7up

 通信制高校に転学した17歳の私は孤独だった。というかぼっちで、暇だった。あてもなく散歩をし、用もなく登校した。ある日は図書館に、ある日は食堂に、ある日はそのへんのベンチにいた。
 娯楽を求めた私は自動販売機を眺めることが趣味になった。自動販売機は私にとって丁度良い情報量と愉快さを提供してくれた。日々の散歩によって、いつしか私は近辺の自動販売機のラインナップを網羅した。しかし一番のお気に入りになったのは学校の自動販売機にあった7upだった。見る度に買って足を組みグビグビ啜った。7upは私の相棒だった。
 6年経った。あれから7upを見かけない。17歳は、遠い過去になってしまった。


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