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【Review】BRING ME THE HORIZON 「POST HUMAN:NeX_GEn」

はじめに

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今回はBRING ME THE HORIZONの新譜
POST HUMAN:NeX_GEnのレビューになります。

どこよりも早くレビュー解説します!


リリース背景

BMTHのアルバム、POST HUMANシリーズ。
2020年には1作目のSURVIVAL HORRORがリリースされ、2023年には2作目が発表される運びでこれまでアナウンスされ続けて来ました。

そしてそれを皮切りに日本でNEX_FESTを開催。
DiE4uから続々と新譜がリリースされ、コンセプトも固まって来たのですが...なんと発売が延期に。
これはJordanの脱退が大きく、デジタルディレクションの外注と最後の仕上げに苦労した模様です。

が・・・まさかの昨日ゲリラリリース!
2024/05/24 OUT のteaserが突如公開。
瞬く間にSNSを話題の渦に叩き込みました。

告知スライドがめちゃくちゃFinal Fantasy...笑
本当に日本のコンテンツ好きなんですね。


アルバムコンセプト

POST HUMANというコンセプトシリーズの元、
2020年のSURVIVAL HORIZONに続く2作目。
全体では4部作になっている模様です。

NeX_GEnはNext GenerationにGeneを掛け合わせた様な造語で、次世代を意味しているかと。
後述するように、新時代を切り拓く作品なのです。

SURVIVAL HORROR⇒ニューメタルリバイバル
NeX_GEn⇒エモリバイバル

というコンセプトを掲げており、
BMTHの持つ近未来と技術のアンチテーゼ、
退廃性や攻撃性を高次元でMIXしています。

NeX_GEnは彼ら曰く"Future Emo"とのこと。
新しいエモの世界を切り拓くべく制作されます。

そして今回もPaleduskDAIDAIがクレジットに名前を連ねており、サウンドディレクションにおいて準レギュラーばりの活躍をしています。
インタビューではルーツの1つのFACT的要素を混ぜたMIXにしたと語っていました。


収録楽曲

早速ですが各曲レビューしていきましょう。

歌詞は全て見られていないのでサウンド含めた大枠の解説になりますがご了承ください!
またそれぞれ個別で出します。


01. [ost] dreamseeker

開幕は17秒のIntro。
足音が聞こえ、NeX_GEnの扉を開きます。
ライブのEveの演出もそうですが、インストサウンドで繋ぐのが上手すぎますね。


02. YOUtopia

コンセプト通り、懐かしのエモサウンドが炸裂。
とはいえ、BMTHにしか出来ない表現です。
懐かしのエモ進行ながらもエレクトロサウンドや多重音の中に重さがあり、早速引き込まれます。

そしてOutroはさらなる落ち感があり、
囁くようなボイスに移行します。

魂や感情に紐づいた内向的な歌詞で、
「死んだら誰も花なんて欲しがらない」
「泣いても良いんだ」「ここが帰る場所だ」
など悲痛に寄り添う楽曲になっています。


03. Kool-Aid

YOUtopiaのOutroからシームレスに移行し、
シングルで先行リリースされていたKool-Aidへ。
繋ぎが自然すぎてビックリしました。
単品では味わえないこのストーリーの連なりが良いですね、アルバムならではの楽しみです。

狂信への警笛を歌った、どことなくオールドスクール味を醸しながら近未来的なメタルサウンドが炸裂する近年のBMTHらしい楽曲です。
詳しくは個別解説を参照ください!


04. Top10 staTues tHat CriEd bloOd

teaserで流れていた表題的な1曲。
まさにこれが"Future Emo"です。
めちゃくちゃあの頃のエモです。
Introもサビも疾走感が最高過ぎますね。
そしてCメロ付近で襲来するスクリームは健在。

タイトルは直訳で「悲痛と血の10の像」
サビのRescue Meから感じられるように、
孤独や暗闇からの脱却と戦いを描いています。


05. liMOuslne (feat.AURORA)

ノルウェーの新星エレクトロ・ポップシンガー
AURORAとのfeaturing楽曲です。
月間再生1200万人を超える次世代シンガーで、
2024年のサマソニに出演予定です。
(BMTHと同時刻っぽいですがどうなることか...)

もはや原型留めていませんがタイトルはリムジン。
楽曲はAmo以降で見られたような、ベースがドロップチューンでChillいオルタナティブポップ。
ラストはブレイクダウンが襲来するのでメタルらしさを生かしたまま展開されます。
相変わらず女性feat.が上手いですよね。


06. DArkSide

こちらもシングル先行リリース群の1曲。
その名の通りダークな音で内向的な歌詞で、
「闇が押し寄せて何度も心が壊れる」のです。
個人的にトップクラスで好きな楽曲ですね。

メタリックではないですがエレクトロサウンドが神がかってます。聴きやすいモダンヘヴィネスです。


07. a bulleT w/my namE On
    (feat.Underoath)

まさかのUnderoathとのfeaturing。
USの老舗メタルコアバンドですね。
予想していなかったコラボでした。

システマチックなIntroとメタリックなリフが炸裂。
エモライクな多重音ハイトーンが心地良いです。
BメロからはメタルコアにBMTHらしい怪奇さを混ぜ込んだ圧巻のMIXになっています。

