『アルジャーノンに花束を』読後感想と、今年のこと。

名作と呼ばれるにふさわしい作品であったと、言える。

あらすじは調べればわかるので割愛。
チャーリイの変化がただただ悲しかった。

作中の『知識を求める心が愛情を求める心を排除してしまう』という発言は、『アミ 小さな宇宙人』(エンリケ・バリオス著)の中の『愛の度数と科学の度数のバランス』と通じるところがあると思う。エンリケ氏はこの本の中で、愛の度数を科学の度数が上回ることで争いが発生して世界が自ら滅びに向かうという話を展開している。

高校生のころ、勉強が好きだった。学年で数学の問題集をやるのが趣味だという噂が出回っていたくらいだと言えば、わかるだろうか。夏休みも友達と遊ぶことはなく、毎日ひとり市内で一番大きい図書館に籠って英語の文法集をせっせとまとめていた。高校一年生の夏休み明けのテストでは学年3位になった。それだけが正しいことだと、勉強だけが裏切らないと信じていた。

でも違った。勉強だけではなかった。涵養した(大げさ?)知識だけではなく、周りの人間も私を暖かく支えていたんだと気づいたのはずっとあと、本当に最近になってからだった。私は本当に遠回りして生きて来たんだなと、実感する一年であった。


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