやノッティンガム・フォレストを圧倒するなどハマったときのポテンシャルは計り知れず。プレシーズンと夏のウィンドウを経て来季どのようなパフォーマンスを見せるか、非常に期待しています。アカデミーからの引き上げやリクルートの改革にも意欲を示しており、実際クラブはプリマス時代にも利用したアナリシスを行う企業「MRKT insights」と提携を結んでいます。外国からの補強も増えると述べており、補強が国内からばかりで飽きていた私は楽しみで仕方ないです(笑)ただ、アリ・マッキャンはもっと先発で起用して欲しい。


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