【バックギャモン】ダブリングキューブあれこれ

バックギャモンの歴史は5000年ともいわれますが、現代ギャモンでは当たり前になったら「ダブリングキューブ」が発明されてからはまだ100年ほどです。普通のサイコロは「裏面の和が7になる」という「構造的な共通点」があるものですが、ダブリングキューブにはそのようなものはあるのでしょうか?今回は「JBS 赤坂例会」に常備しているダブリングキューブをいろいろとみてみようと思います。

ダブリングキューブとは?

ダブリングキューブ(以下、キューブ)を使う「ダブル」とは何か?これは「自分の手番で、このゲームの点数を2倍にしようと提案する」というルールです。最初にダブルする権利はどちらにもあり、ボード横に置いているキューブを「2の面」を上にして、相手に見えるように盤面に置くことで成立します。これを受ける(テイクする)場合はキューブを手元(通常はベアオフと反対側の枠内)に引き寄せ、ダブルを提案した側のロールで再開します。「ダブルする」「テイクパスを判断する」「テイクした場合ロールする」がそれぞれ手番として判定されるので、クロックを使う場合はそれぞれのアクションが終わった時にクロックを押します(結構押し忘れる)。また、2倍の提案を断る(パスする)こともできます。この場合は「シングル負け」の扱いとして次のゲームに進みます。
また、ダブルをテイクした側は、そのダブルをさらにダブルすることができます。その場合はキューブの「4の面」を相手に向けて盤面にキューブを置きます。これも出された側は「4倍のゲームを受ける」か「2点負けでゲームを終わらせる」かを選ぶことになります。4倍のダブルをできる権利は「2倍をダブルされた側のみ」にあります。
なお日本バックギャモン協会のルールとしては「キューブに手を触れた場合ダブルをしなければならない」となっています。実際には「ダブルする意図で手を伸ばして触れた場合」を示しており、「手元に置いたキューブに謝って触れた場合」までは規定していないものと考えます。したがって「キューブに手を伸ばした時点でダブルしなければならない」と解釈する人も少なくありません(手を伸ばしている間に相手の顔色を窺うことができ、ダブルをやめることがある、というのが良くないという解釈)。

ダブリングキューブあれこれ

では、キューブはどのような構造になっているのでしょうか。

普通のダブリングキューブには「2、4、8、16、32、64」の面が6面ダイスに書かれています。ゲームスタート時は「64」の面を上に向けてボードの横に置きます。通常、ボードの横には駒を入れる枠の他にもう1つ枠があり、ここに初期状態のキューブを置くことが多いです。

同じメーカーのものは大体同じ構造になっています。右から2番目の黒のキューブはおそらく最初のものと同じメーカーでしょう。

このキューブは、64の面にブランド名が書かれています。64の面をオリジナルの柄にすることも多いです。現在ポイントマッチとして存在している最長は25ポイントマッチで64倍を使うことがないこと、そうでなくても64倍まで行くことがほとんどないことからこのようなデザインのものも多かったりします。

今回撮影したキューブはすべて「写真前面は左から2、64」となるように撮影しています。これまでのものはすべて16が上になっている構造でしたが、右の赤のキューブは「8」が上になっています。
通常のダブリングキューブでは「2の裏は4」「8の裏は16」「32の裏は64」となっていることがほとんどです。スタート時点では64の面が上になるのですが、こうすると2の面は側面に見える側に来ることから、どちらかは2の面が見えるように置けるためスムーズにダブルを打てるというメリットがあります。おそらくこれがほとんどのキューブの構造かと思います。

中には京すごろくのような特殊な構造のキューブも存在します。「京(64に相当)」の裏が「2」になっています。4の裏は32、8の裏は16です。これは「反対の面との積が128」という構造になっており、通常のダイスの「反対の面との和が7」という構造に似せたものと考えられます。

その他のキューブ

通常は6面体で作られていますが、正8面体のキューブ(256まで書かれている)や、正8角柱の側面に2~256まで書かれたものもあります。また、キューブがダイスケースを兼ねているものもあります。P-40のキューブは64の面がふたになっておりスライドさせて中にダイスが入る構造になっています。

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