絶望からの脱却をテーマにした楽曲です。


08. [ost] (spi)ritual

こちらはInterludeです。
打ち込みメインでコーラスを付けた静寂で纏めあげており、次なる楽曲へとシームレスに繋ぎます。

神話の大天使と関連した歌詞になっています。


09. n/A

雰囲気の変わる後半に突入する楽曲ですが、
これは過去のBMTHの中でも異色です。

懐かしいエモ、スタジアムロック、グランジなどのバラードにスクリームを混ぜ込んだ傑作です。
これは本盤の中でも度肝抜かれましたね...
ライブ映えしますし、シンガロングと合わさったらとんでもないロックが完成する気がします。

楽曲の読み方は謎ですが...
開幕が「My name is Oli. I'm an addict」と
自身の名前が入った異色の歌詞です。
夢の中、はたまた中毒による幻想の中で見た夢や灯した感情について書かれた楽曲なのでしょう。

Outroには1.2.3.4!の掛け声が流れ、
次曲のMVで聴いたIntroの役割も持っています。


10. LosT

こちらも昨年リリースのシングル群。
詳しくは個別解説をご覧ください。

MVのMCRリスペクトからも分かるように、
こちらもエモライクな楽曲になっています。
Sleepwalkingとリンクするダークな内容ながらも軽快なサウンドと重低音で纏めあげており、
彼らの集大成的な楽曲ですね。


11. sTraNgeRs

こちらも先行リリース群。
弾き語りテイストな楽曲でファンも多いです。
セラピーを歌ったダークなテイストながらライブ映えする楽曲ですね。シンガロング待ったナシ。


12. R.i.p (duskCOre RemIx)

こちらはヒップホップとネオポップを混ぜ込んだ、
いわゆるスタンダードな洋楽テイストです。
Remixというものの原曲が無いんですが。笑

duskcoreを見て一瞬Paleduskかな?って思う方も多そうですが関連性は特に無さそうです。
RPGのUndertaleに登場するSANSから着想を得ているとかいないとか。

本盤の中では少し毛色の違ったサウンドで面白いですね。若干のクラブノリもありますし。
Outroは会話が流れて次曲へ繋ぎます。


13. AmEN!
  (feat.Lil Uzi Vert & Daryl Palumbo)

こちらも昨年のリリース群で、
USの国民的ラッパーのLil Uzi Vert
GlassjawDarylを迎えた豪華な作品です。

開幕からデスコアの匂いを感じさせる非常にヘヴィな楽曲で、反面サビはしっかりメロディーのある近未来的なメタルコアに着地しています。
ラップ要素はほとんど無いです。


14. [ost] p.u.s.s.-e

割と、いや普通に名前がアウトなInterlude。
不気味な会話と打ち込みサウンドが続きます。
エクストリームやトランスに近いですね。


15. DiE4u

NeX_GEnの小文字シリーズとして、
3年前に初めにリリースされた楽曲です。
amo⇒SURVIVAL HORRORへと進化したタイミングのリリースで、世界観やサウンド面などで彼らにとって重要な作品であると言えそうです。

歌詞はストレートに「君のためなら犠牲を厭わない」という献身と自己犠牲に富んだ愛。
今では代表的かつ大人気な楽曲ですね。


16. DIg It

Outroを兼ね備えたシメの1曲です。
打ち込みとオートチューンの語りが続き、
2分の無音が続いたあとAI音声が流れます。
ライブ前のEveの演出に近いものも感じますね。

歌詞はこれまでの楽曲と同様に、中毒や感情の折り合い、自己と他者への向き合い、絶望の中の希望などOliらしさが全面に出ています。
Dig Itは「人生は墓みたいだ。掘り起こそう。」というメッセージが根幹にあります。


総評

Future Emoとはこういうことか・・・
と納得したのが第一の感想ですね。
全体的に懐かしさを感じつつも、サウンドは近未来的でクリーンパートがオートチューン風味です。

とはいえThat's The SpiritやAmoと比較するとヘヴィさが増していて、メロディーのフックもそれらと比較すると全面的に出ていない気がします。
これはやはりJordanの脱退も大きいでしょう。

とはいえシンガロングものも多いですし、
ブレイクダウンも新しさがあって飽きません。
結局、毎作中毒性抜群でスルメるんですよね。

そしてジャケットやMVからも分かるように、
今作はサイバーパンク感が満載ですね。
STARWARSや時計じかけのオレンジ、攻殻機動隊、AKIRA、エヴァンゲリオン、などなど日本のカルチャー味を要所要所で感じることが出来ます。

毎度語っていますがコンセプトワークに関してはアーティスト髄一なのは疑いようがないでしょう。


おわりに

今回はBRING ME THE HORIZONの最新作
POST HUMAN:NeX_GEnのレビューでした。

ザックリしちゃってますが全体的な所感を中心に書かせていただきました。
もう少しアートワークを噛み砕いてから個別解説や考察を出していく予定なのでしばしお待ちを。

そしてそれぞれの楽曲のタイトルの小文字の意味するところは一体何なのでしょうか...?
コードの様な羅列、物事のエラーや崩壊を意味しているのか、それともまた別の意味を持っているのかはまだまだ謎に包まれています。

総じてとんでもないアルバムが出ましたね。
相変わらず毎回新次元を見せてくれます。
もう彼らは絶対王者の領域ですよ。

しばらくは聴き込むと思います。
サマソニもますます楽しみになってきました。

それではまた!👋

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