【バックギャモン】初手41スロットを使う

初手の41は24/23 13/9のスプリットと、13/9 6/5のスロットの2種類があります。今回は2種類の初手41の特徴と、41でスロットする場面を考えていきます。

初手スプリットとスロットの特徴

初手41と21では、スプリットとスロットの2種類があります。それぞれ特徴がありますので紐解きます。
初手スロットは攻めの手です。5ポイントに下ろした駒がヒットされなければ次に5ポイントを作る目が多くなってよし、ヒットされたらねじり合いで頑張るというのがスロットの目的です。一方スプリットは、アンカーを取りやすくする手で守備的と言えますが、もう一方は13ポイントから1枚下ろしているので出目や形によっては攻めの形を作るというハイブリットな手と言えます。
スプリットとスロットを比較すると以下のようなことが言えます。
・勝率とギャモン勝率は、スロットのほうが少し高い。
・その代わり、被ギャモン率が少し増える。

初手21スロットと初手41スロットの違い

初手21スロットと41スロットの違いは、アウターの駒が10ポイントにあるか8ポイントにあるかです。

21スロットをすると10ポイントの駒をヒットされる目は64だけになるのですが、これは5ポイントをヒットする目とかぶっているため実質的には4のみの15通りです。一方41でスロットすると9ポイントの駒をヒットされる目はAny8の6通りのうち2ゾロと4ゾロが5ポイントをヒットする目にかぶっているので4通りが増えて19通りとなります。これが非常に大きく、21でスロットするとスプリットより「勝率とギャモン率が0.5%多くなるが、ギャモン負けが1%増える」となるところ、41スロットではスプリットより「勝率もギャモン率もわずかに増えるが、ギャモン負けは21の時と同じく1%増える」という、メリットがあるかどうかわからないという状態になります。初手41スロットは、状況に応じなければ「使わなくてもよい」という感じかと思います。たいして初手21スロットは結構使う印象です。3awayや2awayのリーダーくらいのスコアだとスプリットのほうがよくなりますが、ほぼスロットして良いイメージです。ちなみにアンリミテッドでも初手21はスロットで良いです。

初手41スロットはあり得るのか

ここまで見て、初手41スロットは「消えた初手」に入るのではないかと思った人もいるかもしれません。ただし、使える場面はいくつかあります。アンリミテッドではスプリットで良いので、ポイントマッチ限定となります。今回は5ポイントマッチの全スコアで解析し、41スロットが「あり」なものをまとめて解釈してみることにします。

(1)5ポイントマッチ0-3、1-3、2-3
5ポイントマッチで相手に3点取られていて、自分が負けている状況はスロットが良くなる場合があります。特に1-3ではスロットしないとエラーと判定されるくらいにはスロット優位です。これは、このスコアであればこちらからダブルをしてギャモン勝ちするメリットが大きくなること、ダブルが動く場合相手のギャモン勝ちのメリットがなくなることが理由となるからです。

(2)ポストクロフォードのトレーラー
同じ理由で、ポストクロフォードのトレーラーはスロットします。こちらは完全にギャモン負けのリスクがないのでわかりやすいでしょう。

(3)DMP(3-3、4-4、3-4ポストクロフォード)
「実質DMP」と呼んでいる3-3や3-4ポストクロフォードを含め、DMPであれば単純に勝率が高い手を選べばよいのでスロットでOKです。

(4)4-3ポストクロフォード
これも「実質DMP」なのですが、自分がクロフォードを取っていて相手が残り2点の場合は「フリードロップ」の権利があります。スロットすると権利行使することなく進められますが、スプリットするとパスになるため(勝率50%を切る)、スロットしなければいけません。ただし、それでもパスして問題はないレベルの差ではあります。

以上から、ギャモン負けに関係のないスコアはスロットして良いということになります。例えば「4-2クロフォード」などです。ただしバックギャモン負けが影響あるのでこの場合だとどちらでもよいでしょう。

特殊スコアや状況では判断しやすいのですが、実は以下のスコアでも初手41はスロットできます。

(5)5ポイントマッチ1-2

こちらは4away、相手は3awayです。このスコアは4away-2awayほどではないですが4away側にギャモンがある場合のイニシャルダブルが強いのでギャモン率でスロットしても良いでしょう。逆に相手のギャモン率が増えることについては、3awayの相手はダブルギャモンを取ると1点余ってしまうので価値が下がります。したがってこのスコアでも初手41スロットは可能と言えます。

なお、DMP以外で同点またはリードしている場合はすべてスプリットで良いでしょう。

まとめ

自分の勝率またはギャモン率が必要で、かつ、相手がギャモン勝ちする価値が低い場合、初手41でスロットできる。

おまけ1:初手51スロット、62スロット

初手51で13/8 6/5、初手62で13/5のスロットをすることもあり得ます。が、このスロットは初手21や41でのスロットに比べ5ポイントに利いている目が1つ少ないことからスロットの効果を最大限得られる形ではないため採用されることはほとんどありません(特徴を知ったうえで使うことはあります)。ただし、ギャモンを取る価値が高いスコア、2awayを含む偶数awayクロフォードや3awayポストクロフォードでは採用されることもあります。いくらギャモンの価値が高いとはいえ、4away-2awayでは採用しなくても良いでしょう。

おまけ2:初手23スロット、43スロット

これは「3の目で8/5とスロットする」という意味になります。1でスロットするときとの大きな違いは「6ポイントの5枚目を使っているか、8ポイントの3枚目を使っているか」です。当然8ポイントの3枚目を使ってスロットすると8ポイントが使いにくくなってしまいますので、これに関しては「消えた初手」と考えて良いです。また、2の目でスロットする6/4という手も、リスクを負った割に作れるのが2番目に作りたいところではほかにいい手があるならそちらをやるべきとなるので「ない」と考えてよいです。

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