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『Night Swimming』配信開始

2020年にBoothにてDL販売した拙作『Night Swimming』が各種サブスクで聴けるようになりました!!

2020年って、もう3年前なんだ。。。
この作品を作り始めた頃はコロナ流行の初期段階。
2020年の春。
オレの仕事もテレワークになり、通勤時間が無くなった。
結果、時間に余裕が出来たので曲を書き始めたのがきっかけだ。

そして初夏、夏となり、仕事の夏休み期間を使って一気に作り上げた。
当時、オレは深夜にロードバイクで徘徊しており、誰もいない夜の街を走り回っていた。
夜中でもうだるような熱気と湿気。
世界中にオレ一人だけなんじゃないかと錯覚するほどの無人で無音の街。
そんな夏の夜のフレーバーが、これまで書いた曲と異常にマッチした作品だと思う。

明るいテーマを扱った作品ではないよなぁと思う。
不快な気温と湿気、そんな場所からどこにも行けないだろうという閉塞感。
メソメソと終わっていく世界や、取り返しのつかないくらい変わってしまった日常。
そんな当時のオレが抱いていた気持ちを、色んな曲に乗せている。

3年後の今だからこそ、ちょっと曲紹介してみたい。

『Night Swimming』
  1. 惑星を砕く物語

  2. ナイトゴーント

  3. エピタフ

  4. ラインを越えて(Still alive, still crazy)

  5. トラツグミの森

  6. 天幕の少女

  7. 1999

  8. Juliet

  9. 8月のゴーストロア

  10. Save your Queen

  11. トーラス1968

  12. 夜間飛行

1.『惑星を砕く物語』

実はこれはとある女の子とした約束から生まれた曲だったりする。
オレもその女子も、はっきり言って生きることがつらい。日々を重ねていくことがつらい。
だから何となく「地球は割るべきではないか」という結論に至った。
毎日少しずつ削っていけば、そのうち割れんじゃね??? という。
「ちゃんと今日の分、割った?」
というのが、当時よく交わされた言葉だった。
もちろん、そんなことで地球が割れるなんて互いに思っていないのだけれど。
でも、いつか割れてくれるんじゃないか、という期待がオレたちにはあって。
だったらそれに少しだけ加担してみようかな、という言葉遊びだ。

ただ、そのまんま曲にするのは恥ずかしかったので、「地球を割るハンマー」が登場するマンガ『惑星のさみだれ』的なイメージをまぶして生まれたのがこの曲だ。

なお『惑星のさみだれ』は、10巻以内で完結するマンガで一番好きなのは?と問われたら、オレにとってぶっちぎりで1位になる作品だ。
今でもよくわからないんだが、あの作品は主人公に感情移入して読む作品なのかな?
オレは何しろ地球を割りたい人なので、さみだれに感情移入して読んでいた。
彼女が、割らなくてもいいんだと思えるようになる過程が、悲しくて切なくてたまらない。

2.ナイトゴーント
クトゥルフ神話のモンスター「ナイトゴーント」をモチーフにした曲。
でも、ちょっとカッコつけすぎだよね、と今は思う。
でもサビの「夜の夢こそ真実と誰か言ってくれ」ってのは、オレの真実の声だったりもする。

3.エピタフ
今作の中では唯一「夜」じゃない曲かと思える。
割と爽やかな曲調だよね。
ただ、テーマは割と重めで
ちゃんと夢を諦めて弔いなさい
という結構ひどいことが根幹にある曲です。
でも、そうしないと生きていけないからね。

4.ラインを越えて(Still alive, still crazy)
うまく生きられない女の子について書いた曲。
特定のモデルがいないわけでもないのだが、どちらかというとオレが見てきたそういう女子たちの総体、というイメージです。
ただ、この曲は以前にシングルとして発表していて。
括弧の中の Still alive, still crazy は、なんつーかそういう女子がその後10年生きたら、って意味合いで付けました。
まだ生きてる。まだ狂ってる。
でも、かつてのようには狂えない。
時間が経ってしまったから。
そんな意味合いです。
サビで入れたリフとアコギがいい味出してる。

5.トラツグミの森
まぁ、Coccoみたいな曲だね。
でも、正直出来はかなりいいと思っている。
ただ、次のアルバムでボーカルを変えてリメイクしちゃってます。
なので、これは原型。アーキタイプ。

6.天幕の少女
これはねぇ。
レピッシュの『ハーメルン』って曲があるんですよ。
で、それをBUCK-TICKがカバーしたのがあるんですよ。
それをやりたかったのよ。
しかし、自分で言うのもアレですが、こういう曲作らせるとオレ上手いと思う。本当に。

7.1999
世界は滅びる!! な、なんだってー!!
でも、あの時代を生きていた人はわかるはず。
本当にそういう空気があったんだよ。
なかったことになってるけど。
そう簡単になかったことにはさせないぜ。
緩い空気感。
でもどこへも行けない。
書き割りの風景の向こうには決して辿り着けない僕ら。
ちょっと岡崎京子のマンガの空気感があるなぁと自分では思っている。

8.Juliet
「私の心のジュリエット」
って言葉が全てだと思う。
いるんだよ。
あなたの中にもジュリエットが。

9.8月のゴーストロア
これ、すっげーいい曲だよね。
作った当時はわかってなかったけど。
これなんかはまさにロードバイク深夜徘徊で生まれてます。
なんかね、真夏の深夜の誰もいない街には、ビルの間を泳ぐ魚の群れがいる気がするんだよ。
いや、見えませんけどね。
おそらく中学生の頃に見た『天使のたまご』の影響だろうと思います。

10.Save your Queen
もともとはコンピ用に書いた曲。
当時松隈ケンタさんの曲にハマっていて。
BiSHのシングル曲のつもりで書いた。
「私は私の暴君」ってのが一番言いたかったことかな。
だって、そんな風には生きられていないからね。

11.トーラス1968
SCPのオブジェクトを題材に書いた曲。
この曲のヒリヒリした感じは凄く好きだな。
それまで、ストラトのこういうタイプの音を使ったことなかったんだけど。
あぁ、こういう風に使うのか、ってわかった。
またこういう曲は作ってみたい。

12.夜間飛行
この曲は、本当に自分の人生で書いたいい曲ベスト10に必ず入ると思う。
これ聴いてレゲエって思う人はあんまりいないと思うんだけど。
オレはレゲエのつもりで作ったんだよ。なんか違っちゃったけどさ。
もう正直、真夏の東京って亜熱帯じゃないですか。
その東京なのに亜熱帯、な感じがとてもよく出てるなぁって思う。
やっぱりね、夏はレゲエですよ。
違うんだけども。


そんなわけでSpotifyやらApple musicやらで聴けますので。
皆様、3年前の夏を思い出してくださいな。
ではー。

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