【バックギャモン】ポジション検討 2024/10/5桑名 & 2024/10/6名古屋

ポジション1 白 2-0 黒 5ポイントマッチ 白の51はどうする?

白は道中で「逃げて逃げて」なことをやった結果しょうもない形になってしまっています。そこで振った51です。ポイントは「飛び出すかどうか」「ヒットするかどうか」ですが、まず相手がプライム形を作っているときは基本的にはヒットされたくありません。ではヒットしないと決めた場合もう1つの問題は「飛び出すかどうか」です。ヒットしないで飛び出さないとかなりの確率で突っ込まれるかポイントオンになってしまうので逆に苦しくなりそうです。したがってヒットしない場合は飛び出します。では残りの1は?この1では8/7とするのが味よしで、「4のデュプリケーション」になっています。ヒットしない場合はこれが一番良いのですが、実は全体で見てもこれがベストで、ヒットする場合のベスト、8/3* 3/2を190点も上回る最善手です。最後のバックマンがプライムを飛び越えるのは白の悲願でもあるので、ここ一番の勝負で飛び出してしまうのが良いでしょう。
なお2番手は5ポイントをメイクする手となっています。プライムの奥を先に攻められるのが良くないのでしょう。

ポジション2 白 0-0 黒 5ポイントマッチ 白の21はどうする?

いくつか候補はありますが、まず7/5* 5/4は排除しましょう。これをやってダンスしたとて黒は困っていませんし、そもそも6通りもショットを与えてこれでは得をしていません。それならば13/12* 13/11としておけばショットを与えないのですが、これも黒に5を振られた瞬間何でもありません。最後の選択肢、13/12* 7/5*のダブルヒットはどうか?今度は5を振られた瞬間結構大変ではあるのですが、5を振れなかったらどうでしょう?いきなり景色が良くなっていませんか?2枚ともダンスをすれば即4倍リダブルを打てるでしょう。ダブルヒットが他を大差で引き離しての最善手です。
こういうとき私は「良いこと・悪いこと論法」を使います。それぞれの候補手で「いいこと」と「悪いこと」それぞれが起きた場合とその勝率などを比較して選択します。何をやろうと黒の5の目はすべて良い(こちらにとっては「悪いこと」)ことから悪いことはギャモン負けの増減くらいでしょう。しかしダブルヒットしたときの「いいこと」が他を桁違いに上回っており、勝率は12%も上げています。したがってダブルヒットが最善となります。

ポジション3 白 0-2 黒 5ポイントマッチ 白のキューブアクションは?

これはかなり悩ましい。この局面でダブルできる理由があるとすれば「ギャモンがまあまああってスコアで負けている」ことで、先に攻めつぶしてしまえば後からバックマンを出すのは難しくないため攻めが利かなくなったら終わりというきわどい局面だと考えていました。冷静に4要素を見てみると、ランとバックマンの状態は互角から若干マイナスなくらい、陣地とチャンスだけでやっていることを考えると「ダブルするんか?」というくらいには見えますが「4か9でヒットしてダンスしたらパスになる」こと、「ヒットできなかったとてリダブルが相当返ってこないこと」が最後の後押しとなり実戦はダブル。解析結果もかなりきわどいダブルを示しており、ギャモン率は24%ながら勝率は54%しかないのでふつうの状況では全然ダブルに値しないと言えるでしょう(「ダブルするんか?」という感覚は間違っていなくて、単にスコアの影響でダブルできますね、という話のようです)。

ポジション4 白 2-3 黒 5ポイントマッチ 白の3ゾロはどうする?

3から3枚か4から3枚か。形を作ってみるのが一番簡単ですが、「ギャモン勝ちの価値が高すぎること」「どちらをやっても悪い目はそれなりの存在する(2を振るか3を振るかの差)」であることからギャモン勝ちを強く見る「3を3枚オフ」が4/1(3)を120点も上回るベストになります。基本的には「ギャモン勝ちが偉いときはギャモニッシュ(ヒット、ポイントオン、ベアオフ)に、そうでないときは安全に」と考えることになるのでここではオフしたほうが良いと言えます。
さて、ではこれがDMPだったら(ギャモン勝ちの価値を0にしたら)どうなるでしょうか?なんとどちらも勝率がほぼ変わらずの80%程度、エラーもありません。2枚多く上がっていることと形の差の問題でそのような感じになるのでしょう。
参考として、3ゾロではなく31だったらどうか?2枚オフか4/offのどちらかですが、このスコアではどちらも同等、DMPでは4/offがベスト(2枚オフは40点のエラー)となります。DMPの場合は形を優先するのが定跡ですが、「2枚多く上がれるならそちらも候補になる」と考えられるかもしれません。

【おまけ】
このような場面で3ゾロを振った時、強制ムーブを瞬時に把握できるかも時短テクニックになります。今回は比較的わかりやすく、「3の目で動けるのが4ポイントの3枚と3ポイントの3枚しかない」「どちらも1回しか動けない」ことから、「4ポイントと3ポイントの6枚から4つ動ける」ということがわかります。パターンは3通りあり、「4ポイントから動くのは1枚か2枚か3枚」、残りは3ポイントから動くことになるのですが、どうやっても「4ポイントと3ポイントから1枚ずつ」は必ず動くので、これが強制ムーブとなり、実質的には「3を2回動かす」ということになるわけです。

ちょっとこなれてくると、「3で動かせるのは5つしかない」とわかるので、「4から1枚、3から2枚が強制」となり、「4か3の1枚どちらを動かすか」の選択になるとわかります。確認してみてください。

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