私的な「面白い漫画」の条件.1

以前ネットサーフィンをしていたら、ふと興味深い記事を見つけた。

ジャンプルーキー!編集部ブログにて

(中略)オリジナリティーですが、これはかなり「絵柄」に起因すると思って見ています。経験上なのですが、絵柄が独特な人はだいたい考えていること、テーマもユニークなことが多いからです。

ざっくり言うとこの記事の内容は、漫画編集部の方が新人さんの作品を見る時にどういうポイントに気を付けて審査しているかというもの。

思い返せば、今まで自分が読んできて面白いと思った漫画はどれも絵柄が個性的な人ばかりだった。この編集さんが仰ってることにもかなり説得力があるなぁと思う。

というわけで今回は、「この要素が揃っていると面白い」という、私的な面白い漫画の条件を挙げていこうと思います。

~面白い漫画の条件~

1.絵柄が個性的で味がある
さっそく前述した話に繋がるポイント。漫画における「絵」は当然といえば当然だけど最も重要な要素のひとつだと思う。小説が文字だけなのに対し、漫画は台詞と絵でダイレクトに表現してくるので、絵に読者を惹きつけるパワーがあればそれだけで読みたくなるし、作品自体の面白さに大きく貢献する。

絵というものは、上手ければいいというものでは無いと思う。
以前、そういう話をしたら「上手いに越したことはないだろ」と返されたことがある。確かにそうかもしれないけど、もしガッチガチに上手くて綺麗な絵だったらそれだけで面白さが半減していただろうと思う漫画は多い。

ひとつ例を挙げるなら、最近筆者がハマっている漫画『とんかつDJアゲ太郎』。

簡潔に概要を紹介すると、主人公がひょんなことからとんかつDJになるお話なのだが、この漫画の作画担当・小山ゆうじろう先生の絵はお世辞にも漫画家としては上手い側の絵柄とは言えないかもしれない。
最初この漫画を見た時、英語の教科書かなんかのイラストかと思った。
が、なぜだろう。この絵柄に気付けばハマっている自分がいるのだ。むしろこの絵だからよかった、と読者は思うはずだ。この漫画はDJをメインテーマにしているのでクラブシーンが毎回出てくる。他のDJ漫画だと巧い絵でド派手にクラブシーンが表現されるだろう。それは圧巻かもしれない。しかし、『とんかつDJアゲ太郎』のデフォルメされた絵柄の方がなぜかやたら「伝わる」ものがあるのだ。なんというか、味わい深い。
そして非常に個性的な絵柄であるからこそ、ひとつひとつのシーンやキャラの表情のインパクトが強くて印象に残りやすいのである。その結果、「あのコマの絵がまた見たい」となる。この漫画はいまや実写映画化されるほどの人気を得た作品だが、間違いなく小山ゆうじろうさんの画風でなければ売れていなかっただろう。

なお、「上手い絵の漫画=面白くない」と言っているわけではない。ただし「上手いだけでありきたりな絵の漫画」に魅力を感じないのは揺るぎない事実である。

本当はひとつの記事に全部まとめたかったのですがすげえ長くなりそうなので続きます。最後にまとめようと思います。
世界を救うまであと半年。


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